介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~
■監修者
作:伊藤 美穂
編集:株式会社サイドランチ
介護職と筋トレ、その効果は?
今回のマンガに登場した大島さんは、筋トレが趣味。
日常的に仕事の中で身体を使う介護職にとって、筋トレはどんな効果があるのでしょうか?
筋肉を鍛える・維持することの重要性、どんな部位を鍛えると腰痛などに効果があるのかを、専門家の後藤さんに解説していただきます。
執筆者
現場の職員の困りごとの中でも『腰痛』は業務のパフォーマンスに直結する重要な問題ですよね。少しでも腰痛を予防できたり、改善できるようにお届けいたします。
■腰痛には2つの種類がある
腰痛には2種類あることを知っていますか?
① 筋・筋膜性腰痛
慢性的な負荷、急激な負荷によって生じる。
長時間の座りっぱなしはもちろんのこと、重いものを持ち上げた時や、日頃から負荷がかかる体勢で生じる腰痛。
② 姿勢性腰痛
姿勢が悪いことで生じる。
これら2つの腰痛原因が介護職員の腰痛要因の原因と考えられます。
そして、2つの腰痛の共通点は、運動不足や加齢に伴う筋力低下等です。
■腰痛の原因は「筋力低下」
筋力が低下してくると、関節を支える力も衰えてしまいます。
関節を支える筋力が低下してしまうと、普段使っている筋肉だけが維持されその筋肉の疲労がたまって腰痛として症状が表面化してしまいます。
背筋と腹筋のバランスも重要ですね。
正しい姿勢で筋肉同士が拮抗している状態が正常なのに、腹筋の衰えなどから猫背になってしまうと、全体の筋力や身体のバランスが崩れます。それが症状として表面化したものが、腰痛です。
正しい姿勢をいつも意識するだけでも腰痛予防には良い効果が期待できます。意識的に姿勢を良く保つようにしていきましょう!
■介護職が腰痛予防のためにすべき筋トレとは
腰痛予防は一夜にしてならず
体のバランスや筋肉がいかに重要か少しお判りいただけたでしょうか?
腰痛予防の筋トレは、これから起こる可能性のある腰痛には非常に有用で、日々の積み重ね・習慣化が重要です。
ただし、重いダンベルやバーベルを持ち上げたり、懸垂を何度も繰り返すといった筋トレは必要ありません。
エクササイズの範囲での普段使われていない『体を動かす』程度の意識でトレーニングしていきましょう!
俗にいう、『ながらトレーニング』十分ですからね!
腰痛予防は仕事の質を向上させることにも繋がる
排泄介助や入浴介助で痛みが続いている場合は、業務に集中することができないばかりか、ご利用者の事故リスクさえも高めてしまう恐れがあります。
精神衛生上も、モチベーションが保てず、笑顔が減少し、質の高いケアが提供できないという事にもつながりますよね。
場合によっては、ご利用者さんや、同僚と楽しくコミュニケーションさえ取れない状態になってしまう場合もあります。
このような状態では、長く介護職員を続けられなくなってしまうことになりかねません。
おススメの筋トレ部位
さて、2つの腰痛とその原因について触れてきましたが、大切なのは腰痛に関連する部位を効果的に鍛えるということです。
① 背筋(脊柱起立筋)
② 腹筋(腹直筋)
③ 体幹
を鍛えていきましょう。
これらの部位を普段から鍛えるためには、以下のことを実践していきましょう。
・普段からの姿勢を意識(背筋ぴーん!)
・正しい歩き方を意識する(重心が偏ったりしていませんか?)
・そもそも身体に過度な負荷を掛けないボディメカニクスの理解と実践
筋トレは、無理せず、痛みが出たら中止しましょう。
無理はせず、習慣化できる程度の負荷で継続していきましょう!
ボディメカニクスについてはこの記事もチェック!
立ち上がり介助がうまくいかない…ボディメカニクスを活用した6つのポイントを教えます! | ささえるラボ
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今回のお話し
筋トレが趣味の大島さん、休日はジムで筋トレしているようですが、どうやら奥様は土日がお休み。
平日休みになることも多い介護の仕事をしている大島さんとは、休日が合わないようです。
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「休みが合わないと奥さんと一緒にいる時間がなくて、寂しくないですか?」
そこへ利用者さんがひとこと…
「夫婦ってもんはね、適度に離れてた方がいいんだよ。そのほうが長続きするのさ。」
人生の先輩である利用者さんから学ぶことも多いですよね。
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次回もお楽しみに!
ささえるラボ編集部です。
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