本日のお悩み
小規模多機能からデイサービスに転職しました。
送迎、風呂介助などに追われ、前の職場よりも利用者さんと接する時間がなくなってしまいました。
私の武器は人を笑わせてにこやかにすることで、レクリエーションは得意だと思っています。
もっと利用者さんと一緒の時間を過ごせて、私の得意なことを活かせる施設はどんなところだと思いますか?選び方も教えてください。
3つの視点で、施設を見てみましょう
ご質問ありがとうございます。
「人を笑わせてにこやかにする」素晴らしい強みをお持ちですね!
ご質問者さんの周囲では、沢山の笑顔や笑い声が聞こえてくることが想像できます。
ただ、強みがなかなか現場で活かせないのは歯がゆいですね。
ご質問者さんも、共に働くスタッフさんも、そして何よりご利用者がより笑顔になれるように回答させていただきますね!
以前は小規模多機能型居宅介護にお勤めであったということ、現在は通所介護事業所にお勤めであったということもふまえて、お答えします。
■選ぶべき施設形態は?
質問者さんは、自分が得意とする「人を笑わせてにこやかにする」を、日常生活でのコミュニケーションやレクリエーションという手段を用いて提供したいと考えていらっしゃいますね。
・ご利用者一人ひとりに、きめ細やかな対応が可能
・レクリエーションが実施されている介護保険事業所
という条件だと、地域密着型の事業所が候補に挙がります。
この施設形態は、馴染みの関係が作りやすく、お一人おひとりの状態も把握でき、きめ細やかな対応が可能です。
次の候補としては、通所介護事業所が該当します。
そうなんです。実はまさに、質問者さんが求めている事業所というのは、実はこれまでに勤めてきた事業所だったという事になります。
しかし質問者さんは、以前勤めていた施設では業務に追われてしまい、なかなかご利用者さんと接する時間がなかったと感じている。
ということは、問題は「施設形態」以外の部分にあるのではないでしょうか。
■事業所・業務・人材の3つの視点で見つめなおす
事業所の形態としては、本来ならばもっとご利用者と密に関わることができたはずです。
では、なぜ満足いくレクリエーションが提供できなかったのか?
・「事業所」という大きな視点
・「業務」という少し小さな視点
・「人材」という小さな視点
という3つの視点で、正確に状況を把握していきましょう。
いくつかの課題が見えてくるかもしれません。
■こんな状況に陥っていませんか?
例えば、質問者さんの事業所では、以下のような状況に陥っていませんでしたか?
「事業所」
小規模多機能型居宅介護または通所介護事業所
「業務」
・慢性的な人材不足でご利用者と関わる時間がない
・そもそも業務の中にレクリエーションの時間が確保されていないなど、業務システム的な問題がある
「人材」
・レクリエーション等の提供方法に不安を感じている職員が多く、積極的にレクリエーションが提供できない
・スタッフ個々の介護技術や知識が不足しており、レクリエーションを提供する事の重要性が理解できていない
■働く場所を変えなくても、解決できる
次に、上記の課題が解決した状態を示してみます。
「事業所」
小規模多機能型居宅介護または通所介護事業所
「業務」
・育成などの教育システムが整い、安心して働ける職場となり、離職率が低下、人材が定着し慢性的な人材不足が解消された
・業務の中でレクリエーションの時間を明確化したことで定期的に実施できる体制が整った
「人材」
・レクリエーションの提供方法について、外部研修や自己研鑽で得た技術を現場にフィードバックし、他のスタッフへも丁寧に説明されている
・提供方法についての標準化が図られ、レクリエーションのレパートリーも増えた
・レクリエーションはもちろんのこと、介護技術・知識・その他の保健/医療/福祉の知識を得たことで、個々の業務精度が高まり、以前と比べて現場に余裕が生まれた
・レクリエーションについても会議体での議案とし、実施する事の重要性や意味が理解できたことで、他の介護サービスと同様に提供できるようになった
■利用者さんと向き合えない原因は、施設形態ではない
いかがですか?なんだか、求めていたイメージに近づいていませんか?
課題が解決できると、どんな事業所になるのかイメージできたでしょうか。
以上のような状況が達成できれば、基本的にはどの事業所、施設形態においてもレクリエーションの精度は高まります。
精度が高くなるということは、それだけご利用者が笑顔で楽しめる環境が整っていくということです。
大切なのは施設形態そのものではなく、それ以外の部分に課題がないか?を見極め、改善していくことです。
それが実現できたら、提供するレクリエーションの中に質問者さん独自のメソッドを入れ込み、より笑いのある時間をつくっていきましょう!
その結果を現場にフィードバックし、レクリエーション提供時のポイントとして周囲の職員にも伝えていけると良いですね。
さらに事業所内でのレクリエーションが盛り上がっていくと思いますよ。
■専門家・後藤さんからのアドバイス
最後に、後藤からのワンポイントアドバイス。
質問者さんは既に実践・意識されている事かと思いますが、普段の食事介助、排泄、入浴介助などの時間でも、質問者さんのそのスキルを存分に生かしてくださいね!
ご利用者さんにとっては、質問者さんを独り占めできる貴重な時間になります!
お一人おひとりに、オーダーメイドの特別な笑いを提供してください!!
ご質問ありがとうございました!!
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士