第34回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護過程)

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第34回 介護福祉士国家試験の試験科目【介護過程】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


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第34回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護過程)

問題1

介護福祉職が介護過程を展開する意義に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.チームアプローチ(team approach)による介護を提供することができる。
2.直感的な判断をもとに介護を考えることができる。
3.今までの生活から切り離した介護を提供する。
4.介護福祉職が生活を管理するための介護を考えることができる。
5.介護福祉職が実施したい介護を提供する。

解答

1.チームアプローチ(team approach)による介護を提供することができる。

解説

1.(○)介護過程を展開し、根拠に基づいたアプローチを組み立てることで、チームで統一した質の高い介護を提供することが可能となります。
2.(×)直感的な判断のみに頼ることなく、科学的・客観的な根拠に基づいて介護を考えることができます。
3.(×)利用者のこれまでの日常生活を大切にし、その人らしい暮らしを継続して送れるように介護を提供します。
4.(×)介護福祉職が生活を管理するのではなく、利用者が主体となる介護を考えます。
5.(×)介護福祉職が実施したい介護にこだわることなく、利用者の望む生活をめざして介護を提供します。

問題2

介護計画における介護内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.利用者の能力よりも介護の効率を重視して決める。
2.業務の都合に応じて介護できるように、時間の設定は省略する。
3.介護するときの注意点についても記載する。
4.利用者の意思よりも介護福祉職の考えを優先して決める。
5.介護福祉職だけが理解できる表現にする。

解答

3.介護するときの注意点についても記載する。

解説

1.(×)介護の効率を重視するのではなく、利用者の能力に応じた介護内容とします。
2.(×)時間や場所、内容、方法、頻度、担当者などについて、具体的に設定しておく必要があります。
3.(○)誰が読んでも分かりやすく、同じ介護が提供できるように、個々の利用者に合わせた具体的な注意点まで記載することが適切です。
4.(×)介護福祉職の考えよりも、利用者の意向が優先されます。
5.(×)利用者やその家族、支援に携わる人の誰もが理解できる表現を用います。

問題3

介護過程における生活課題に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.効率的な支援を提供するために解決するべきこと。
2.利用者が家族の望む生活を送るために解決するべきこと。
3.介護福祉職が実践困難な課題のこと。
4.利用者の生活を改善するために思いついたこと。
5.利用者が望む生活を実現するために解決するべきこと。

解答

5.利用者が望む生活を実現するために解決するべきこと。

解説

1.(×)効率的な支援の提供ではなく、その人が尊厳を持って生きがいのある生活を送ることができるよう支援します。
2.(×)家族が望む生活ではなく、利用者本人が望む生活を送るために解決するべきことです。
3.(×)介護福祉職が実践困難な課題ではなく、利用者本人が実践困難となっている生活課題を抽出します。
4.(×)思いつきではなく、専門的知識や収集した情報を根拠として、総合的に判断する必要があります。
5.(○)生活課題とは、介護過程のアセスメントを通して、利用者が望む生活を実現するために解決するべき課題を抽出したものです。

問題4

介護過程における目標の設定に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.長期目標の期間は、1か月程度に設定する。
2.長期目標は、短期目標ごとに設定する。
3.短期目標は、生活全般の課題が解決した状態を表現する。
4.短期目標は、抽象的な内容で表現する。
5.短期目標は、長期目標の達成につながるように設定する。

解答

5.短期目標は、長期目標の達成につながるように設定する。

解説

1.(×)長期目標は生活課題が解決できた状態を示すものであり、期間は6か月~1年程度に設定します。
2.(×)長期目標は生活課題ごとに設定します。短期目標は、長期目標を達成するためのスモールステップです。
3.(×)生活全般の課題が解決した状態を表現しているのは、長期目標です。
4.(×)短期目標は、評価しやすいように、誰が見ても分かる具体的な内容で表現します。
5.(○)短期目標は長期目標を達成するためのステップとして複数設定され、段階的に達成することで大きな目標の達成につながります。

問題5

Cさん(84歳、女性、要介護3)は、2か月前に自宅で倒れた。脳出血(cerebral hemorrhage)と診断され、後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)になった。Cさんは自宅での生活を希望している。長男からは、「トイレが自分でできるようになってから自宅に戻ってほしい」との要望があった。そのため、病院から、リハビリテーションを目的に介護老人保健施設に入所した。
入所時、Cさんは、「孫と一緒に過ごしたいから、リハビリテーションを頑張りたい」と笑顔で話した。Cさんは、自力での歩行は困難だが、施設内では健側を使って車いすで移動することができる。また、手すりにつかまれば自分で立ち上がれるが、上半身が後ろに傾くため、移乗には介護が必要な状態である。
入所時に介護福祉職が行うアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1.自力で歩行ができるのかを確認する。
2.排泄(はいせつ)に関連した動作について確認する。
3.孫と面会する頻度について希望を聞く。
4.リクライニング車いすの活用について尋ねる。
5.住宅改修に必要な資金があるのかを確認する。

解答

2.排泄(はいせつ)に関連した動作について確認する。

解説

1.(×)左片麻痺がある状態で自力歩行は困難であり、あらためてアセスメントする意義はありません。
2.(○)自宅復帰をかなえるためには排泄行為の自立が課題となるため、排泄に関連した動作について確認することが適切です。
3.(×)孫と過ごす時間はモチベーションアップにつながると考えられますが、面会頻度の調整は最優先すべき内容とはいえません。
4.(×)リクライニング車椅子は、座位保持が困難である場合などに用いられます。Cさんは現在通常の車椅子で移動可能であることから、変更の必要はないと考えられます。
5.(×)在宅復帰をするにあたっては、住宅改修の必要性の有無を検討することも想定されますが、入所時に資金について確認する必要はありません。

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