本日のお悩み
私の施設では、みんな利用者さんにタメ口で話していて、私はなんか違和感があるのですが、専門家の方はどう思いますか?
タメ口は組織崩壊へのカウントダウン
「タメ口はダメです」
今回は、全日本お年寄りへのタメ口撲滅委員会会長(これは嘘ですが、気持ちはホントに発足したいです)としてお答えします。
■「タメ口はダメ」な理由3つ
では、なぜダメなのか?
理由1
そもそも自分より年上の方にタメ口で話しますか?
会社の上司や学校の先輩にタメ口で話して許されますでしょうか?
普段の生活の中で行わない行為を遥かに年上である利用者さんに行うのはOKではないですよね?小学生でもわかります。
理由2
ホテルに宿泊したり、レストランで食事をした時、タメ口で話してくる店員がいてもなんとも思いませんか?えっ、お金を支払って対価としてサービスの提供を受けているのにどういうつもりだって普通怒りますよね。介護サービスを利用している利用者さんも、お金を払って私達の介護サービスを受けているんです。つまり、タメ口の職員さんは、自分たちの給料の源であるサービス費をお支払いいただいている方にタメ口で話しているということになります。
理由3
自分の親が、自分と同じくらいか年下の介護職員からタメ口で話をされていたら嫌な気持ちや怒りの気持ちになりませんか?なりますよね。
■タメ口の怖いところ
さて、この3点に共通することは何でしょうか?
相手の気持ちや自分の置かれている立場が理解できていないという状況だと言えます。
では、逆に、私達の生活の中で年上の人にタメ口で良い時はどんな状況でしょうか。それは、家族やごく親しい友だちに限られると思います。まれに、認知症や精神疾患等で家族のような親しい存在であることが求められることがありますが、その際は、ケアプランに記載し、根拠を明確にした上で対応する必要があります。
しかしながら、ここまでお伝えしてもタメ口の方が親近感あってご利用者に喜ばれるという方はいらっしゃるでしょう。しかし、私は、丁寧にお話しても親近感はだせると思います。
タメ口の怖いところは、ちょっとしたはずみでエスカレートし、上から目線の言葉になってしまうこと。あっという間に高齢者への敬意、尊重の気持ちがなくなり、職員視点の介護に陥ります。そして、一人が二人、三人となり、タメ口が当たり前となった時、組織は崩壊を迎えるでしょう。一番辛い思いをされるのはご利用者です。
今回お伝えした3つの理由を是非、タメ口で話されている同僚の方に問いてみてください。
全日本お年寄りへのタメ口撲滅委員会会長でした。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)