本日のお悩み
入居者がずっと居室での生活を強いられていることに疑問があります。
入浴以外はずっと居室のベッド対応で介護が行われています。
ずっと寝間着を着せられまるで病室のようです。その方は寝たきりで全介助です。
両足は曲がったままで、移乗も大変ですが、私にはまるで看とりの介助をしているようで抵抗したくなります。
このように考えてしまうのは私だけなのでしょうか。
相談者:さいころ さん
職場の仲間とじっくりと話をすることから始めてはいかがでしょうか。
入居者という記載がありますから、特別養護老人ホームや有料老人ホームの類の入居系サービスで、勤務をされているようですね。
まずはそのような疑念を抱き、ここに質問をしていただいた勇気に感謝と称賛を伝えさせてください。
■介護保険以前にはよく見られた状況
ご質問者さんのような思いをもっている方は必ずいらっしゃいます。
それも介護にかかわる大多数の方がそう思ってらっしゃるし、そう信じたいです。
介護保険が始まる前の措置施設では、ご質問のような状況が多かったように思います。
ただし、介護保険制度が始まった2000年以降は、利用者主体や利用者の尊厳を求められるようになり、また当たり前のようにそれを実践されているところも数多くあります。
■目指す施設の姿を話し合い、提言していく
では、ご質問者さんの施設はなぜそのような過去の遺物のような状況なのでしょうか。
「人が足らないから?」「時間がないから?」出来ない理由を並べ立てるのは簡単です。
「現場で共に働く仲間たちと理想の介護を話したことはありますか。」
「どのような施設、どのような介護を目指していますか。」
私はしっかりと職場で話してみるべきだと思います。
もしかしたら、仲間の多くはご質問者さんのようなことを考えているかもしれない。
ただ、過去からの慣習や先輩職員からの指導で、慣例的に行われているだけかもしれませんね。
それであれば、変えていくことは簡単です。
みんなと一緒に「目指す施設」に向けて、変えていけばいいだけです。
介護職員さんは変化を求めたり、提言をしたりということが苦手な方が多いです。
みんなで一緒に話しをし、変化していけばいいと思います。
■施設が効率を求めて「古い介護」をしている場合
面倒なのが、経営者の方針として、効率や経済性だけを求めて、今の状況になっているケース。
これはややこしいです。
このケースの選択肢は3つあると思います。
① 我慢をして、今の状況を続ける。
② 経営者に提言し、職場の変革を求める(「共感する仲間と共に」が理想)
③ 退職し、自分の理想とする職場へ転職する。
いかがでしょうか。何もしなければ、そのままの状況です。
②をチャレンジしてみる。ダメであれば③にすすむ。
②は大変そうだし、最初から無理のような気がするのであれば、③を選ぶ。
■最後に
働く場を選ぶのは、労働者の権利です。
そんなことも視野に入れつつ、相談できそうな仲間とじっくりと話してみてはいかがでしょうか。
実は共感しあえる仲間がたくさん居て、もしかしたら、簡単に実現できるかもしれませんよ。
ご健闘をお祈りいたします。
福岡福祉向上委員会 代表