本日のお悩み
訪問介護をしています。50代男性で精神障害者の方が利用者で、その80代半ばの母親からの暴言がひどいです。
調理と掃除で入っていますが、男性と共同でという目標なんて無視され、調理の仕方も母親の思うようにしないと怒鳴られます。正直行くのが怖いです。
サ責も知っていますが、愚痴はそのままケアマネに伝えるだけですし、行き続けたら強くなるよと言ってまともに聞いてもらえません。どうしたらいいでしょうか。
相談者:ポン酢 さん
ご本人の意思とそれを支える家族のきもちを整理しましょう。
ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員
非常に大変なケースをご対応されており、頭が下がります。本当にお疲れ様です。
このケースは「愚痴」というレベルの内容ではありません。
■ケアプランの立て直しが急務
ご本人やご家族は、ケアプランの目標に納得されていないわけですから、まずはケアプランの立て直しら始めなくてはなりません。
ケアプランはそのご利用者のニーズとデマンドに分けて、ニーズをプランに落とし込んでいくという手順で作られますが
いくらニーズがあっても、本人や家族が望まないことを拒否する権利を認めることも必要だからです。
※ニーズとデマンド
ニーズ…客観的に見て必要性があるもの。なければ困るもの。ご利用者様本人の生活の維持向上に必要不可欠な要求。
デマンド…あれば嬉しい、助かるというような希望や要望。
よって、望まない目標に対して実施しようとしても、うまくいくはずがありません。
非常にご苦労されるとは思いますが、一旦サービスを停止してでも、改めて制度を利用するのはなぜかという原点にかえり、もう一度、本人が希望すること、母親が希望することを整理してください。
■サービス提供責任者から、「ご家族の都合に沿えないこともある」と説明する
そして、介護保険制度の目的の中には家族の介護負担軽減も含まれていますが、あくまでメインはご利用者様ご本人への介護です。
ご本人への自立支援の方向性や具体的方法がご家族の方法と違うという場合や、ご家族の都合という要素が強い場合は、それに従うことができないこともあるということをきちんと伝えなければなりません。
しかし、これは事業所の訪問介護員の仕事ではなく、サービス提供責任者の仕事であると考えます。
サービス提供責任者は訪問介護員を守ることも仕事です。
訪問することが怖いというのは、注意力散漫など介護事故リスクも高まりますし、職員の離職など事業所にとってもとても置きなリスクなのです。
■事業所をあげて解決すべき問題。改善しなければ転職も視野に入れて。
この状況を単なる愚痴で終わらせる事業所に、厳しい言い方ですが事業所の未来はないと考えます。
職員のメンタルヘルスもしっかりと対応しなくてはならないので、怖いと感じているなら、事業所を挙げて解決のために全力を尽くさなくてはならないと思います。
何度も上申しているのに、事業所やサービス提供責任者、管理者が動かないという事業所においては、転職を検討することも一つだと考えます。
我慢せずに、しっかりとケアプラン変更や修正の必要性について声を上げていきましょう。
ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役
株式会社ゆりかご 代表取締役
茨城県訪問介護協議会 副会長
茨城県難病連絡協議会 委員
水戸在宅ケアネットワーク 世話人
茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事
茨城県訪問看護事業協議会 監事
水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員
水戸市地域自立支援協議会全体会 委員
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科 在籍中
介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員・FP2級