第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護過程)

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第33回 介護福祉士国家試験の試験科目【介護過程】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


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第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護過程)

問題1

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.利用者の健康状態の改善
2.介護福祉職の介護観の変容
3.他職種との役割の分化
4.家族の介護負担の軽減
5.利用者の生活の質の向上

解答

5.利用者の生活の質の向上

解説

1.(×)利用者の健康状態の改善は、利用者が自己実現するための方法の一つです。
2.(×)介護過程を展開する上で、主体となるのは利用者自身です。介護福祉職の介護観の変容が目的とはなりません。
3.(×)他職種との役割の分化は、利用者が望む生活をサポートするための方法の一つです。
4.(×)介護過程を展開する上で、主体となるのは利用者自身です。家族の介護負担の軽減が第一の目的とはなりません。
5.(○)介護過程は、利用者の自己実現に向けた客観的で科学的な思考過程であり、利用者の生活の質(QOL)の向上は大きな目的の一つとなります。

問題2

介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.五感を活用した観察を通して情報を集める。
2.一つの場面に限定して得られる情報を集める。
3.初対面のときから踏み込んで情報を集める。
4.興味のある個人情報を集める。
5.実践したい支援に沿った情報を集める。

解答

1.五感を活用した観察を通して情報を集める。

解説

1.(○)五感をフルに活用し、さまざまな視点から観察して、多角的に情報収集することが適切です。
2.(×)一つの場面に限定して得られた情報だけでは、生活課題が見落とされる可能性があります。
3.(×)踏み込んだ情報に触れるのは、少しでも信頼関係が構築されてからのほうが望ましいといえます。初対面の場で相手が圧迫感や威圧感を感じてしまうと、その後の関係構築に影響を及ぼす可能性があります。
4.(×)介護福祉職の興味を情報収集のテーマにするのは不適切です。
5.(×)介護する側が実践したい支援ではなく、利用者の自己実現に向けて、生活課題に沿った支援を展開するために情報収集することが適切です。

問題3

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.順調に経過していたときの状況を分析する。
2.「怖いから」という思いを解釈する。
3.入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。
4.入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。
5.入浴を面倒に思っていると判断する。

解答

2.「怖いから」という思いを解釈する。

解説

1.(×)順調に経過していたときではなく、変化がみられる現在の状況を分析することが適切です。
2.(○)足を滑らせてから1週間入浴せず、浴室内を整えたと伝えても入浴を拒否しています。Mさんが安心して入浴できるよう支援方法を検討するためには、「怖いから」という思いを解釈する必要があります。
3.(×)Mさんの再アセスメントが必要であり、それと入浴を断られた介護福祉職の思いは無関係です。
4.(×)設問の事例では、入浴時間は問題になっていません。
5.(×)お風呂に入って肩まで浸かることが楽しみだったのに、足が滑ったことがきっかけで「怖いから」と発言しています。入浴が面倒になったとは考えられません。

問題4

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

再アセスメントによって見直した支援の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.湯船につかる自信を取り戻す支援
2.浴室内の移動の不安を取り除く支援
3.浴室まで安全に移動できる支援
4.足浴で満足感を得ることができる支援
5.身体機能を改善する支援

解答

2.浴室内の移動の不安を取り除く支援

解説

1.(×)お風呂に入って肩まで浸かることを楽しみにしており、湯船に浸かる自信を失ったと考えられるエピソードはみられません。
2.(○)浴室を出ようとしたときに足を滑らせたことをきっかけに、入浴拒否が始まっています。浴室内での移動動作に対する不安があると考えられるため、その不安を取り除く支援が最も適切です。
3.(×)浴室までの移動について不安が生じているという情報は記載されていません。
4.(×)入浴が不可能であれば足浴で満足感を得ることも必要ですが、Mさんの場合は不安を解消して楽しみであった入浴を再開できるような支援が求められます。
5.(×)Mさんの身体機能には問題がないことから、身体機能を改善する支援が優先されるとは考えにくいでしょう。

問題5

次の記述のうち、介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.支援内容を説明して同意を得ること。
2.具体的な支援計画を検討すること。
3.達成できる目標を設定すること。
4.支援の経過を評価すること。
5.利用者の生活課題を明確にすること。

解答

5.利用者の生活課題を明確にすること。

解説

1.(×)支援内容を説明して同意を得るのは、介護計画を立案し、支援を決定して実施する前です。
2.(×)具体的な支援計画の検討(プランニング)は、アセスメントの後、カンファレンスで行います。
3.(×)達成できる目標の設定は、生活課題(ニーズ)を把握して介護計画を立案する際に行います。
4.(×)支援の経過を評価するのは、介護計画を実施した後です。
5.(○)介護過程では、アセスメントにより利用者の生活課題を明確にします。
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