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仕事を始めて1ヶ月、暴力的な利用者さんへの対応と、訪問先でスピード感が出せない…。訪問は向いていないのでしょうか?

仕事を始めて1ヶ月、暴力的な利用者さんへの対応と、訪問先でスピード感が出せない…。訪問は向いていないのでしょうか?

【回答者:後藤 晴紀】難しく考えないで!1つずつ解決していきましょう。


本日のお悩み

訪問系の介護職をしている者で、1ヶ月経過しました。自分の悩みの一番は利用者のことです。よくある話なのですが、関わっている利用者で暴力的で威嚇をしてくる方がいます。夜勤専従なので、基本的に一人で動いている状況です。なのでなかなか相談できずにいます。一度、管理者や同僚に説明をしたのですが明確な対応や回答がもらえない状態です。正直、このままだと仕事がしずらいですし、ストレス耐性も弱いので続けられそうにありません。

二番目は、訪問先でスピードと質を求められています。特にスピードは不得意で、これまでの自分の状況からして難しいと感じています。管理者からは徐々にスピードは上げてくれと言われています。努力はするつもりでいますが、今後、伸びは期待できそうにありません。

これらの理由で退職を考えています。できれば続けたい気持ちもあるのですが、適性も含めてアドバイスを頂ければと思います。

相談者:コロコロ さん

難しく考えないで!1つずつ解決していきましょう。

ご質問ありがとうございます。
1ヶ月お疲れさまでした。
まだ1ヶ月という事ですので、何が分からないのかが、わからない状況でもあるかと思います。
経験を重ねながら一歩ずつ進んでいきましょうね!

さて、ご質問の内容についてですが、2つのご相談ですね。
1つ目は威圧的なご利用者について、2つ目はご自身のお仕事の効率化についてですね。

まずは利用者さんをアセスメントしてみましょう

1つ目のご質問の回答ですが、
『そのご利用者さんの事をアセスメントしてみましょう。』
ご質問者さんは、その方の事をどこまでご理解され、把握されていますか??
まだまだその方と出会ってから1カ月。それも夜勤専従という事ですから、関われる時間もごく僅かだと思います。
その方の調査票やケアプランの書類上では理解できているかもしれませんが、『その人』を本当に知る為には、もう少し時間が必要だと考えています。

よりよい関係を構築していくために、そのご利用者さんの事を深くアセスメントしてみてくださいね。
そして、ご質問者さんの事も知って頂くような関わり方をされてみるとよろしいかと思います!

利用者さんと意図的にコミュニケーションを取ると良いかも!

今はようやく業務の流れが掴めてきた時期ですからね!これまでは覚えることが多すぎて、他の事に意識を向ける余裕なんてなかったのだと思います。

その為、現場ではお仕事に集中するばかりで、ご利用者さんとのコミュニケーションが十分に図れていない可能性があったのではないかと考えたのですが、いかがでしょうか??
もしかしたらご利用者さんは、ご質問者さんの事を『知らない』が為に、威圧的な態度をとってしまったのかもしれませんしね。

ご質問者さんも知らない営業マンがご自宅に訪問してきた際に、少し身構えていつもよりも冷たい態度で接した経験はございませんか?
人は自分が理解できない『事』や『人』を否定してしまったり、攻撃してしまったりする傾向にあるんです。防衛本能の一つですね。

敵ではない事、味方であることを伝える為には、お互いの事を知る事かと思いますので、『意図的なコミュニケーション』を図ってみてくださいね。

意図的なコミュニケーションとは、単に世間話をするという事ではなく、必要な情報を伝えたり、引き出したりする、目的を持ったコミュニケーションです。

ケアマネさんにも確認して、お互いを理解しあいましょう

難しく考えないでくださいね!
ご友人や恋人、ご利用者さんであっても、人との信頼関係の作り方は不変です。お互いを知り、理解することから始めてください!

意図的なコミュニケーションやその人を知るための情報についてですが、ADLや出生地、成育歴、ご本人のご趣味や嗜好、嫌いなこと、過去に興味を持っていたことや、今興味がある事、会いたい人や食べたいもの、行きたい場所などを中心に情報を集めてみて下さい!

成育歴については、話題にしてはいけないことなどがあるかもしれませんので、ケアマネージャーの方に確認されると新たな情報が得られるかもしれません。
ご本人の支援に入る際の注意事項やこだわりなども知っておくべき情報になるかと思いますので、今一度確認をしてみてくださいね。

また、ご本人に聞いてみたけれど、そっけない態度をとられてコミュニケーションにならない場合も想定されます。

信頼関係が構築されていない場合や、ご自身の未来に希望が持てない時、自信を喪失されてしまっている際は、うまく引き出せないといったことも多くあります。
尋問ではありませんので、注意してくださいね!

業務を行いながらですとなかなか時間も取れないと思いますので、お一人3分はしっかりと向き合ってお話しするというルールをご自身で決められておくと良いと思いますよ!
3分は事前に質問の準備をしていかないとかなり長く感じる時間ですからね!

ストレス耐性は私も強くはありませんが、この方法なら改善に期待が持てるかもしれません!

質とスピードの両立は、今までと違った努力から始めましょう

さて、2つ目のご質問ですが、上司の方から質とスピードの両立を求められていて、その期待に応えられるか不安という事だと思います。
これまでと方法を変えた『努力』をしてみましょう!

ご質問者さんは、不安に思いながらも2つの感情を持っておられると推測しました。
1つ目は『自分なりに努力はしてみる』という前向きな感情と、『これまでの自分の状況からして、改善は難しく、今後伸びは期待できそうにありません』という感情です。
ご質問者さんが初めから諦めてしまっているような印象を受けたのですが、いかがでしょうか?
こちらの感情の方が、今は大きく感じられているような印象です。

ご自身の中のポジティブな面を大切に!

でも、大丈夫です。
考え方を整理してみましょう。

『これまで自分なりに努力した結果、あまり良い結果が得られなかった。』という事ですね。
更にその感情を整理してみましょう。

『これまでと同じ方法では良い結果が得られないかもしれない。』という不安ですね。
感情の角度や見方を変えてみましょう。

『これまでと違った方法ならば、良い結果が出るかもしれない。』という期待ですね。
だからこそ、『誰かに相談してみる。』と思い、お悩み相談室にご質問をいただいたのではありませんか‼前向きな感情しか読み取れません。

すでに行動するための、ポジティブな感情をご質問者さんはお持ちなんです。そして実際に行動されました。これが、『今』のご質問者さんの想いです。

だから相談室にご相談下さったのです。
実際に私が行った方法をお伝えしますね!

一緒に情報の整理をしてみましょう!

質とスピードについて両立させる方法ですが、まずはご自身が今どのような状態にあるのか確認しましょう。大きな情報から小さな情報に整理していきますよ。

1.夜勤の業務の中で時間軸の業務の把握は出来ていますか?

①夜勤入りから明けまでの時間を5分単位の表にしてください。
②その中で今やる事、事前に準備できる事、後でが望ましいことの業務を当てはめて下さい。

事業所でタイムテーブルがあればそちらに記載していく方法でもかまいません!実際に業務の動きを思い出しながら、できるだけ詳細に記入していきましょう。
事前に準備できることは、どの時間に何を準備すればよいのか、すべて時間軸の中に書き出してみてください。こうすることで、業務全体の把握ができますね。

2.次にご利用者への訪問です。

どのご利用者に何時に支援に入るのかは把握されているかと思います。

①ご利用者お一人おひとりの動きや流れを効率的に行う為の導線をノートにまとめてみてください。
例えばAさんについては、
20:00排泄介助(オムツ交換:準備物品 グローブ、おむつ、パット、陰洗、お尻拭き、新聞、ビニール袋、軟膏)   
20:10就寝更衣介助(右上下肢不全麻痺、協力動作可能、できるだけ右上肢を使用してもらう。左足指白癬あり、靴下の着脱注意)
20:20○○○

Bさんについても、
21:05就寝更衣(下肢筋力低下、ズボンの上げ下げ可能。上着のボタンと目のみ介助)
21:15排泄介助(トイレ誘導、排泄後の拭きとり介助)
21:20服薬(就寝薬、手渡しで服用可能)

等です。こうすることで頭の中で動きや流れを整理し、実際の現場でもスムーズに行動できるかと思います。

②その業務に実際どれほどの時間が掛かり、決められた時間の中でどれほどの量の業務があるのかも見えてくると思います。また、より効率的にすることができる動きや準備ができるのかも気づくことができるかもしれません。気づいた点もノートにまとめてみて行きましょう。

③それを基に、実際に業務に入り、まとめたノートの加筆修正を行っていきましょう。

④最後に、そのご利用者お一人おひとりのこだわりや注意点などを記入していく事で、質と適切なスピードで業務を遂行できるようになると思います。

最後に

すぐに良くなることは難しいかもしれませんが、必ずこの努力はご質問者さんの力となりますので、ご自身なりの努力を重ねてみてください。
結果を決めつけずに、何ができるかを考え行動し続けてみてくださいね。
適性を決められるのは、この行動を行った後で見えてくることかもしれません。行動すれば失敗をします。その失敗は次に繋げ活かすための成功体験です。

まだまだこれから、始まったばかりですからね。
応援しています!

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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