本日のお悩み
ご家族がお菓子をたくさん持ってきているみたいで、部屋で隠れてお菓子をたべる利用者さんがいます。(普段は誤嚥防止のため食堂で食べてもらうようにしています)
ご家族に説明しているのですが、そのとには「はい、はい」と言ってもずっと持ってきています。
どう対策したらいいですか?
ケアを考える良い機会と捉えては
これは昔から介護施設で見られる「介護現場あるある」の一つですね。
とはいえ、それに直面している職員さんにとっては真剣な問題であると思います。
これを自法人でのケアを考える良い機会と捉えてはいかがでしょうか。
■自法人のルールを考える。
食べたいものを食べたいときに食べたいという人の欲求は誰もが持っていると思います。
でも施設入居をすると、食べるものや場所、時間の制約により、我慢を強いられることが多いと思います。
自分たちがその状況に身を置いたことをイメージしてみてください。
愛する家族が自分の為に持ってきてくれた大好物の食べ物。
愛する親の為にたまには食べてほしいなと持参する思い出の食べ物。
どちらの立場であっても、「食べたいし、食べてもらいたい」。
それをすべての利用者さんに一律に制約するだけでなく、どうしたら実現できるのかを考える良い機会です。
「リスクを最小限にしながら、希望を叶える。」専門職の腕の見せ所です。
■ルールを家族に伝える。
食べる時間、食べるもの、食べる時間に関してのルールを決めたら、それを家族にお伝えしなければいけませんね。そのときにそのルールを定めた理由も添えてください。
「健康を害する」「誤嚥の危険性がある」「他の利用者さんへの影響」・・・その理由よりも、本人や家族の欲求が上回ることもありますよね。
私はその場合、責任の所在を明確にすることにより、他の方へ迷惑をかけないというのを条件に許してもよいと思います。
ご家族はご利用者さんの今の状態を冷静に把握できていなかったり、今の状態を受け入れたくなかったりすることも多いです。専門職としての見地から考え得るリスクを丁寧に説明し、だから禁じていると伝え、そのリスクを家族にも考えてもらい、判断してもらってはいかがでしょうか。
■最後に
これからの介護事業所は、そこが「生活の場」として相応しいかどうかの選択を、現在よりもより厳しくご利用者さんやご家族から判断される立場になると思います。
そのときに選ばれる介護事業所を組織の皆さんで創りあげてください。
福岡福祉向上委員会 代表