第35回介護福祉士国家試験 対策問題(コミュニケーション技術)
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Jさん(75歳、男性)は先天性の全盲である。これまで自宅で自立した生活をしてきたが、最近、心身機能の衰えを感じて、有料老人ホームに入居した。
施設での生活にまだ慣れていないので、移動は介護福祉職に誘導してもらっている。
ある日、介護福祉職がJさんを自室まで誘導したときに、「いつも手伝ってもらってすみません。なかなか場所を覚えられなくて。私はここでやっていけるでしょうか」と話してきた。
Jさんの発言への介護福祉職の共感的理解を示す対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.Jさんの発言にうなずく。
2.Jさんの発言のあと沈黙する。
3.Jさんの話の内容を短くまとめて伝える。
4.Jさんの立場に立って感情を推し測り、言葉で表現して伝える。
5.Jさんの気持ちが前向きになるように、励ましの言葉を伝える。
解答と解説
■解答
4.Jさんの立場に立って感情を推し測り、言葉で表現して伝える。
■解説
1.(×)Jさんは全盲であり、発言にうなずくだけで共感的理解を示すことはできません。
2.(×)自分の発言の後に相手が沈黙した場合は、自分に対する否定や反発などの意思を感じたり、話を聞き流されたと感じて不安になったりします。いずれにしても共感的理解からは遠い状態となってしまいます。
3.(×)内容を短くまとめて伝えること(要約)は、コミュニケーション技法の一つです。「あなたの話を傾聴していますよ」というサインにはなりますが、共感的理解を示すには不十分だといえます。
4.(○)共感的理解を示すには、相手の立場になって心を寄せ、感情を理解しようとする姿勢が大切になります。全盲であるJさんに対しては、言葉で表現することも重要なポイントです。
5.(×)根拠を伴わない安易な励ましの言葉では、Jさんの不安を払拭することができず、共感的理解を示すことにもなりません。
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