本日のお悩み
介護職が利用者さんに加害するニュースを見て悲しくなると同時に、どこかで理解できてしまう自分もいます。正直、紙一重だと思います。少し自分が怖くなる時があり、不安です。
大丈夫。感情のコントロールは、その不安と向き合いながら。
この質問、とても勇気がいることだったのでは、と思います。
結論からお伝えすると、おっしゃるとおり、紙一重です。
私たちは誰もが「加害する可能性」を持っています。
ショッキングな表現で、驚かせてしまったらごめんなさい。
質問してくださったあなたは、真正面から介護の仕事に取り組み、日々考えていらっしゃるのだと思います。
不安な感情を持ったまま、仕事をするのはつらいですよね。少しだけ説明させてください。
■感情が沸き上がることは、人間として当然
まず、我々は人間ですから、感情があります。
仕事をしていれば、いらっとしたり、がっかりしたり、ネガティブな感情が生じることも当然あります。
そんな感情が沸き上がること自体は、自分を責める必要も、不安を感じる必要もありません。
人間として当然のことです。
ただ、私たちは専門職として、その沸き上がった自分の感情を、コントロールする必要があります。
……とはいえ、利用者の感情に振り回されて、自分が感情的になってしまう気持ちも理解できます。
■忘れてはならないこと
そんなとき、今抱えている不安な気持ちを思い出してほしいんです。
「私たち介護職は、誰もが加害しうる」ということを。
忘れてはならないことは、「私たちサービス提供者は、利用者と比べると圧倒的に強い立場である」ことです。
おそらく体感されたことがあると思いますが、私たちの仕事は利用者の方と接する時間が長いあまり、お互いいい意味でも、悪い意味でも感情を出しやすくなります。(例えば、身近な家族にはいらっとしやすくありませんか?)
■自分の心に余裕を持つ
コントロールに必要なのは、自分の心に余裕を持つこと、だと思います。
一人で抱え込まないというのは重要です。
対応に困ることがあったら、周囲の人と一緒に考える。手伝ってもらう。時には、愚痴を話して発散する。
それから、ご自身の身体もしっかり労わってくださいね。
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員