本日のお悩み:会議の話が長くて終わらない!
このような状況に対して、どのように対応すればよいのでしょうか?
職場内の環境を振り返りながら、時間厳守の風土もつくっていきましょう!
■執筆者/専門家
・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士 『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
残業代も支給されず、会議の内容から逸れた話が延々と続くと、集中力も途切れ、イライラしてしまいますよね。結果として、仕事へのモチベーションも下がってしまうのは当然のことです。
ご質問者様のお気持ち、よくわかります。私自身も同じような経験をしたことがありますし、逆に、知らず知らずのうちに職員にそのような印象を与えてしまっていた場面も少なくありませんでした。
そこで今回は、私の経験をもとに原因を分析し、主任に不快感を与えることなく、状況を改善するための方法をいくつかご提案させていただきます。
長い会議がもたらす3つの深刻なデメリット
2.生産性の低下による長時間労働
3.従業員のモチベーション低下
■1.人件費の浪費
その前提で考えると、例えば会議に10名参加した場合、10名分の残業費が人件費として発生します。時間外でなくとも、労働時間には該当するため、会議の時間は給与が発生しているという認識を持つことは重要です。
■2.生産性の低下による長時間労働
パフォーマンスが下がった状態ですので、通常より業務に時間がかかり、さらに労働時間が長引いてしまうといったデメリットもあります。
■3.従業員のモチベーション低下
初めは会議に対するモチベーションのみですが、だんだんと無駄な時間を過ごす職場に対する不信感に繋がり、離職の要因にもなりかねません。
なぜ話が長くなってしまうのか?会議が長くなる10の根本原因

■【計画・準備不足】が原因のケース
■原因1:会議の目的とゴールが曖昧
結果として、時間ばかりが過ぎてしまい、結論が出ないまま終わることもあります。
■原因2:アジェンダ(議題)がなく、話が脱線する
これにより、会議の本来の目的が見失われ、時間が無駄に使われてしまいます。
■原因3:資料の事前共有がなく、会議が読み合わせになる
これでは、参加者の理解も浅くなり、議論の質も低下してしまいます。
■原因4:そもそも不要・乱立している会議
必要性を見直し、定例会議であっても不要な際はスキップするなどの工夫が重要です。
■【進行・運営】が原因のケース
■原因5:進行役(ファシリテーター)がいない、または機能していない
進行役がいない、または機能していない場合、話があちこちに飛び、誰が何を話しているのか分からなくなってしまいます。結果として、会議の収拾がつかず、時間だけが過ぎていきます。
■原因6:時間配分が決められていない、守られていない
また、時間配分があっても守られない場合、会議全体がだらだらと長引いてしまいます。
■原因7:結論が出ないまま議論がループする
これは、意思決定の基準が曖昧だったり、決定権を持つ人が不在だったりする場合によく見られます。
■【参加者・文化】が原因のケース
■原因8:参加人数が多すぎる
また、全員の意見を聞こうとすると時間がかかり、必要以上に長引いてしまうことがあります。会議の目的に応じて役割を考え、適切な人数に絞ることが重要です。
■原因9:話が長い人がいる、雑談が多い
特に、会議を取りまとめる人がいない、もしくはその役割の人が当事者など発言のコントロールがされていない場合、こうした傾向が強くなります。
■原因10:参加者の当事者意識が低い
その結果、話が進まず、時間だけが過ぎてしまいます。参加者が「自分ごと」として捉えられるような議題の調整や、会議の雰囲気づくりなどの工夫が必要です。
長い会議を終わらせる10の解決策
■【会議前】効率化の土台作り
■解決策1:目的・ゴール・時間配分を明記したアジェンダを作成する
これによって、無駄な議論や話の脱線を防ぐことができます。
■解決策2:資料は必ず事前に共有し、「読んでおくこと」を徹底する
事前準備が整っていれば、会議では本質的な議論に集中できます。
■解決策3:参加者を「本当に必要な人」だけに絞り込む
関係のない人が参加すると、前提の確認や質問で発言が増えたり、集中力が散漫になったりする原因になります。
■解決策4:会議の種類(情報共有、意思決定など)を明確にする
■【会議中】予定通りに時間をコントロールする
■解決策5:ファシリテーターが議論を整理し、脱線を防ぐ
■解決策6:タイマーを活用し、残り時間を「見える化」する
■解決策7:話が長い人には、時間を区切るなどのルールで対処する
ルールを事前に共有しておくことで、個人を責めることなく、全体の時間管理がしやすくなります。
■解決策8:決定事項と次のアクションをその場で確認する
これにより、会議の成果が明確になり、次の行動にスムーズにつなげることができます。
■【会議後】次に繋げる仕組みを作る
■解決策9:議事録は即日共有し、決定事項と担当者を明確にする
即日共有をルール化することで、会議の内容が確実に行動につながり、責任の所在も明確になります。
■解決策10:定期的に会議そのものを見直す「会議の棚卸し」を行う
これにより、本当に必要な会議だけが実施されるようになり、時間の有効活用につながります。
会議が長い…現場のリアルな悩みQ&A
■Q. 会議で話が長い人には、どう対応すればいいですか?
■A.時間の制限をつけたり、ファシリテーターから他の人にも話題を振ってみたりしましょう!
個人を責めるのではなく、会議全体の効率を高めるための工夫として、全体に伝えることで、角が立ちにくくなります。また、ファシリテーターが適切なタイミングで話を整理し、次の議題や他の方の意見を聞く時間へと誘導することも重要です。
■Q. 会議の最適な時間はどれくらいですか?
■A.一般的な会議は30分~1時間!目的に応じて調整しましょう
特に情報共有や進捗確認などの会議は、15~30分以内で十分な場合が多いです。長時間の会議は集中力が続かず、効率が下がるため、意思決定の会議でも最長1時間としましょう。どうしても時間内におさまらない場合は、必要に応じて議題を分割したり、オンラインでの事前共有を活用したりする工夫も大切です。
会議の進行に関与できない場合の解決方法
最後に、会議の運営に携わることができない場合の対応方法を紹介します。
■役職者に相談する
会議は、集中して議案を伝達・整理する場であり、だらだらと続けるものではありません。特に日本では「開始時間は厳守するが、終了時間は守られにくい」という傾向があります。この点を踏まえ、役職者から時間厳守の意識を職場全体に周知してもらうことが効果的です。
■進行役への事前の声かけ
■事前に残業できない旨を伝え、退席する
また、私個人の想いとしては、話が長くなる主任の方が「何を伝えたいのか」を考察し、職員全体でその意図を汲み取りながら、改善に向けて協力していく姿勢が大切だと感じています。 一人ひとりが「どうすれば良くなるか」を考え、行動することで、職場の雰囲気も前向きに変わっていくはずです。
最後に:会議の質を変えると、職場の空気も変わる
また、一人ひとりが「時間を大切にする意識」を持つことで、会議の質が向上し、職場全体の雰囲気も前向きに変わっていきます。「話が長い人」にイライラする前に、施設全体でルールを作って対策する。そんな工夫が、働きやすい職場づくりへと繋がります。
■あわせて読みたい記事

会議の参加率を上げるためには?介護現場でできる時間調整と目的の明確化 | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1333介護施設での定例ミーティングの参加率に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、定例ミーティングの参加率が低い原因と改善策を解説します。チームの協力を促し、会議の質と参加率を同時に高めていきましょう!【執筆者/専門家:脇健仁】

介護業界の生産性向上って?生産性向上の定義や意義をわかりやすく解説!~導入編~ | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1164介護職員等処遇改善加算の加算要件にもなった生産性向上。事業所は取り組まなきゃと思いつつ「そもそも生産性向上って何?」と思っている方もまだ多いはず…。ささえるラボでは「導入編」「実践編」「実践事例編」の3回に分けて専門家が生産性向上について解説します![執筆者/専門家:伊藤 浩一]
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士