そもそも介護主任とは?
■執筆者/専門家

ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員
このように介護主任は、他の介護職員の中心となって牽引することから「介護リーダー」とも呼ばれることもあります。
介護主任の仕事内容
2.介護職員の教育・指導
3.運営上発生した問題やトラブルの解決・調整
4.利用者さんや他職種との連携・調整
■1.介護職員の勤務管理・調整
適切な勤務管理を行うことで、職員が働きやすくなり、その結果利用者さんにも質の高い介護を提供することができるようになります。
■2.介護職員の教育・指導
日々の介護技術の指導や助言はもちろんのこと、新人職員に対するOJTや研修なども行います。例えば、新人職員が初めての介護業務に不安を感じている場合、介護主任が丁寧に指導し、安心して業務に取り組めるようサポートします。
介護施設や事業所において教育をしっかりおこなうことは、施設全体のサービスレベルの統一に繋がるため、重要な役割を果たしています。
■3.運営上発生した問題やトラブルの解決・調整
解決するためには何をすべきか、介護職員の中心となって考え、施設全体で問題やトラブルの解決に向けて行動します。
■4.利用者さんや他職種との連携・調整
もちろん、介護職員各々が自分の意思をもち、主体的に働くことが重要ですが、窓口が複数あると混乱する場合もあるため、全体を取りまとめ、周囲と繋げる役割を果たします。
介護主任になるために必要な資格や要件
■法律上必要な資格はない
しかし、先述した通り、介護主任はリーダーとしてチームを牽引する存在です。そのため、施設や事業所によっては採用要件として、資格や経験を定めている可能性があります。特に、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所では、キャリアパス制度とそれに連動した給与体系などを整備している事業所が多く、そのキャリアパスの条件に合った資格が必要になることがあります。
介護主任になることを検討されている方は、ぜひ一度ご確認いただければと思います。
■介護主任になるために持っていると有利な資格
2.介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修
3.普通自動車免許(通所介護・訪問介護etc.)
●1.介護福祉士
そのため、多くの介護施設や事業所では介護福祉士の資格を必要要件としています。また、厚生労働省の方針でも、介護福祉士として5年程度業務経験を積んでいる人が、介護主任に望ましいとされています。
これらのことから、介護主任として転職活動や昇進を目指したい方は、介護福祉士を取得しておけるとよいでしょう。
※参照:厚生労働省 介護人材の機能とキャリアパスの実現に向けて
●2.介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修
これらは、いずれも国家資格ではありませんが、介護に関する基本的な知識や技術を学ぶことができ、介護スキルの証明となります。施設や事業所によっては初任者研修や実務者研修を採用要件としていることがあるので、そのような施設で転職や昇進を目指す際は、資格を活かすことができるでしょう。
●3.普通自動車免許(通所介護・訪問介護etc.)
一般的な普通自動車第一種免許で問題ないため、運転免許を取得している方は、必ず履歴書などの資格欄に明記するようにしましょう。
また、上記以外にもリーダーシップを鍛えるための研修や、コミュニケーション能力を高めるためのコーチング研修などをさまざまな企業が実施しているため、それらに参加することも介護主任として必要な知識の習得に繋がるでしょう。
介護主任に必要な3つのスキル
2.指導力とマネジメント力
3.コミュニケーション能力
■1.臨機応変な判断力
また、判断をする際は、現場の業務の「なぜ」を理解して考えたうえで、実践することができる判断を行うようにしましょう。
■2.指導力とマネジメント力
しかし、介護は「チームケア」です。チームでサービスの質に差が出ないようどの職員にとっても、「わかりやすく」教えることができるという能力は重要でしょう。
また、職員を成長させチーム力を高めることがマネジメントの成功に繋がります。
■3.コミュニケーション能力
介護主任として求められるコミュニケーション能力とは、ただ、会話を盛り上げる力ではなく、職員の潜在的なニーズや悩みを引き出し、「すっきり」できるように支えることができる力です。これを実現するために、先述したコーチングなどのスキルを身につけておけるとよいでしょう。
介護主任の給与事情とは

介護主任単体でのデータはないものの、介護主任が含まれる管理職と、管理職以外では約5万円給与に差があります。
もちろん、管理職のなかには施設長や、副施設長も含まれるため、介護主任は管理職の平均よりはやや低い金額が一般的であると考えられるでしょう。それでも、他の介護職員と比較すると給与が高い場合が多いことから、介護職として給与アップやキャリアアップを目指す場合の選択肢になると考えることができます。
介護主任に向いている人とは?
■執筆者/専門家

社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業、地域包括支援センターにて介護支援専門員の経験あり。 現在は、デイサービス管理者として勤務。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営の経験がある。 すきな食べ物はラーメン。
前提として、介護主任は施設長などからの指示と、現場の声のあいだで常に板挟みのような状態で働くことが多いです。そのため、私は「組織と個人のバランスをとりながら考え続けられる人」が介護主任に向いていると思います。
以下で、具体的に紹介します。
2.リーダーシップがある人
3.人に頼ることができる人
■1.自分に期待されていることを把握し、行動に移すことができる人
自分に期待されるものを把握し、それに応じた行動をとることで、施設・事業所に対して大きな貢献をすることができるでしょう。
■2.リーダーシップがある人
リーダーシップといっても牽引する力のみではなく、施設長と介護職員のあいだに立つ役割であることから、「なぜその行動をとる必要があるのか」「なぜそのように考えるのか」など行動の意図や背景を言語化して、チームの人に伝え、目線をあわせる力も必要です。
■3.人に頼ることができる人
「主任だから弱音を吐いてはだめだ」「常にポジティブでいなきゃ」と強がってしまう方も多いですが、主任が悩みを抱えた状態では、チームは良い方向に進みません。
悩みや不安なことが生じた際に、他人に相談をすることで解決策が見えたり、自身を客観視することができたりします。
また、身近な方に相談することが難しい場合は、オンラインで相談をすることもおすすめです。最近は、SNSコミュニティやオンラインサロンなどオンラインの活動も活発ですので、会社以外のコミュニティを探すのもよいのではないでしょうか。ガス抜きだけでなく、実用的なことを学ぶ機会に繋がることもあります。
最後に:悩むことも介護主任の仕事
介護主任の仕事に正解はありません。悩みつつもチームとして成長する経験をしてみたい方はぜひ、キャリアパスの1つとして検討してみてください。
■マンガでまとめ:介護主任に必要な3つのスキル


マンガ監修:望月太敦(公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長)
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社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員