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〔事 例〕 Mさん(80歳、男性)は、2年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。Mさんは自宅で暮らし続けることを希望して、介護保険サービスを利用しながら妻と二人で生活していた。 その後、Mさんの症状が進行して妻の介護負担が大きくなったため、Mさんは、U社会福祉法人が運営する介護老人福祉施設に入所することになった。 Mさんの入所当日、担当のA介護福祉職は、生活相談員が作成した生活歴や家族構成などの基本情報の記録を事前に確認した上で、Mさんと関わった。 入所当日の昼食後、A介護福祉職はMさんに歯ブラシと歯磨き粉を渡して、歯磨きを促した。しかし、Mさんは歯ブラシと歯磨き粉を持ったまま、不安そうな顔で歯を磨こうとしなかった。 このときのMさんの症状に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
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1.(×)幻視とは、実際には存在しないものが実在するかのように見えることであり、レビー小体型認知症で特徴的にみられます。 2.(○)失行とは、運動器に問題がないにもかかわらず、身に付けた一連の動作や行動を実行する機能が低下した状態です。脳の運動野の障害が原因で、認知症の進行に伴って出現します。歯ブラシと歯磨き粉を持ったまま、不安そうな顔で歯を磨こうとしないMさんの症状は、失行に該当します。 3.(×)振戦とは、筋肉の収縮と弛緩が反復した際に生じる規則的な不随意運動(震え)です。 4.(×)脱抑制とは、状況に対する反応としての衝動や感情を抑制することが困難な状態に陥ることです。 5.(×)常同行動は、一見無目的な行為や発声を何度も繰り返すもので、前頭側頭型認知症の症状としてみられます。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Mさん(80歳、男性)は、2年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。Mさんは自宅で暮らし続けることを希望して、介護保険サービスを利用しながら妻と二人で生活していた。 その後、Mさんの症状が進行して妻の介護負担が大きくなったため、Mさんは、U社会福祉法人が運営する介護老人福祉施設に入所することになった。 Mさんの入所当日、担当のA介護福祉職は、生活相談員が作成した生活歴や家族構成などの基本情報の記録を事前に確認した上で、Mさんと関わった。 面会に訪れた妻はA介護福祉職に、「最初は夫を施設に入れて申し訳ない気持ちもあったが、元気そうな夫を見て、今はこの施設を利用してよかったと思っている」と話した。A介護福祉職は妻の発言を受けて、介護サービスをもっと気軽に利用してもらうための取り組みが必要であると考えた。そこで、A介護福祉職は施設職員と検討した。その結果、地域の家族介護者を対象に、介護に関する情報提供や交流を図る場を無料で提供することを、独自の事業として継続的に行うことを法人として決定した上で、必要な手続きを行うこととした。 U社会福祉法人が行うこととした事業に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1.公益事業 2.日常生活自立支援事業 3.相談支援事業 4.自立相談支援事業 5.地域生活支援事業
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1.(○)社会福祉法人は、社会福祉事業のほか、公益事業や収益事業を行うことができます。社会福祉法人には、地域社会に根差した公益性の高い事業を行うことも求められています。 2.(×)日常生活自立支援事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会および指定都市社会福祉協議会です。 3.(×)相談支援事業の実施主体は、市町村です。 4.(×)自立相談支援事業の実施主体は、福祉事務所設置自治体です。 5.(×)地域生活支援事業では、市町村と都道府県が実施主体となります。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(22歳、男性)は、19歳の時に統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神保健指定医の診察の結果、入院の必要があると診断された。Bさん自身からは入院の同意が得られず、父親の同意で精神科病院に入院した。 その後、数回の入退院を繰り返した後、21歳から居宅介護を週1回、訪問看護を月2回、デイケアを週3回利用しながら一人暮らしをしている。 居宅介護では、料理や掃除、買物などの介護福祉職の支援を受けているが、Bさんも調子の良いときは一緒に行っている。訪問看護では、Bさんは、服薬を忘れることがあるため、看護師と一緒に薬の飲み忘れがないかを確認している。また、デイケアでは、運動と園芸のグループに参加している。 Bさんが19歳で精神科病院に入院したときの入院形態として、正しいものを1つ選びなさい。
1.任意入院 2.医療保護入院 3.応急入院 4.措置入院 5.緊急措置入院
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1.(×)任意入院は、本人の同意に基づいた入院形態です。 2.(○)精神保健指定医の診察結果から入院の必要があるとされ、本人の同意はなく、父親(家族等)の同意による入院であるため、医療保護入院となります。 3.(×)応急入院は、緊急に入院の必要があるものの、本人の同意も家族等の同意も得られない場合の入院形態です。 4.(×)措置入院は、自傷他害のおそれがある精神障害者が対象となります。2名の精神保健指定医による診断結果の一致が要件となります。 5.(×)緊急措置入院は、自傷他害のおそれがあり、緊急に入院の必要がある精神障害者が対象となります。精神保健指定医1名の診察で要件を満たしますが、入院期間は72時間以内に制限されます。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(22歳、男性)は、19歳の時に統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神保健指定医の診察の結果、入院の必要があると診断された。Bさん自身からは入院の同意が得られず、父親の同意で精神科病院に入院した。 その後、数回の入退院を繰り返した後、21歳から居宅介護を週1回、訪問看護を月2回、デイケアを週3回利用しながら一人暮らしをしている。 居宅介護では、料理や掃除、買物などの介護福祉職の支援を受けているが、Bさんも調子の良いときは一緒に行っている。訪問看護では、Bさんは、服薬を忘れることがあるため、看護師と一緒に薬の飲み忘れがないかを確認している。また、デイケアでは、運動と園芸のグループに参加している。 Bさんは、居宅介護のC介護福祉職にはデイケアや生活のことについて安心して話すようになってきた。ある日、C介護福祉職が掃除をしていて、薬が2週間分内服されていないことを見つけた。また、Bさんは、「Cさんにだけ話します。みんなが私の悪口を言って、電波を飛ばして監視しています」とおびえながら話した。 話を聞いたC介護福祉職のBさんに対する最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「今すぐ薬を飲んでください」 2.「悪口の内容を詳しく教えてください」 3.「薬を飲んでいないからですよ」 4.「医師に話しておきますね」 5.「それは不安ですね」
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「みんなが私の悪口を言って、電波を飛ばして監視しています」という発言は妄想を示唆しており、統合失調症の陽性症状であると考えられます。 1.(×)服薬を継続することは大切ですが、最初にかける言葉としては不適切です。 2.(×)陽性症状が生じている際は恐怖や不安を感じやすいため、すでにおびえた様子であるBさんの恐怖心を助長してしまう可能性があります。 3.(×)正論ではありますが、Bさんの行動に対する否定の言葉であるため不適切です。 4.(×)医師に伝える必要はありますが、Bさんにかける最初の言葉としては不適切です。 5.(○)まずは否定も肯定もせず、Bさんの気持ちを受容する姿勢が大切です。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(22歳、男性)は、19歳の時に統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神保健指定医の診察の結果、入院の必要があると診断された。Bさん自身からは入院の同意が得られず、父親の同意で精神科病院に入院した。 その後、数回の入退院を繰り返した後、21歳から居宅介護を週1回、訪問看護を月2回、デイケアを週3回利用しながら一人暮らしをしている。 居宅介護では、料理や掃除、買物などの介護福祉職の支援を受けているが、Bさんも調子の良いときは一緒に行っている。訪問看護では、Bさんは、服薬を忘れることがあるため、看護師と一緒に薬の飲み忘れがないかを確認している。また、デイケアでは、運動と園芸のグループに参加している。 Bさんは、C介護福祉職と話したことをきっかけに、定期的に服薬できるようになり、以前と同じ支援を受けながら一人暮らしを続けている。最近は、デイケアで就労を目指すグループ活動に自ら参加するようになった。Bさんは、「就労に挑戦してみたい」という気持ちはあるが、就労経験のある他のメンバーの失敗談を聞くと、「自信がない」とも言っている。 Bさんへの支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.自分で料理と掃除ができるようになることが優先であると話す。 2.服薬ができなかったことを取り上げ、治療に専念するように話す。 3.無理せず、今の生活を維持することが大切であると話す。 4.長所を一緒に探し、どのような仕事が向いているのかを考えようと話す。 5.他のメンバーの失敗原因を考え、失敗しない対策をしようと話す。
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4.長所を一緒に探し、どのような仕事が向いているのかを考えようと話す。
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1.(×)介護福祉職の支援を受けながら一人暮らしを続けているため、料理や掃除も課題ではありますが、Bさんが現在抱いている前向きな思いにはこたえられていません。 2.(×)現在は定期的に服薬できている状態であり、過去のことを持ち出すのは不適切です。 3.(×)Bさんの前向きな気持ちを否定しています。 4.(○)長所を一緒に探すことで、Bさんは承認欲求を満たされ、より前向きな気持ちになることができます。この時点では、Bさんの今の状況や思いに寄り添い、一緒に考えていく姿勢が求められます。 5.(×)就労に対する具体的な支援であると考えられることから、もう少し先の段階で行うことが適切です。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(59歳、女性)は30年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis)を発症して、現在、障害者支援施設に入所している。 Dさんは、朝は手の動きが悪く痛みがあるが、午後、痛みが少ないときは関節を動かす運動を行っている。足の痛みで歩くのが難しく車いすを使用しているが、最近は手の痛みが強くなり、自分で操作することが難しい。また、食欲がなく、この1か月間で体重が2kg減っている。夜中に目が覚めてしまうこともある。 Dさんの朝の症状の原因として、最も可能性が高いものを1つ選びなさい。 1.睡眠不足 2.低栄養 3.平衡感覚の低下 4.筋力低下 5.関節の炎症
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1.(×)「夜中に目が覚めてしまうこともある」という情報はありますが、睡眠の状態が朝の手の動きや痛みに関連する可能性は低いと考えられます。 2.(×)食欲がなく体重減少もみられるため低栄養の診断基準を満たす可能性はあるものの、朝の手の動きや痛みの原因とは考えにくいでしょう。 3.(×)関節リウマチの症状として平衡感覚の低下を生じることはあるものの、朝の症状の直接的な原因とはなりません。 4.(×)関節リウマチの症状として筋力低下を生じることはあるものの、朝の症状の直接的な原因とはなりません。 5.(○)Dさんは朝に手の動きが悪く痛みが生じており、関節の炎症による朝方のこわばりであると考えられます。左右対称に手足の指の関節が腫れ、朝方にこわばりを感じるのは、関節リウマチの典型的な初期症状です。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(59歳、女性)は30年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis)を発症して、現在、障害者支援施設に入所している。 Dさんは、朝は手の動きが悪く痛みがあるが、午後、痛みが少ないときは関節を動かす運動を行っている。足の痛みで歩くのが難しく車いすを使用しているが、最近は手の痛みが強くなり、自分で操作することが難しい。また、食欲がなく、この1か月間で体重が2kg減っている。夜中に目が覚めてしまうこともある。 使っていた車いすを自分で操作することが困難になったDさんが、「障害者総合支援法」で電動車いすを購入するときに利用できるものとして、適切なものを1つ選びなさい。 (注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1.介護給付費 2.補装具費 3.自立支援医療費 4.訓練等給付費 5.相談支援給付費
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選択肢はすべて、「障害者総合支援法」における自立支援給付に該当します。 1.(×)介護給付費は、居宅支援や施設入所支援など、日常生活を送る上で必要な介護サービスを受ける際に支給されます。 2.(○)車いす、義手、義足、補聴器などの購入や修理にかかる費用は、補装具費として支給されます。 3.(×)自立支援医療費は、医療提供の際に支給される費用であり、育成医療、更生医療、精神通院医療の3つが自立支援医療制度として一元化されています。 4.(×)訓練等給付費は、適性に応じて機能訓練、生活訓練、就労支援などのサービスを受ける際に支給されます。 5.(×)相談支援給付費は、計画相談支援や地域相談支援などの相談支援を受ける際に支給されます。
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次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(59歳、女性)は30年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis)を発症して、現在、障害者支援施設に入所している。 Dさんは、朝は手の動きが悪く痛みがあるが、午後、痛みが少ないときは関節を動かす運動を行っている。足の痛みで歩くのが難しく車いすを使用しているが、最近は手の痛みが強くなり、自分で操作することが難しい。また、食欲がなく、この1か月間で体重が2kg減っている。夜中に目が覚めてしまうこともある。 Dさんは、「ここ数日、朝だけでなく1日中、何もしないのに手足の痛みが強くなってきた」と訴えている。 日常生活で、Dさんが当面留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.前あきの衣類より、かぶりの衣類を選ぶ。 2.ベッドのマットレスは、柔らかいものを使用する。 3.関節を動かす運動を控える。 4.できるだけ低いいすを使う。 5.頸部(けいぶ)が屈曲位になるように、高めの枕を使用する。
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1.(×)前あきの衣類のほうが、かぶりの衣類よりも関節の動きが小さくて済むため、着脱しやすいと考えられます。 2.(×)ベッドのマットレスは、硬めのものを選んだほうが関節への負担が軽くなります。 3.(○)関節の炎症が悪化して痛みが強くなっていると考えられることから、運動による増悪を防ぐため、痛みが生じている間は午後に行っている関節を動かす運動を控えることが適切です。 4.(×)低いいすを使うと、起居動作の際に関節の負担が増加します。 5.(×)頸部屈曲位は、関節に負担がかかりやすいため避けることが適切です。
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