第35回介護福祉士国家試験 対策問題(こころとからだのしくみ)
■問題
Kさん(83歳、女性、要介護1)は、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。一人暮らしで訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。金銭管理は困難であり、長男が行っている。
最近、認知症(dementia)の症状がさらに進み、訪問介護員(ホームヘルパー)がKさんの自宅を訪問すると、「通帳を長男の嫁が持っていってしまった」と繰り返し訴えるようになった。
考えられるKさんの症状として、適切なものを1つ選びなさい。
1.もの盗られ妄想
2.心気妄想
3.貧困妄想
4.罪業妄想
5.嫉妬妄想
解答と解説
■解答
1.もの盗られ妄想
■解説
1.(○)通帳を長男の嫁に持っていかれたと訴えていることから、もの盗られ妄想に該当します。記憶への不安から逃れるために認知症で生じやすい被害妄想の一つで、多くは財布や現金、通帳、貴金属など財産に関連するものが対象となります。
2.(×)心気妄想は、実際は健康なのに重い病気にかかったと確信する状態であり、高齢者やうつ病などでみられます。
3.(×)貧困妄想は、「貧乏でお金がない」「多額の借金をしてしまった」など、事実とは異なる厳しい経済状況だと思い込む妄想です。
4.(×)罪業妄想は、「すべては自分の責任だ」「警察に捕まる」など、悪いことをしたので罰を受けるのだと思い込む妄想です。
5.(×)嫉妬妄想は、異様なほどの嫉妬感情に支配され、自分の大切なパートナーが浮気をしているのではないかと思い込む被害妄想の一つです。
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