本日のお悩み
今回、転職する所が行政処分(指定取り消し処分)を受けた会社なのですが、就職してデメリットになる事はありますか?
質問者:りん さん
介護事業者の指定取り消しの行政処分を受けた会社への就職
■「行政処分指定取り消し処分」とは?
介護保険法に基づく介護サービスを提供する事業者は、サービス内容ごとに都道府県から指定を受けて、介護サービスを提供しています。
しかしながら、不正請求や人員基準違反などがあった場合には、指定の取り消しや一定期間指定の全部または一部の停止等の行政処分を受けることがあります。
■指定取り消しになると、介護サービスを行えなくなります。
厚生労働省によれば、指定取消・効力の停止処分のあった施設・事業所は平成29年度は257事業所、平成30年度に153事業所あり、そのうち平成29年度は169事業所、平成30年度は79事業所が指定取消処分を受けています。
主な指定取消事由は、不正請求が最も多く(平成29年度が47.9%、平成30年度が51.9%)、そのほかに運営基準違反・人員基準違反・虚偽報告などがあります。
指定取り消しの行政処分を受けると、事業者は介護保険給付を受けることができなくなり、当該指定を受けていた介護サービスの提供が困難となります。
■利用者さん・ご家族から厳しい目にさらされることも…
したがって、あなたが転職予定の事業者の法人の規模が小さい場合は、法人の存続自体が困難な状況となり、再度の転職の必要が生じるかもしれません。
また、指定取消ではない事業所に配置された場合でも、指定取消処分を受けた法人ということで、利用者さん・ご家族様などからの厳しい目にされされる可能性があるかもしれません。
伊達総合法律事務所 代表弁護士