本日のお悩み
現在、病院でワーカーとして勤務しています。
最近、認知症の患者さんが多く、帰宅願望や不安感を訴える方が多く傾聴対応することが多いのですが、そういった対応をしていると
「もうその人に話しかけなくても良いから!」と看護師から言われることがあります。
たしかにその方と会話をしていると仕事が滞ることもありますが、夜勤中で他の方も寝ているのであれば対応は出来ます。
その患者様も傾聴していると落ち着かれています。
今まで介護施設で勤務していたので、こういった対応には疑問を感じてしまいました。
病院と介護施設では対応が変わったり、考え方が変わったりするのでしょうか?
相談者:みお さん
「その人にはもう話しかけなくていい」のはなぜでしょうか?
傾聴対応することはいいことですよね。
おっしゃる通り、傾聴することで帰宅願望や不安感を訴える方も心が安定したり、利用者様のことを知る機会にもなりますよね。
もちろん病院と介護施設では、利用されている方も環境も違うとは思いますが、傾聴することの大切さは同じだと思います。
少し私の経験も踏まえてお伝えさせて頂きます。
■専門家・平栗さんのエピソード
まず「もうその人に話しかけなくていい」というのはなぜなのかを確認したいですね。
実は、私の介護施設でも同じようなことがありました。
グループホームで1ユニット9名、日中は3名の介護職で対応をしています。
そこに一人の利用者様とじっくりお話される介護職がいました。
居室まわって色々と仕事して戻ってくると、まだその利用者様とお話をされていました。
コミュニケーションも介護をする上では大切ですので、まぁいいかと思って別のことをしていました。
少し時間がたって、またその職員を見るとずっとその利用者様とお話をされています。
他の仕事もたくさんあったので、大変心苦しいのですが
「お話されるのも大切ですが、他の仕事もあるのでほどほどにお願いします」と伝えたことがあります。
その介護職の方から「コミュニケーションは大切だと思うんですけど!」と怒りの言葉を言われてしまい、戸惑ったことを覚えています。
私は時間があれば、じっくりコミュニケーションとることはいいと思っています。
ただ、コミュニケーションを取ることで他の仕事がおろそかになること、
さらにその利用者様につきっきりになることで他の利用者様のことも考えてほしいということだったのです。
■言葉の裏に含まれた意図は?
ご質問者の方の状況とは違うかもしれませんが、
人に何かを伝えることって本当に難しいと思っています。
看護師の方の言葉『もうその人に話しかけなくても良いから!』の裏にどのような思いや意図があるのか、聞いてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら言葉の裏に、言葉とは違う内容があるのかもしれません。
■「なぜですか?」と聞けたらいいですね
今後も仕事をしていると理解のできないことや納得できないことがあるかもしれません。
できればその場で「それはなぜですか?」と聞くことができたらモヤモヤすることが減るかもしれませんね。
とはいえ、聞きにくい人がいることもありますけどね。
参考になりましたらうれしいです。
株式会社コンソーシアムジャパン 代表取締役
有限会社ケアステーション大空 代表取締役
一般社団法人日本介護協会 理事長