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「かまってちゃん」な高齢者への対応は?介護現場でよくある声かけについて解説します(専門家: 後藤晴紀先生執筆)

「かまってちゃん」な高齢者への対応は?介護現場でよくある声かけについて解説します(専門家: 後藤晴紀先生執筆)

(2024年5月更新)介護の現場にいると利用者から用件がないのに呼ばれたり、話しかけられたりしますよね。忙しい中での時間の割き方に悩む方も多いのでは?ここでは、その際のポイントを解説します!【回答者:後藤 晴紀先生】


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本日のお悩み

いわゆる「かまってちゃん」の高齢者への対応に悩んでいます。
ナースコールの頻度が高い、他の利用者さんとの会話を妨害してくるなど、どこまでどの程度付き合えば良いか分かりません。

ご本人の困り事や不安をアセスメントしなおしてみましょう!!

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士 『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。

ご質問ありがとうございます。

・依存心が強い
・ナースコールの頻度が多い
・いつも職員を頼ってしまう
そんな利用者さんについては、多くの介護職員が悩んでいるかもしれません。

特に他にやるべき業務がある時には、コールや話しかけてくる頻度が多い利用者さんの対応に困りますよね。
実は介護職員の皆様が悩まれているのと同じように、利用者側にも悩みがあったうえでその行動をとっているのです。

*利用者様対応時のポイント*
1.利用者の困りごとや不安ごとを解消するという視点を持とう
2.一人一人の状態に合わせて必要なケアをするという気持ちを忘れずに!
3.「できることはご自身で」の声掛けは要注意

まずは丁寧に再アセスメントを!

まずは、回答をズバリお伝えします。
そのご利用者さんのアセスメントをもう一度丁寧におこなってみましょう!

その際、特に大切なのは『ご本人の困りごとや、不安の解消をする』という視点を持っておくことです。
なぜなら、そのご利用者様が必要とするケアの量によって、必要な関わりの時間の長さも違ってくるからです。

利用者一人一人に必要なケアの提供をしよう

例えば、『もっと私と関わってほしい』という困りごとがあったとして、その利用者様にとって必要な時間を考えてみましょう。
利用者全員に平等に関わりたいと思っている介護職員さんは多く、一人だけに多くの時間を割くなんて…。という気持ちもあるかもしれません。

その気持ち自体はとても良いと思いますが、『ご利用者に必要な量のケアを提供する』という考え方に変えてみるとどうでしょうか?
その人にとって必要な、関わりの時間の長さはそれぞれですよね。
さらに、精神的に不安定な方に対しては、安定している方よりも優先度は高くなってきます。

精神的に不安定な利用者さんに対しては、こう考えてみても良いでしょう。
身体介護が必要なご利用者は、自立度が高い方よりも関わりの時間は長くなりますよね。
では精神的に不安を抱えている方のケアは?
当然同じように、関わりの時間を長く持つ必要があります。

ナースコールが多い利用者さんには、どう対応する?

そして、ナースコールが多い理由は、「不安だ、助けてほしい」という気持ちの大きさの表れです。
その不安が解消されてくれば、不安なことが少ない状態=ナースコールを押さなくても安心できる状態になるでしょう。
その安心感が、徐々にご本人の状態の変化として現れてきます。

利用者としっかり向き合って解決する課題だからこそ、これを解決するのは介護職員の腕の見せ所ですね。

全ての職員で、望ましい対応を検討・共有する

質問者さん一人で考えるのではなく、できるだけ多くの職員や他職種と共に考えてみても良いでしょう。

サービス担当者会議やケース会議で、『この議題で話し合いたい』と自ら申し出ても良いと思います。 質問者さんと同じ気持ちを持っている職員さんもいらっしゃると思いますし、もしかしたら話し合う中で、利用者の精神的不安が大きくなるような対応をしていたことが見つかるかもしれません。

全ての職員が、利用者様にとって安心できる対応を共有・実現することで、利用者様の精神状態も安定してくると思いますよ!

「できることは利用者ご自身で」という声かけの盲点

加えて、一つアドバイスとして伝えさせて下さい。
その議論の中で、『できる事はご本人にやっていただこう』という話題になり
その対応として、『できることはご自身で行いましょうね』と声掛けをする。という解決策が出たとするならば、注意が必要です。

なぜなら、誰かを頼りたい時に、声をかけた人から『自分でやって』という言葉を返されると不安になりますよね。
その精神的な不安は、その後のご本人の精神状態を悪化させてしまう可能性もはらんでいます。

・職員の表情
・職員の声色 
・利用者様の表情 
・利用者様の体調 
・対応者と利用者様の信頼関係 

これらに注目せず、画一的な言葉掛けを行うことは、ご利用者を傷つけてしまう可能性もあります。 注意していきましょう!

最後に:視点を変えて利用者の対応をしてみましょう

職員側の『こうあるべきだ!』という固定概念を外して対応策を検討すると、同時に職員側が抱くイライラの解決策も出てくると思います。

利用者も不安や悩みを多く抱えています。かまってちゃんではなくその不安を取り除きたいという気持ちで声をかけてきているのではないでしょうか。

そのため、どの程度ご利用者の要望に付き合うのか?という視点ではなく、『ご利用者の不安や困りごとを解決するためには?』という視点で議論をしたり対応をしてみたりして下さいね!

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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