本日のお悩み
介護はサービス業とよく言われているけど、なんか違和感があります。
多分そういう気持ちで働けたらいいんだろうなと思うけど、ホテルや飲食店みたいな「サービス業」と言われる仕事よりも介護の方が圧倒的に辛いんじゃじないかと思ってしまいます。
福祉・介護は究極のサービス業!!
ご相談ありがとうございます。
多岐にわたる業務や人の命を扱うお仕事という事をよく理解されているからこそ、介護サービスを他のサービス業と同じに位置付けられることに違和感を感じているのですね。
実は私も以前はその違和感を感じていました。
ですが、サービス業の構造を理解すると、今は違和感なく理解できるかもしれません。
■サービス業の中にもいろいろな分類がある
まず、サービス業という概念には、「人の欲求を解消する」という意味が含まれます。
そこに関連した仕事であれば、全てサービス業に入るという事です。
質問者さんがおっしゃっているホテルや飲食は『サービス業の中の接客業』にあたります。
例えば、サービス業の中には、接客を主体にせず情報を提供するサービス業や、通信サービス業等もありますよね。
そういった意味で、私たちの仕事はサービス業の中の『接客業』あるいは『介護福祉業』等に分類されるかと思います。
サービス業という枠組みの中で、モノではなく、人に対する接遇=『おもてなし』ですから、『接客業』ですよね。
介護福祉業界は他のサービス業と重なる部分もたくさんありますし、人を支え、人生を生ききることへのサポートもするのですから、『接客業』だけではなく、やはり『介護福祉業』が私はしっくりきます。
■利用者さんの人生そのものに介入する仕事
私はこの仕事を言語化し、自分の言葉で家族や友人、仲間たちに伝えるようにしています。
もしかしたら、質問者様はご自身のお仕事を『言語化』しにくいとも感じていらっしゃるのかもしれませんね。
私はこの職業を全てのサービス業を超えた『究極のサービス業』と位置づけ、そこに誇りとプライドを持っています。
お看取りや慣れ親しんだご利用者との別れを経験したスタッフの多くは、その経験を辛いと感じるでしょう。
私はその辛さこそ、『今を生ききる』目の前のご利用者へのご支援の糧となると考えています。
人生の総仕上げに、その身をゆだねてくださり、その人の生活の継続をサポートし、その人生が閉じる瞬間まで生ききっていただくことに携われるサービス業は、他にはありません。
だからこそ、事業所の介護サービスの質や出会う介護職によって、その人生が良くも悪くも左右されてしまうことを私たちは理解しなくてはいけません。
覚悟と責任をもって専門職(プロ)としての知識と技術を携え、おもてなしのサービス提供をする必要があると考えています。
そうすると、人生そのものに介入する『介護福祉サービス』は究極のサービス業といえると感じませんか?
■日々の仕事は地味だけど、一瞬を大切に
日々の生活をサポートすることは、決して派手ではなく、地味で大変な仕事です。
しかし、現場で働いている介護福祉業界の仲間やその他の多くのサービス業でも、地味で大変な日々に誇りとプライドを持ちながら、一瞬一瞬を大切に働いているのだと思います。
究極のサービス業に就く者として、介護福祉サービスの枠にとらわれず、サービスを超えるクリエイティブな瞬間を創造し、この介護福祉業界の価値を広く一般社会に伝えていきたいですね!
質問者様もぜひ、ご自身のお仕事を言語化してみてください。
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士