第36回介護福祉士国家試験 対策問題(認知症の理解)6
■問題
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の、もの盗られ妄想に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。
2.本人の不安から生じることが多い。
3.現実に存在しない人が犯人とされる。
4.主に幻視が原因である。
5.症状の予防には抗精神病薬が有効である。
解答と解説
■解答
2.本人の不安から生じることが多い。
■解説
1.(×)もの盗られ妄想では、自身の行動の記憶そのものが失われているため、説明しても考えの誤りに気付くことはできません。
2.(○)もの盗られ妄想の対象は現金、財布、通帳、貴金属などの貴重品がほとんどであり、大切なものだからと普段とは別の場所にしまい込むことで引き起こされがちです。本人の性格や生活環境なども影響しますが、認知症の症状である記憶障害と不安が重なることで生じると考えられます。
3.(×)本人の身近にいる人ほど犯人にされやすくなります。
4.(×)幻視が原因ではなく、記憶障害による思い込みが原因です。
5.(×)抗精神病薬は主に統合失調症の治療薬であり、副作用として記憶障害を引き起こすことがあります。認知症による妄想に対しては認知症治療薬が用いられますが、まずは本人の不安を受け止める対応が必要です。
ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!
「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。