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介護職の転職で失敗しないために!後悔しない転職をするための心得とは

介護職の転職で失敗しないために!後悔しない転職をするための心得とは

[2024年7月更新] 介護職の転職で失敗する原因は、職場や仕事に対する印象が入職前と入職後で大きく異なっていたことにあります。転職で失敗しないためにも、面接の段階で気になることは全て確認しておくことが大切です。【執筆者:ささえるラボ編集部/専門家 古畑 佑奈】


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介護職の転職で失敗や後悔をする理由とは?

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

転職には時間も労力もかかるため、入職後すぐに後悔してしまうようなことは、誰もが避けたいと思っているはずです。しかし、実際に入職してみると後悔をしてしまう方が一定数いるのも事実でしょう。

では、なぜ後悔してしまうのでしょうか。後悔してしまう最大の理由は、入職前と入職後のギャップが大きすぎる際に生じることが多いと言えます。
この記事では、実際に後悔してしまった事例をもとに後悔しない転職をするためには何を意識するべきか解説していきます。

介護職の転職で起こりがちな、転職に後悔してしまう事例

事例1:職場の人間関係に問題があったため

介護労働安定センターが令和5年に行った調査によると、介護職の離職理由で最も多いのは「職場の人間関係に問題があったため」でした。

ご利用者やご家族、また職場の方々など働くうえで人と深く関わることが必須である介護業界において、人間関係に悩む方が一定数いることは事実です。
では、具体的にどのような場面で人間関係の難しさを感じているのでしょうか。

人間関係が難しくなる原因を知ることで、事前に人間関係のこじれを防ぐポイントや、その問題に出くわした際に必要な対処法を確認していきましょう。


◆介護の現場で人間関係に悩む理由の例◆
1.覚えるべき知識やスキルが多く利用者への関わりに悩むから
2.教育体制が整っておらず、先輩との関係に悩むなど働き続けることに不安を感じたから
3.利用者さんとのコミュニケーションが難しかったから
4.カスタマーハラスメント(利用者さんからの暴力など)に悩まされたから

※出典:介護労働安定センター 令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について

1.覚えるべき知識やスキルが多く利用者への関わりに悩むから

利用者さんや利用者さんのご家族は、職員に対し介護のプロであるという信用のもと介護を依頼しています。そのため、未経験で入職するとなると最初は覚えるべき知識やスキルが多くあります。

スキルや知識を習得するまでは自信をもってケアにあたることが難しく、利用者さんと関わることに不安を感じることがあるでしょう。
スキルや知識を身に着けることで、徐々に自信がついてくるとは思いますが、スキルや知識を身に着ける方法は、独学のみだと何から手をつければよいか迷うと思います。
その場合は、介護職員初任者研修などの資格の取得をおすすめします。資格があると提供できる介護サービスの質が上がることはもちろん、業務の幅が広がったり、給与アップの可能性もあがったりとメリットがたくさんあります。
また、はじめはうまくできないというようなことは、介護職に限らずどの仕事に就いても起きうることです。
あまり焦らず、着実にスキルアップを目指しましょう。

2.教育体制が整っておらず、先輩との関係に悩むなど働き続けることに不安を感じたから

未経験で入職した場合、その施設の教育体制が整っていないからこその人間関係に悩む方もいます。介護業界は人手不足であるため、「利用者さんのケアで、先輩たちは手一杯」「特定の教育担当者がいないので教えてくれる人によってやり方が異なる」などから先輩との関係が築けず、仕事に慣れないというようなことは、よくある悩みと言えるでしょう。

対策方法としては、入職前に施設見学などを行い実際にどのような教育体制が整っているのか現場の方に聞いてみるのが良いでしょう。
既に働いている方は、先輩方がどのように教育を受けたのかやスキル習得をしたのかを聞いてみるのも一つの手です。また、ケアのやり方が統一されておらず迷う場合は、現場の責任者の方に相談しその施設のやり方を明確にしていただくのもよいと思います。

3.利用者さんとのコミュニケーションが難しかったから

利用者さんとのコミュニケーションは、介護業界での仕事を円滑に進めるにあたって必須事項です。
ですが、もともと人とのコミュニケーションが得意と思っていない方でも、介護職として入職する方もいると思います。

利用者さんとのコミュニケーションに難しさを感じた際は、上手にコミュニケーションがとれている先輩や同僚の姿を見てみたり、アドバイスをもらいに行ったりするようにしましょう。
その際に、自身のコミュニケーションが一方的になっていないかや相手の状況を考えて発言ができているかなども振り返ってみてください。
また、コミュニケーションはうまくお話ができることと思ってしまいがちですが、ご利用者さんのお話を聞くことや言葉の裏にある気持ちを汲み取ったり、表情などからご利用者の抱えている不安を感じたりすることも重要です。まずはご利用者さんがどのような方なのかを観察してみるとご利用者さんが必要としている関わり方が見えてくるでしょう。

4.カスタマーハラスメント(利用者さんからの暴力など)に悩まされたから

利用者さんとの関係でもう1つ悩みになりやすいのが、暴力や暴言などのカスタマーハラスメントです。
利用者さんの中には自分の思い通りに進まないとき、職員にあたってしまう方もいます。
近年、これらの対策として厚生労働省は事業所に対し、カスタマーハラスメントに関する策を講じるよう推奨しています。

利用者さんとの関係に悩んだ際、一部の介護職の方は利用者さんのためを思って行動をとらないことがあります。しかし、まずは介護職に従事している自分のことを大切にしてください。
実際に利用者さんとの関係で悩んだ際は、上司や同僚に相談をしたり、利用者さんの行動背景を考え、対策を講ずるなどできる限り再発防止に努めましょう。とにかく「悩んだら相談」ということを忘れないようにしましょう。


人間関係の悩みを未然に防ぐことは難しいですが、入職前に施設見学を行い現場の声や利用者さんの要介護度を確認するなどし、少しでも後悔しないよう工夫することは大切でしょう。

事例2:面接時に希望した施設と異なる配置だった

複数の施設形態を持つ事業所でよくあるのが、面接時に希望していた施設と違う施設への配置です。法人単位での面接となる場合には、「希望の施設に配属されるかどうかはわかりません」といわれることがあります。もしあなたが面接でそのようにいわれたときには、「希望の施設に配属されないかもしれない」と考えることもできるでしょう。

しかし、気をつけたいのは施設単位での面接となった場合です。施設単位で求人が行われている場合、同じ法人で他に施設があることに気づかない人もいます。そのため、合格の連絡をもらったときに他の施設への配属を打診され、「聞いていない」と不満を感じるという例もあります。

複数の施設形態を持つ事業所の場合には、他にどのような施設があるかを事前に確認して、希望施設以外への配属があるのかどうかも確認しておいた方が安心です。

事例3:聞いていた勤務体制や待遇面が実際と違っていた

事前に求人票などを確認していたにもかかわらず働き始めてみたら、勤務体制や待遇面が違っていたということもあると思います。特にこのギャップが生じやすいのは以下のパターンです。

■休みの希望が出しやすいと聞いていたのに、実際は出しづらかった
■夜勤ができないことを了承してもらったうえで入職したのに、数ヶ月で夜勤を打診された
■賞与額が事前に聞いていた金額より少なかった

待遇面のギャップについては休日や給与に関する内容がほとんどです。1つずつ具体的に見ていきましょう。

■休みの希望が出しやすいと聞いていたのに、実際は出しづらかった

面接時に、「休みはとりやすいよ」と言われていたのに実際に働いてみると、人が足りず全然休みがとれなかったという話は介護業界に限らず、その他サービス業でもよくある事例です。

このギャップが生じてしまうと、自身の思い描くライフワークバランスなどにも影響を及ぼすため、転職において後悔するよくある事例であると言えます。
面接などで確認することも大切ですが、施設見学などで現場の人の声を直接聞くことができるとギャップは生じづらくなるでしょう。

■夜勤ができないことを了承してもらったうえで入職したのに、数ヶ月で夜勤を打診された

面接官と直属の上司が異なる場合、情報が連携されていないことが多々あります。
入職時に再度、上司と目線合わせができるとこのギャップが生じることなく業務をスタートできるでしょう。

■ボーナスは4ヵ月分と聞いていたのに、思っていたよりずっと少ない額だった

賞与の時期に起こりがちなのが、事前に聞いていたボーナス額より金額が低いという問題です。ボーナスの支給額を決める仕組みは施設や事業所によって異なります。

そのため、施設によってはその年の経営状況で支給額が決まったり、その人個人の評価係数によって決まったりと様々です。
入職後に後悔しないためにも、事前に賞与額の決定方法なども確認しておきましょう。

事例4:スキルアップできる環境ではなかった

先述しましたが、介護の現場は人手不足であることがほとんどです。つまり、人手が足りないとなると、利用者さんのケアに手一杯で、新人教育などの体制が整っていない可能性があるのです。
しかし、国の働きかけもあり、昨今では新人教育に熱心な事業所も多くあります。取り組みが積極的にできている事業所なのかそうでないのかは、入職前に見極める必要があるでしょう。
新人教育がうまくいかない職場環境で働く場合、未経験者は先輩職員の動きから自主的に学ぶ必要がありますし、経験者は前施設とのやり方の差にギャップを感じる可能性があります。

このようなギャップを避けるためにも、転職を考える際には職場見学を申し込み、実際に現場で働く人たちから新人教育の取り組みなどを確認できるとよいでしょう。

介護職が転職で後悔しないように確認すべき5つのことと早期離職を防ぐ方法

悩む介護職員

執筆者/専門家

古畑 佑奈

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/19

社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業を経験し、介護業界に9年携わる。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営。 現在は介護職やマネジメント経験を活かし、介護系ライターとして研鑽中。

転職で後悔しないために確認したい5つのポイント

ここまでは、介護職の転職で後悔しがちな事例をあげました。では、後悔しないために転職準備期間や活動中に何ができるでしょうか。
実際の現場の視点で専門家が解説します!

後悔しないために私たちができることは以下の5つです。
1.事業所の経営方針や理念は自身に合っているか
2.職場見学をし、職場環境を知ろう
3.業務内容は自身にあっているものか
4.キャリアアップできる環境か
5.給与や休日などの待遇はどうか

1.事業所の経営方針や理念は自身に合っているか

介護労働安定センターの調査によると、「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」というのが「人間関係に問題があった」の次に多い退職理由となっています。

運営方針や理念には、その事業所が今後どのように成長したいかというメッセージが含まれています。せっかく入職したのであれば、チーム一丸となって同じ目的に向けて働くことができたほうがよいと思いますので、ホームページやパンフレットなどで事前に確認しておくようにしましょう。
出典:介護労働安定センター 令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について

2.職場見学をし、職場環境を知ろう

職場環境というと真っ先に頭に思い浮かぶのは人間関係ですが、残念ながら人間関係については働いてみてからでないと分からないことがほとんどです。

職員同士がビジネスライクな付き合いを求める方、アットホームな付き合い方を求める方など、価値観によって望むかかわり方は様々ですし、職場の雰囲気は実際の働くスタッフから伝わってくるものもあります。可能であれば施設見学等で、実際に働くスタッフと話してみるのがよいでしょう。その際、最低限確認したいことは以下の通りです。

◆施設見学時に確認したいこと◆
・利用者の要介護度や人数
・施設の衛生状態
・職員間のコミュニケーションや利用者さんとのコミュニケーション
・施設の教育体制
・相談窓口設置の有無
・部署移動の有無

3.業務内容は自身にあっているものか

勤務時間や、職員の人数、実際の仕事の内容といったところは、働く前にある程度、具体的に把握することができます。1日の業務の流れや残業の有無などを確認すると、イメージがつきやすいでしょう。

最近はICT化を進めている施設も多く、どのような機器を活用しているかといったことも確認しておくと自身の業務負担がどのように軽減されるかイメージができ、よいかもしれません。
また、施設見学をしたり業務内容の把握を行う際は、1施設だけでなく複数の施設を比較できるよう2~3施設を比較して納得したうえで決めるようにしましょう。

4.キャリアアップできる環境か

キャリアアップを目的に転職活動をする場合、その職場の中でのキャリアプランやそのサポート体制もしっかりと確認しておく必要があります。
また、介護の専門性を高めるための学習支援や資格取得助成、研修制度といった内容は求人情報からはなかなか情報が得られにくいので、施設見学や面接時に直接確認してみるとよいでしょう。

5.給与や休日などの待遇はどうか

給与や福利厚生ついては、会社によって様々です。
基本給のみではなく、資格手当や通勤手当などの手当や、賞与、退職金制度についても確認しておきましょう。

年間休日数も会社により差があるため、休日や休暇を重視する方は要チェックです。特に、介護業界はシフト制の施設が多いため、シフトの調整や休みの要望はどれくらい通るのかを事前に確認しておきましょう。面接時や職場見学で確認することも大切ですが、口コミサイトなども参考にしてみると様々な視点での声を聞くことができると思います。

介護施設の場合、各種予防接種助成や食事補助などの福利厚生がある会社もあります。複数施設を比較する際に参考にしてもよいかもしれません。


上記5点は入職前に必ず確認するようにしましょう。少しでもミスマッチをなくし、後悔することなく「転職してよかった!」「入職してよかった!」と思える転職をしましょう。

早期離職を避けるには、理想と現実のギャップに向き合おう!

早期で離職する人の特徴の1つに入職前に抱いた理想と、入職後の現実のギャップに耐えられなかったということが挙げられます。

理想がすべて揃っている職場はなかなかないと思います。つまり、誰もが何かしらのギャップや不安を抱えているのです。

では、そのギャップを抱えたあとにやめてしまう人と、成長の機会に繋げる人の差は何でしょうか。
それは、「自身のギャップに向き合えているか」です。入職前に様々な理想を持つのは当然のことです。しかし、それらの中でどれが優先順位が高いかを明確にしておくと、優先順位の低い理想が現実とは異なっていてもすぐに辞めず、その状況に向き合うことができるのです。

転職活動を始める際に、今回の転職で叶えたいことや理想の職場について検討し、書き出してみると整理ができるでしょう。そしてその中で優先順位が高いものを面接や施設見学時にも確認して入職に向けた準備をしていきましょう。

最後に:ギャップを埋め、向き合うことが大切

転職活動中の面接では、お互いにマイナスになることは積極的に伝えることがありません。しかし、伝えられなかった情報こそが、入社後の「こんなはずではなかった」という気持ちを生み出してしまいます。転職で失敗しないためには、疑問点は面接の段階でできるだけ解消しておくことが大切です。

また自分自身の情報についても「どのようなスキルを身につけたいか」「どのような将来像を描いているか」「現状の課題として認識していることは何か」などを伝えておくことが必要です。お互いの情報をきちんと双方が把握しておくことで入社前と入社後のギャップを埋めることができ、介護職の転職はより成功に近づくといえるでしょう。

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