第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)

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第33回 介護福祉士国家試験の試験科目【コミュニケーション技術】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


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第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)

問題1

介護福祉職が利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.利用者の意見に賛成できなくても同意する。
2.「○○ちゃん」と親しみを込めてお互いを呼び合う。
3.介護福祉職からは質問をせずに受け身の姿勢で聞く。
4.介護福祉職の価値判断に従ってもらう。
5.介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わる。

解答

5.介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わる。

解説

1.(×)賛成できない意見に対して、無理に同意する必要はありません。利用者の意見を受容し、共感する姿勢が求められます。
2.(×)相手の年齢や立場を考慮し、敬意を持って接するべきであり、友達であるかのような「○○ちゃん」という呼び方は不適切です。
3.(×)コミュニケーションは双方向であるため、傾聴する姿勢は大切ですが、必要に応じて質問することも必要です。
4.(×)介護福祉職の価値判断ではなく、利用者の価値判断を尊重するべきです。
5.(○)介護福祉職自身の感情の動きを意識(自己覚知)しながら利用者と関わることは、信頼関係を築くために必要な技術です。

問題2

Gさん(55歳、男性)は父親と二人で暮らしている。父親は週2回通所介護(デイサービス)を利用している。Gさんは、父親が夜に何度も起きるために睡眠不足となり、仕事でミスが続き退職を決意した。

ある日、Gさんが介護福祉職に、「今後の生活が不安だ。通所介護(デイサービス)の利用を やめたいと考えている」と話した。

Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためのコミュニケーションとして、 最も適切なものを1つ選びなさい。

1.開かれた質問をする。
2.「はい」「いいえ」で答えられる質問をする。
3.介護福祉職のペースに合わせて話してもらう。
4.事実と異なることは、訂正しながら聞く。
5.相手が話したくないことは、推測して判断する。

解答

1.開かれた質問をする。

解説

1.(○)「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためには、開かれた質問を用いて自由に考えを話してもらうことが適切です。
2.(×)「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問では、Gさんの考えに至るまでに膨大な時間がかかってしまいます。
3.(×)介護福祉職のペースではなく、Gさんのペースで話してもらうことが適切です。
4.(×)訂正しながら聞くとGさんの話が途切れてしまい、言いたいことを伝え切れなくなる可能性があります。事実と異なる点に気付いたときは、話を聞いた後に訂正するほうが効果的です。
5.(×)推測して判断するのでは、Gさんの考えを理解することは難しいでしょう。

問題3

利用者と家族の意向が対立する場面で、介護福祉職が両者の意向を調整するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.両者が話し合いを始めるまで発言しない。
2.利用者に従うように家族を説得する。
3.利用者と家族のそれぞれの意見を聞く。
4.家族の介護負担の軽減を目的にして調整する。
5.他職種には相談せずに解決する。

解答

3.利用者と家族のそれぞれの意見を聞く。

解説

1.(×)待つ姿勢も大切ですが、利用者や家族が話し出すきっかけとなるような発言をすることが望まれます。
2.(×)利用者の意見に従って家族を説得するのではなく、双方の共通点や妥協点を見出し、調整することが重要です。
3.(○)中立的な立場で利用者と家族のそれぞれの意見を聞き、両者の思いを理解した上で調整し ていく姿勢が望まれます。
4.(×)家族の目的だけを調整するのではなく、双方の思いや希望を理解して調整することが大切です。
5.(×)状況に応じて他職種にも相談し、専門的な意見を取り入れ、チームとして対応することで解決を図ります。

問題4

運動性失語症(motor aphasia)のある人とコミュニケーションを図るときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.絵や写真を使って反応を引き出す。
2.大きな声で1音ずつ区切って話す。
3.手話を使うようにする。
4.五十音表でひらがなを指してもらう。
5.閉ざされた質問は控える。

解答

1.絵や写真を使って反応を引き出す。

解説

1.(○)運動性失語症(ブローカ失語)は、言語理解には問題がないものの、言語を発することが苦手な状態であり、絵や写真などの非言語的な情報を利用したコミュニケーションが有効です。
2.(×)言語を理解する能力に問題はなく、聴覚に障害もないことから、効果が期待できない方法です。
3.(×)手話は、聴覚障害がある利用者とのコミュニケーション方法です。
4.(×)五十音表の利用は、構音障害がある場合に有効なコミュニケーション方法です。
5.(×)「はい/いいえ」で答えられる閉じられた質問は、運動性失語症がある場合に有効なコミュニケーション方法です。

問題5

介護記録を書くときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.数日後に書く。
2.客観的事実と主観的情報は区別せずに書く。
3.ほかから得た情報は情報源も書く。
4.利用者の気持ちだけを推測して書く。
5.介護福祉職の意見を中心に書く。

解答

3.ほかから得た情報は情報源も書く。

解説

1.(×)介護記録は、記憶が鮮明なうちに書くことが適切です。
2.(×)客観的事実と主観的情報は区別して記載します。
3.(○)他から得られた情報は、情報源を記載することで正確性が高まります。
4.(×)利用者の気持ち(主観的情報)だけを推測して書くことは不適切です。利用者の気持ちを 推測して書く場合は、その根拠となる客観的事実も必ず書いておく必要があります。
5.(×)介護福祉職の意見(主観的情報)を中心に書くことは不適切です。介護福祉職の意見を書く場合も、その根拠となる客観的事実を必ず書いておく必要があります。

問題6

報告者と聞き手の理解の相違をなくすための聞き手の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.受け身の姿勢で聞く。
2.腕組みをしながら聞く。
3.同調しながら聞く。
4.不明な点を確認しながら聞く。
5.ほかの業務をしながら聞く。

解答

4.不明な点を確認しながら聞く。

解説

1.(×)しっかりと報告を受ける姿勢は大切ですが、完全に受け身の姿勢になる必要はありません。
2.(×)腕組みは、相手に威圧感を与えるため不適切です。また、無表情やしかめ面などで話を聞くと、相手を萎縮させる可能性があります。
3.(×)同調すべき点と、質問すべき点を明確にしながら聞くことが適切です。すべてに同調する必要はありません。
4.(○)正しく共通の認識を得るためには、不明な点をあいまいなままにせず、確認しながら聞くことが適切です。
5.(×)話をしているのにずっとパソコンに向かってタイピングをしているなど、他の業務をしながら報告を聞くと、相手を不快にするだけでなく、重要な報告を聞き逃す可能性もあります。
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