本日のお悩み
来月から、はじめて新人の指導担当をすることになりました。
その方は介護は未経験だそうです。
私が介護職になったときは介護をする時の心構えみたいなものは教えてもらえず、うまくいかないこともあったので、後輩にはそういうこともアドバイスしてあげたいなと思っています。
でも、教育担当になるのが初めてで不安です。
人に何かを教える時気をつけていることや、目標の立て方や、研修などでいつも伝えていることがあったら教えてください。
新人教育は教え始める前の土台づくりが肝心です
茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもみじ館施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員
ご質問ありがとうございます。
「自分が困ったから後輩にはキチンと対応したい。」
素晴らしい起点だと思います。質問者さんは絶対に良い教育担当さんになりますね。
でも初めての教育担当では不安もあって当然です。
3つのプロセスで教育方法のポイントを見ていきましょう。
■1.対象者の理解、自分の理解を行う
質問者さんが教育を担当する方は、未経験の方とのこと。
実は、この未経験だと捉えていることが重要なんです。
なぜなら、対象者の理解の一つだからです。
対象者を理解する項目は他にもあります。
例えば、どんな仕事をしてきたのか?なぜ介護の仕事につこうと思ったのか?どうしてこの職場を選んでくれたのか?などです。
とくに、なぜ介護の仕事についたのか?の想いはお互い共有しておきましょう。
最初に相手を認める行為となります。
「しっかり考えている人だな」と捉えられればお互いに仕事がしやすくなるでしょう。
また、同時に自分の理解も必要です。
はじめての教育担当で一生懸命になりすぎると相手にばかり気を取られて自分のことがわからなくなってしまう傾向があります。
特に自分が疲れているかどうか?には時に目を向けてください。
まずは自分を大切にして、ゆとりを持った上で対象者さんに接することが相手の安心にもつながるでしょう。
■2.介護の心得(大切なこと)を共有する
質問者さんが介護の仕事をする上で大切にしていることはなんでしょう?
一般的なお話であればもちろん「相手の身になる」「尊敬の念を持って対応する」などが挙げられますが、重要なのは質問者さんが自分の言葉で話すことだと思います。
どんなに良いことを言っても気持ちが入ってなければ上辺だけに聞こえてしまいます。
質問者さんが常に大切にしていることがあれば経験談を取り入れながらお話しされるのも効果的だと思いますし、なければ、これを機に明確にしてみると良いと思います。
■3.目標とする介護人材像を共有する。
最後は、質問者さんの施設が求める人材像を共有しましょう。これは施設理念です。
例えば私の施設では「人と人とが笑顔でつながる地域づくり」を理念としています。
理念は裏を返せば、この理念を達成できる人材を育成するということになりますよね。
また、なぜ、この理念を共有するかというと他の職員と同じ教育基準を共有することが大切だからです。
質問者さんが教育担当だとしても他の職員から新人さんが教わることも考えられますよね。
これからの新人さんの教育が質問者さんだけに偏らないようみんなで教育する体制を築きましょう。
■最後に
いかがでしょうか?
もしかすると質問者さんはもっと具体的な研修計画などを求めていたのかもしれません。
しかし、研修計画等は、今回お伝えした3つのプロセスが土台としてあった上での手段、アプローチです。
教育もベースは人間関係です。関係性の構築を大切にしてくだい。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)