介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~
■監修者
作:伊藤 美穂
編集:株式会社サイドランチ
介護職の新人あるある、その注意点は?
執筆者
茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員
マイさんのあるある、私もあるあるーとほっこり読ませていただきました。
今回は私の経験した3つの新人あるあるをご紹介させていただきます。
■新人あるある1 業務を覚えることに偏りがち
先輩に怒られたくない気持ちから、業務を覚えることだけを頑張ってしまう
「次はAさんの離床介助して、その次はBさんの排泄介助、その次は、洗濯物の状況確認・・それと、、、」と手帳を見ながら必死に(先輩に怒られたくない)業務を覚えた記憶があります。
でもようやく覚えた時に気がつくんです。
こんなはずじゃなかった・・。もっと利用者さんとお話がしたい、時間がなさすぎると。
考えながら業務に向かいましょう
でもこれの考えはちょっとズレてますよ。「この業務はこれがベストなのか?」と考えないと。
教えてもらった業務が絶対になっていませんか?
利用者さんの状況は日々変化します。いつのまにか習った業務に利用者さんを当てはめようとしてしまっていませんか。
業務を覚えることに偏りがちで、業務は「考えるもの」という視点が抜け落ちちゃってはいませんか?
■新人あるある2 他の職員と比べがち
同僚と比較して、落ち込んでいませんか?
「ほぼ同期のBさんは、私のちょっと後に入ったんだけど、利用者さんとのコミュニケーションも上手だし、レクリエーションもすごく盛り上がっている。お互い初任者研修修了者というのは変わらないのに、、私って向いてないのかな・・」と思い悩み、2週間後には「むいてないので退職します」なんてこと何回か経験しました。
「ちょっとまって、Bさんと比べなくていいんだよ。あなたはこんなことやこんなことをよくやってくれてますから・・みんな見てますよ。」なんてフォローしても時すでに遅しですね。
自分がどう見られているか、不安に思いすぎないで
介護現場は、10名くらいのチームで動いています。しかもシフト制なので常にみんなが顔を合わせているとうことは稀ですね。
そのためフィードバックが少なくなり、自分がどう見られているのか?を不安視していくことが考えられます。
組織としての教育・フォロー体制も重要ですが、他人と比べないことも大切ですね。
■新人あるある3 自分の思いに偏りがち
「やってあげたい」気持ちに注意
「来月の誕生会のイベントの企画を考えてみてと言われたけど、どうしようかな・・あれもやってあげたいし、これもやってあげたいし、ハッピーバースデーの歌は絶対外せないかな・・」
この文章だけ見ると熱い思いのある好印象の新人さんに見えますが、これもある視点で捉えるとちょっとズレてるかもしれませんね。
それは「利用者さんが主になっているか?」ということです。
あれもやってあげたい、これもやってあげたいは自分の思いに偏っていないですか?
利用者さんのニーズと合っているか?を考えましょう
例えば、誕生日=ケーキ、これは当たり前でしょう。と思うかもしれませんが、私はケーキが苦手です。お寿司の出前の方がうれしいかも・・。
または、職員、利用者さん全員でハッピーバースデイを歌う。なんか恥ずかしいですし、高齢者の方はハッピーバースデイの曲にあまり思い入れがないかもしれません。
もちろん、ケーキや歌を歌うのがダメと言っているわけではありません。
ご本人のニーズと合っているのか?つまり「利用者さんが主になっているか?」ということです。
■まとめ:初心忘るべからず
3つのあるあるをご紹介いたしましたがいかがでしょうか?
共通して言えることとしては、「なんでこの仕事についたのか(動機)」が抜け落ちて、「職場の雰囲気に流されている」ということですね。
でもこれは致し方ないことだと思います。まずは職場の人間関係構築やうまく職場に溶け込むことを考えますもんね。
しかし、そのままズルズルと行ってしまうといつのまにか「職員中心主義」に陥っていきます。「利用者さんのために力になりたい」という初心はだれしも共通の動機のはず。
この3つのあるあると「初心」を振り返ってみてください。
ささえるラボ編集部です。
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