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高度な知識とスキル、そして人間力が求められる大変な仕事ですが、自身が作成したケアプランで利用者や家族の力になれることを実感できる、大きなやりがいのある仕事でもあります。
この記事では、ケアマネジャーの仕事内容やキャリアアップの方法などを詳しく解説していきます。
ケアマネジャーになるには?
居宅介護支援事業所や介護保険施設などに所属し、要介護者や要支援者からの相談を受けて、その人が自立した日常生活を営めるようにするためのケアプラン(介護サービス計画書)を作成すること、そしてそのプランを実現するために関係者間の連絡調整を図ることが主な仕事になります。
介護保険法において、ケアマネージャー(介護支援専門員)は以下のように定められています。
医療・福祉・介護などの国家資格を保有し実務経験を5年以上(従事日数900日以上)もしくは、相談援助業務への従事期間5年以上(従事日数900日以上)の実務経験を持つ人が、「介護支援専門員実務研修受講試験」(筆記試験)に合格し、「介護支援専門員実務研修」を修了することで、介護支援専門員証の交付を受けることができます。現在、最も多いのは、介護福祉士として経験を積み、ケアマネジャーになるというパターンです。
■ケアマネージャー(介護支援専門員)は更新に研修が必要
更新するためには、介護支援専門員証の有効期間満了日までに、更新に必要な研修を受講した上で、更新交付を申請します。ケアマネジャーは生涯、学習を続けていかなければ務まらない大変な仕事なのです。
なお、介護支援専門員の登録、介護支援専門員実務研修受講試験、介護支援専門員実務研修は、すべて都道府県知事のもとで行われています。詳細については各都道府県のホームページなどをご確認ください。
ケアマネジャーの主な仕事内容
2.関係者間の連絡調整
3.要介護認定調査
■1.ケアプランの作成・給付管理
(2)利用者と家族の希望や、居住地域の指定居宅サービスの提供体制を考慮し、解決すべき課題に対して適切なサービスの組み合せを検討する
(3)ケアプランを作成する
また、利用者が介護保険サービスを利用すると、サービス提供事業者は介護給付費を国民健康保険団体連合会(国保連)に請求します。国保連は審査後、事業所に給付を支払いますが、その審査の際にケアマネジャーが作成した書類が必要です。この書類を適切に作成し、国保連に提出することが給付管理業務です。
■2.関係者間の連絡調整
利用者さんと、利用者さんを支える関係者それぞれが必要とする情報を提供し、関係性を調整することで、適切な介護保険サービスを円滑に利用・提供できるようにしています。
■3.要介護認定調査
要介護認定調査の結果と主治医の意見書を踏まえて、保険・福祉・医療の学識経験者による介護認定審査会が開かれ、利用者の要介護度(要介護1~5または要支援1~2)が判定されます。
ケアマネジャーのやりがいと大変さ
■ケアマネージャーのやりがい
・利用者さんのそばで元気になる様子を見守ることができる
・利用者さんから直接感謝の言葉をいただける
たしかに、自身が作成したケアプランで利用者の要介護度が低くなったり、同居家族の生活の質が改善したりすれば、やりがいや達成感は大きいでしょう。利用者に寄り添って生活の様子をうかがうなかで、「私の仕事で利用者さんを良い方向へ向かわせることができた」と実感する機会も多いはずです。
■ケアマネージャーの大変な点
・場合によっては、業務時間外でも緊急時の呼び出しがある
・利用者とサービス提供事業者との板挟みで精神的負担が大きい
ケアマネジャー業務は、高度な専門知識と豊富な経験が求められる責任の大きい仕事です。
利用者の生活全体を支える重要な役割を担いながら、書類作成や事務作業をこなし、精神的にも疲労しやすい環境で働いているのが現状です。
それに見合うほど報酬面での評価が高くないのが残念という声もありますが、近年になって介護職員の処遇改善を図るための環境整備とともに、賃金改善に充てることを目的とした「介護職員等処遇改善加算」が創設されたことは喜ばしいことだといえます。
※「介護職員等処遇改善加算」がケアマネージャーにも配分されるかは、事業所によって異なります。各事業所でご確認ください。
ケアマネジャーの1日の流れ
ここでは、就業者が多い居宅介護支援事業所を例に取り、ケアマネジャーの1日の業務の流れをご紹介します。
人々の関係性の中で動く仕事であるため、自分でタスクの量やタイミングをコントロールできる余地は大きくないことも考えられます。しかし、そうした状況の中で調整力を発揮し、物事を仕切ることができればできるほど、利用者さんは確実に暮らしやすくなっていきます。
ケアマネージャーのキャリア形成
ここからは、ケアマネージャーのキャリア形成について解説していきます。
■1.生涯学習による成長
先述のようにケアマネジャーには生涯学習(更新研修)が義務づけられており、資格更新のためには数十時間に及ぶカリキュラムの研修を必ず受講する必要があります。ケアマネジャーとしての専門性を高め、多様な疾病や生活状況に応じたケアマネジメントを実践できるようになることを目的とした研修で、このルートに乗って学んでいくだけでもケアマネジャーとして相応の成長を果たすことができるでしょう。
■2.キャリアアップやチェンジを見据えた資格取得
その例となる資格をいくつかご紹介します。
■主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)
つまり、これらの能力を身に付けた上級ケアマネジャーが主任介護支援専門員だというわけです。
主任介護支援専門員研修を受講するためには、介護支援専門員更新研修を修了した上で、以下の要件のいずれか1つを満たす必要があります。
・ケアマネジメントリーダー養成研修修了者または日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーであって、専任のケアマネジャーとして従事した期間が通算して3年(36カ月)以上である者(管理者との兼務期間も算定可能)
・主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
・その他、ケアマネジャーの業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者
また、都道府県の実情に応じて受講要件を設定することもできるため、都道府県ごとに少し異なる要件が定められている場合があります。
※出典:厚生労働省 主任介護支援専門員研修ガイドライン
■認定ケアマネージャー
認定ケアマネジャーになるためには、以下のすべてを満たす必要があります。
・ケアマネジャーとして3年以上の実務経験を有すること
・日本ケアマネジメント学会が行う資格試験(年1回)に合格すること
本資格は、試験合格後に登録された翌年度の4月1日より5年間有効です(5年ごとに更新が必要)。更新のためには、学会の学術大会や研修会への参加など活動実績が求められます。
※出典:一般社団法人 日本ケアマネジメント学会 認定ケアマネージャーとは
■関連領域の国家資格(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士など)
―介護福祉士
また、介護施設との関わりの中で主導権を握ったり、介護職員への指導・育成担当としての役割を果たしたりすることも期待できます。さらに、介護福祉士の知識を生かして、地域包括支援センターでの相談業務など、活躍の場が広がるでしょう。
ー社会福祉士
地域包括支援センターのソーシャルワーカーや福祉施設の管理者として活躍したり、行政機関で地域の政策立案に携わったりと、キャリアの選択肢が大きく広がるでしょう。
ー精神保健福祉士
精神科病院、障害者支援施設、地域活動支援センターなどにも活躍の機会が広がり、精神保健福祉分野でのキャリアアップが期待できます。
■関連領域の専門資格(認知症ケア専門士など)
認知症ケア専門士になるためには、以下のすべてを満たす必要があります。
・認定委員会の専門士認定試験(第1次:筆記試験、第2次:論述・面接試験)および審査に合格すること
なお、認知症ケア専門士としても生涯学習が求められており、5年ごとに資格更新する必要があります。
※出典:一般社団法人日本認知症ケア学会 認知症ケア専門士認定試験
最後に:ぜひケアマネージャーに挑戦してみてください!
利用者さんを中心として、関係者たちをチームとして捉え、そのチームワークを最大化させることこそ、まさにケアマネジャーの仕事だといえるかもしれません。魅力とやりがいに満ちたケアマネジャーの仕事に興味を持ったら、ぜひ挑戦してみてください!
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