本日のお悩み
A施設では、ミスをした私に対して別の職員が「なぜミスをした?」と聞かれた為、答えたら「言い訳すんな」と何度も怒られました。聞かれたから答えただけなのに・・・
リーダーからは「それは言い訳じゃないのにね」と言われただけ。
B施設では、職員によって介護の仕方が違い、あるa職員の前でb職員のやり方をやると怒られ、b職員の前でa職員のやり方をやると怒られました。あげく「どうしたら良いですか?」と聞くと「自分で考えて」とぶっきらぼうに言われました。
C施設では、お風呂担当や別ユニットに行っており、常時いた職員から「今、レクでこれやってるから見守りしながら手伝ってあげてね」と言われました。
10分~15分位すると夜勤の職員がきて私を呼ぶと、「トイレが行けてない」と注意されました。同じ状態が2回ありました。あげくに「トイレに行けなくて死んだ人いるよ」と言われました。責任者に聞いた所、「トイレに行けなくて亡くなった人なんていないよ。あの人、人によって態度変えるから。」で片付けられてしまいました。
全て辞めていますが、どう行った対応が正解だったのか未だに疑問です。
また、新しい職場でも正直に伝えた方が良いでしょうか?
若干、トラウマのようなものがあり、人の目が怖いです。
ケース別に1つずつお答えします!
ご質問ありがとうございます。
これまでの施設で大変不快な思いをされてきたのですね。
私も含め、このような経験をされてきた介護職員が決して少なくない事を感じています。
特に入職後、半年以内にそのような経験をされる方が多いようですね。
個人の問題としてではなく、組織として根本的な解決をしていただきたいと切に願うところでもありますね。
もちろん、丁寧にやさしく対応してくれる職員の方もいて、退職された理由もそれだけではないと思いますが、小さなストレスの積み重ねがその職場での働きやすさを阻害している要因になっていたかと思います。
介護業界全体の課題でもある、人材育成の重要性を考えさせられるご質問だと感じています。
ご質問の回答ですが、A施設からC施設までの対応を一つずつ回答させていただきますね。
■A施設でについて(ミスの理由説明を言い訳と捉えられてしまったときは)
まずはA施設でのご経験についてです。
ポイントに分けて解説させていただきます。
1.なぜミスをしたのかの確認を行った。
これについては、先輩の言い方は置いておくとして、頭ごなしに叱責していない点は良い点かと思います。ただし、こちらの先輩は『失敗』を『経験』と捉えることが許せない正義感の強い方なのかもしれませんね。
確かに失敗はしない方が良いのですが、失敗やミスをせずに生きている人など、この世にはいませんよね。
失敗をしない先輩たちも、これまでに沢山、『失敗』という『経験』をしてきた事と思います。
更には、事故報告書や同様のミスを行った仲間たちからも学んできたのでしょう。
これは、『失敗』を間接的に経験できた『成功体験』と言えますね。
そして、同様の結果に対してご自身の行動を修正し、予測してきたからこそ失敗を減らすことができるのだと思います。
予測できる程の経験を積むことによって、違う場面でもリスクマネジメントが適切に行えるようになりますからね。
こう考えると、自身の失敗も次に活かす為の成功体験と考えられます。
日々ご利用者さんに学ばせていただき、成長させていただいていることを感じますね。
2. 何度も『言い訳するな』と叱責された
もしかすると、この先輩が本当に伝えたかった内容は、『言い訳をしない』とは別のところにあった可能性があります。
『何度も』という事は、似たような状況下で同じ失敗を繰り返されたことで、その原因に気付いて欲しかったのかもしれませんね。
質問者さんがここで先輩に伝える内容としては、その判断や行動を起こした根拠を伝え、正しい判断であったかの擦り合わせが必要かと思います。
行動自体は間違っていなくとも、優先順位が間違っていることは良くあることですからね。
すでにその様な伝え方をしているようでしたら、今後も続けてくださいね。
皆さんが同じように叱責する方ばかりではないかと思いますので。。。
3. リーダーに相談したら、『それは言い訳ではないのにね』と言われ、それっきり
こちらについては、いろいろ課題が見つけられますが、質問者さんが単に言い訳を言っていないことが伺えます。
もし仮にその失敗した際の行動についての優先順位や根拠を伝えていたとすれば、質問者さんは正しい行動がとれていたと考えます。
もしそうだとすると、先輩はその根拠と優先順位について質問者さんの判断を認めたうえで、どのように考え、優先順位を組み替えた方が、『より良い』のか根拠を示す必要があったかと思います。
さらに、上司に相談をする事も、質問者さんの正しい行動と言えます。
愚痴や文句という事ではなく、『助け』や『答え』が欲しかった為の行動だったのではないでしょうか?
そのリーダーさんには、言い訳ではないという『同意』ではなく答えを導き出すための助言やヒントは教えてほしかったですね。
さらには、『言い訳しない』と言われた先輩に対して、質問者さんに指導をしてくれたことを認めた上で、どのように伝えればよかったのかの助言や指導をしていただきたかったですね。
質問者さんには、これらの経験を踏まえたうえで、今後、正しいことを伝えているつもりでも、言葉の選択肢や言い方が強い場合、先輩方の様に、伝えたい内容よりもその言い方に意識がいってしまい、『言い方』について強い反感を受けてしまう可能性もありますので、『理解できているか』『伝わっているか』の確認をされながら丁寧に伝えていかれてくださいね。
質問者さんの強みは、この経験から得られることが大きいかと思います。
今いる職場での先輩に対してや、後輩に対して、適切に伝えられる職員さんであり続けてくださいね!
■B施設について(先輩によって介護方法が違うときは)
こちらも皆さんが悩まれる課題の一つと言えますね。先輩たちではなく、リーダーや主任に確認してみてください。
確認した結果、仮に『臨機応変に』と言われたとするならば、a職員とb職員の介護の方法について、何故その方法なのか根拠を確認してみてください。
それぞれの介護の方法についての根拠が分かるかと思います。
ご自身でどちらの方法が良いのか根拠の説明ができるようになれば、先輩や後輩にも説明できると思いますよ!
■C施設について
こちらについては、レクの見守りを伝えられた際に、ご自身の業務が完了していないようであれば、そのことを先輩に伝え、判断を仰ぐのが良いかと思います。
そのうえで見守りを指示されたのであれば、夜勤の先輩にもその指示を受けたことを伝えるとよろしいかと思います。
■最後に
全体の流れや判断ができない状況だったかと思いますので、こちらも次の判断材料の一つの経験と捉えると、良いと思いますよ!
悔しい思いもあるかと思いますが、得られることがあったこと、業務の流れを学び、伝えることの大切さを学ぶ機会となったことをご自身の中に落とし込んでみてください。
こちらの施設では、夜勤者が新人スタッフに状況確認もせずに頭ごなしに注意をしたり、確認をせずに見守りを指示したりと、新人育成や教育体制事体に課題を感じますので、そのことは前提にあるという事を申し加えておきますね!
その後、ご自身だけの問題として完結させるのではなく、上司の方に報告相談をされたのは良いかと思いますので、引き続きそのように行動されてくださいね。
その方を指導する役目の方がこのような返答だと困ってしまいますけどね。。。
新たな施設で笑顔で働ける環境であることを願っています!
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士