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手荒れが気になるこの時期、コロナ禍での良い対策は?

手荒れが気になるこの時期、コロナ禍での良い対策は?

【回答者:大関 美里】冬場の介護職を悩ませる、手荒れ問題。菌の集合体、「バイオフィルム」って知っていますか?


本日のお悩み

デイサービスに勤務しています。この時期手荒れが辛くて気になります…どんな対策をされていますか

予防が一番の近道です!

こんにちは!ご相談ありがとうございます。
仰る通り、冬本番のこれから、ますます手荒れが気になる季節になってきますよね。
インフルエンザやコロナウイルス対策も含め、 今年はいつも以上に手洗い・手指消毒は回数も多く、デイサービスの現場でも、より注意されていることと思います。

ですが!ご質問いただいた「手荒れ」
・・・一度なってしまうと、本当に辛いですよね。

手荒れとは?酷くなると菌の集合体を形成してしまう事も!

こで改めて、職業病とも言われる手荒れについて言葉をご説明します。
手荒れとは、一般に「手指の皮膚が水分を失い、乾燥するとともに炎症を生じたりすることで、かゆみやひび割れなどの症状を伴うこともある」進行性指掌角皮症という病気です。
進行していくと、化学物質や刺激性接触性、アトピー型などの、手湿疹の状態になってしまいます。

手荒れがひどくなると、手洗いを行っても細菌などが皮膚上に残りやすくなる、「バイオフィルム」と呼ばれる菌の集合体を形成してしまう事もあるとのこと!
バイオフィルムが形成されると、アルコール等の効果が阻害されるため、消毒しきれなかった黄色ブドウ球菌などが刺激となり、手荒れを悪化させる…そんな悪循環も起こる可能性も出てくるようです。
こうなると、手が痛い、辛いだけでなく、それによって手指衛生に消極的になってしまうことにも繋がるので、予防することは仕事上とても大切なポイントになると感じます。

対策・予防法は2つ!

その予防のポイントは、皮膚の潤い保ち逃さないこと。
手や指は皮脂腺が少ないかわりに角質層が厚くなっていて保護する役割をするのですが、頻繁に洗剤を使った水仕事や、摩擦刺激にて、この角質層は弾力を失いひび割れてくるのです。

なので 対応方法は2つ!

①手袋を着用する

指先や手への摩擦刺激そもそもを防ぐことです。
水仕事の際は、ゴム手袋や使い捨て手袋などを着用する。

水を使わない作業の際は綿の手袋を着用し、その上にビニール手袋等を装着する方法がおすすめです。

②とにかく保湿

手洗いや水仕事が終わった後は肌を保護するバリア機能が低下しやすいので、クリームやローションなどをこまめに塗って保湿するのが一番です。

今は塗ってもベタベタせず、すぐに作業できるタイプなども多く販売されています。
水分を逃さないために、この2つをぜひ意識してもらえたらと思います。

最後に

都度の対応は手間と感じるかもしれませんが、予防が一番の近道です!

手を洗う場所などに、アルコール消毒と一緒に、ハンドクリームなどの設置をして、都度塗れる環境設定からお試しください。

参考:日本皮膚科学会「手湿疹診療ガイドライン」

https://www.dermatol.or.jp
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この記事のライター

社会福祉士、介護福祉士、認定排泄ケア専門員、排泄機能指導士

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