第36回介護福祉士国家試験 対策問題(介護の基本)5
■問題
Bさん(82歳、女性、要介護2)は、若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。数年前に、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると、「私、家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「仕事はないですよ」
2.「ここが家ですよ」
3.「外に散歩に行きますか」
4.「家のことが気になるんですね」
5.「子どもさんが『ここにいてください』と言っていますよ」
解答と解説
■解答
4.「家のことが気になるんですね」
■解説
1.(×)Bさんは帰宅願望を訴えているため、唐突に仕事の話をしても混乱が深まるばかりです。
2.(×)グループホームを家だとは認識していない可能性が高いため、反発を招くおそれがあります。
3.(×)散歩に行くことで気分転換が図れる可能性はありますが、最初の声かけとして適切とはいえません。
4.(○)夕方になると帰宅願望を繰り返し訴えるのは、認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つで、夕暮れ症候群とも呼ばれます。まずは受容と共感の姿勢でコミュニケーションを図り、Bさんの思いを受け止めることが適切です。
5.(×)家に帰りたいというBさんの気持ちを否定しており、Bさんの思いに寄り添った声かけではありません。
ささえるラボ編集部です。
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