本日のお悩み
ヘルパーとして働いていますが、料理がぜんぜん上達しなくて悩んでいます。
例えば制限があるけど○○が食べたいとおっしゃる利用者さんにどうにか食べさせてあげたいとき、すごく申し訳ない気持ちになります。
クックパッドで調べながら作りますが、時間がかかってしまいます。
どうしたら利用者さんの希望に合う食事を時間内につくれるようになりますか?
食品成分表と食品交換表のご活用を!!
ご質問ありがとうございます。
制限があるご利用者であっても、食べたいものってありますよね。
どうにかして食べさせてあげたいというご質問者さんのお気持ち、とてもよく分かります。
限られた時間内で料理を作るのは本当に大変な業務の一つであると思っています。
ご質問者さんの想いに応えられるように回答させていただきますね!
とはいえ、調理の道は一夜にしてならず……
日々の積み重ねが重要ですからね!!
■職場の中で意見交換や研修を!
ご利用者の食事の調理についてですが、制限がある方も多様で、塩分制限やタンパク制限、カロリー制限や水分制限など疾患によって様々ですし
腎臓病食はとても難しい内容になってしまうかと思います。
1つご提案なのですが、事業所に料理が得意なスタッフさんはいらっしゃいますか?
同じ思いで悩まれている方も少なくないと感じたのですが、一度このテーマで職員間での意見交換や研修を実施してみてはいかがでしょうか?
調理については反復して経験を積む必要があると思いますが、制限食については一定の知識と食材への理解が必要だと思いました。
例えば、腎臓病食を提供する際に、カリウム制限が必要な場合については野菜を湯がくことでカリウムを落とす事もできるなどの知識を学べれば、調理の幅も増えますよね。
塩分制限の方への食事の提供の際に、調味料を減塩タイプの醤油や、つゆにすることで提供が可能となる品目も増えるかと思います。
糖尿病の方への調理の提供については、『食品交換表』を基に計算されると分かりやすいと思います。
詳細は糖尿病学会から出版されている、食事療法テキストとして、食品交換表第7版を確認して頂きたいのですが
栄養エネルギーを簡単に管理できるように、80Kcalを1単位としています。
糖尿病食では、1日に1,200Kcal(15単位)から1,800Kcal(23単位)を目安に行う事が多いかと思うので、ある程度の指標になるかと思います。
昭和40年の初版以来,糖尿病患者さん,医療スタッフから高い評価をいただいているロングセラー,「食品交換表」の,11年ぶりの改訂.日本人の伝統的な食文化を基軸として,現代の食生活の現状をふまえ,患者さんが医師や管理栄養士などの指導のもとに,毎日の食事を楽しみながら根気よく治療を続けられる内容を目指した. 【改訂のポイント】 1.食品分類表のなかの1単位あたりの栄養素の平均含有量の一部を見直した.
■食品成分表も活用して
また、食材100gあたりの栄養エネルギーをまとめた本もあり、『食品成分表』と言われています。
こちらもかなりの数の出版社から発行されているので、すぐに見つけられるかと思いますよ。
内容に記載されている数値は『文部科学省資源調査分科会報告8訂日本食品標準成分表』に準じているのでどの書籍も変わりはありません。
こちらがあれば、栄養エネルギーが家庭用食品はかりで測れるので、かなり活用できると思いますよ!
■スタッフで成功レシピを持ち寄ってもいいかも!
事業所に一部ずつ
①食品交換表
②食品成分表
があると、皆さんで学びを深める際にも活用できるものとなるかと思います。
是非ご活用くださいね!
あとは、調理の経験を積み重ねることで、レパートリーが増えていくかと思います。
スタッフの皆さんで、成功調理事例を持ち寄るのも良いかもしれませんね!!
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士