清拭の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.目のまわりは目尻から目頭に向かって拭く。
2.背部は患側を下にして拭く。
3.腹部は臍部(さいぶ)から恥骨部に向かって拭く。
4.両下肢は末梢(まっしょう)から中枢に向かって拭く。
5.皮膚についた水分は最後にまとめて拭く。
4.両下肢は末梢(まっしょう)から中枢に向かって拭く。
1.(×)顔や首は、中央から外側に向かって拭くことが基本となります。目の周囲は、目頭から目尻に向かって拭きます。
2.(×)患側を下にすると重力により負担がかかり、循環障害をきたす可能性があります。背部は、患側が上になるよう側臥位にして拭くことが適切です。
3.(×)腹部は、大腸の走行に沿って「の」の字を描くように拭くと、腸の蠕動運動を促進する効果が期待できます。
4.(○)両下肢は、末梢から中枢に向かって拭くと、血液循環を促進する効果が期待できます。
5.(×)濡れた状態の皮膚を放置すると、気化熱により寒さを感じるため、逐次水分を拭き取ることが適切です。
利用者の状態に応じた入浴の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.血液透析を受けている人は、透析直後に入浴する。
2.胃ろうを造設している人は、入浴を控える。
3.心臓機能障害がある人は、半身浴にする。
4.酸素療法を行っている人は、鼻カニューレを外して入浴する。
5.回腸ストーマを造設している人は、食後1時間以内に入浴する。
1.(×)血液透析後は血圧が低下しているため、透析を受けた日は原則的に入浴禁止となります。
2.(×)胃ろう造設による入浴制限は必要ありません。入浴後は、負荷をかけずに優しく水分を拭き取り、自然乾燥させます。
3.(○)入浴の作用には、温熱作用、浮力作用、静水圧作用の3つがあります。静水圧作用では水圧によるマッサージ効果が期待できますが、循環血液量増加により心肺に負担もかかるため、心臓機能障害がある場合は半身浴にすることが適切です。
4.(×)入浴時は酸素消費量が増加するため、鼻カニューレは装着したままで入浴します。
5.(×)食後は排泄が促される時間帯であり、入浴には適していません。食前や、食後2時間以上空けた時間帯が適切です。
睡眠薬を服用している高齢者への介護福祉職の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
1.アルコールと一緒に服用してもらった。
2.服用後、1時間は起きているように伝えた。
3.日中、ふらつきがみられたので医師に伝えた。
4.通常の量では眠れないと言われたので、追加して飲むように伝えた。
5.体調に合わせて服薬時間を変更した。
1.(×)アルコールと一緒に服用した場合、薬物の吸収が促進されて血中濃度が高まり、副作用(有害作用)が出現する可能性があります。
2.(×)服用後10~30分で効果が現れるため、1時間も起きているように伝えることは不適切です。
3.(○)高齢者は代謝機能が低下していることから、薬物の作用が必要以上に残存する可能性があります。日中にふらつきなどの気になる症状がみられたときは、医師に伝えることが適切です。
4.(×)服用量の調整は、医師が行うべき医行為です。利用者の訴えを医療職に伝えることが適切な対応です。
5.(×)服薬時間の変更を判断するのは医師の役割です。体調変化などの情報を医療職に伝えることが適切です。
高齢者施設において介護福祉職が行う死亡後の介護について、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.ペースメーカーを取り除く。
2.口が閉じない場合は紐(ひも)で顎を固定する。
3.衣服は着衣がしやすい服を選ぶ。
4.全身清拭には水を使用する。
5.家族に、死亡後の介護を一緒に行うかどうかを確認する。
5.家族に、死亡後の介護を一緒に行うかどうかを確認する。
1.(×)人工呼吸器やドレーンなどの医療機器は取り除きますが、ペースメーカーを取り除く必要はありません。
2.(×)顎を引いた状態にすると口は閉じます。枕を高くして、顎の下に丸めたタオルなどを入れて固定することが適切です。
3.(×)その人らしく美しい外観に整えることで、家族は悲しみの中でも納得して満足感を得ることができます。着衣のしやすさよりも、好みであった衣類を家族と相談して選ぶことが適切です。
4.(×)一般に、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどを用いて消毒した後、ぬるま湯などで清拭します。
5.(○)遺族ケアの観点から、家族と医療職・介護福祉職が一緒になってエンゼルケアを施すケースもあります。家族の意向を確認するとよいでしょう。
左半側空間無視のある利用者の食事介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者の左側にトレー(tray)を置く。
2.トレー(tray)の右側に印をつける。
3.クロックポジションに従って配膳する。
4.食べる様子を観察して適宜食器の位置を変える
5.利用者の右側にあるテレビをつけておく。
半側空間無視は高次機能障害の症状の一つで、視力や聴力などの器質的な問題がないにもかかわらず、患側の空間が認識できない状態になります。
1.(×)左側の空間は認識できないため、右側にトレーを置くことが適切です。
2.(×)トレーの右側は認識できているため、印をつける意味はありません。
3.(×)クロックポジションは、「○時の方向に××があります」と、アナログ時計の短針になぞらえて位置を伝える方法です。視覚障害者に目の前の状況を知らせる際に有効な手段となります。
4.(○)実際にどの範囲が認識できているのかを観察し、適宜食器の位置を入れ替えることで自力での摂取が容易になります。
5.(×)患側である左方向のテレビをつけておくと、左側へ注意を向ける効果が期待できます。
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