本日のお悩み
認知症の利用者さんで、コロナウイルスに感染しているにも関わらず徘徊してしまう人がいます。
拘束はできないと分かっていますが、この利用者さんに、自分の部屋にいてもらうにはどうしたらいいでしょうか?
可能な範囲で、居室対応以外の対応も検討を
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業を経験し、介護業界に9年携わる。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営。
新型コロナウイルス陽性者の方の対応、本当にお疲れさまです。
普段に増して緊張感を持たねばならない利用者さんへのケア、頭が下がります。
■現場でできそうな3つの対応策
正直なところ、認知症の利用者さんに居室に留まっていただくというのは至難の業だと思います。
認知症の方にとって、体調が悪いことに加え普段と異なる雰囲気に余計に気持ちが不安定になり落ち着かなくなることは当然のことです。また、かかわる職員の方々も周囲への感染を危惧し、より神経を使いますよね……。
この記事では、現場での対応が難しいことを理解しつつ、3つの対応策を提案します。
1.居室の環境を整える
2.スペースを分けて対応する
3.ほかの利用者さんに居室利用を促す
■1. 居室の環境を整える
施設のTVを居室に一時的に置く、ご本人の座りやすい椅子やテーブルなどを置き興味のあるものを用意する、こまめに訪室して声をかけるなど、その場しのぎの対応にはなってしまいますが何もない居室でぽつんと過ごすことの苦痛を少しでも和らげる方法を考える必要があるかと思います。
■2. スペースを分けて対応する
この場合のゾーン対応については、陽性者の数や施設の構造、職員の数等にもよりますので保健所や医療機関等の専門職とも相談しながら現場に即した方法で対応されるのがよいと思います。
■3. 他の方に居室対応をお願いする
あくまでも応急処置的な対応となりますが、共用部での接触を防ぐために必要な場面もあるかと思います。
最後に:職員の感染対策も同時並行で行いましょう
入居の方が居室から出なかったとしても、職員が伝播してしまう可能性もあります。
釈迦に説法だと思いますが、ウイルスは粘膜から感染しますので、日頃の基本的な感染症対策に加え、目や鼻、口などを汚染した手で触らない、といった日頃の些細な心掛けや、マスクや防護服の正しい取り扱いについても改めて確認していきましょう。
繰り返しになりますが、日々のお仕事本当にお疲れさまです。
身体的にも精神的にも疲れが溜まります。くれぐれもご自身のケアも大切にされてくださいね。
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社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員