本日のお悩み
責任者をしています。コロナの影響で退職する人が数名出てしまい(ご家族の心配など理由は様々です)ただでさえカツカツの人数でまわしていたのに、途方に暮れています。
友人でスーパーの店長をやっている人も同様のことを言っていました。
今はもうとにかく現状に対応していくしかありませんが、この仕事をしている以上、感染症等の危険と隣り合わせであることに変わりありません。かといって職員に無理強いするわけにもいきません。
専門家の方の中で、職員のケアや離職防止、また感染症対策でなにか実践されていることがあれば是非教えてください。
最大の感染予防は情報です!
新型コロナウイルスで感染予防に戦々恐々としながらの運営お疲れ様です。
「自施設で感染症を発生させてはいけない」という管理者として重責を背負っての日々、
心が休まらないですよね。そんな中、職員の退職問題でダブルパンチでは、胃が擦り切れます。
私も施設長の端くれ、気持ちは良くわかります。
さて、そんな質問者さんに、何かいいアドバイスはないかと考えていたのですが、
ちょっと疑問に思いました。
「このコロナ禍で退職された方はどうするんでしょうか?」
コロナのリスクで家族から働くことをやめた方がいいと言われ、リスクを取ったとしても
また働かなければ生活はできません。一時は良しとしても次はどこで働くのでしょうか?
他業界、特に飲食業、サービス業などは、外出自粛や営業自粛、サプライチェーンの崩壊により
現状を耐えるのが精一杯で、雇用を産むことは難しい状況です。求人倍率も下がっています。
又、第2波、第3波を考えると1年から1年半はコロナウイルスと付き合っていく状況が続くと言われています。
そもそも感染リスクがあるのは、介護の仕事だけではないですよね。
ここまで考察すると
「本当にコロナウイルスが原因で辞めたのか?」
という疑問にたどり着きます。
もしかしたらコロナウイルスを体のいい口実にして、本当は違うところに理由があるのではないでしょうか?
ここで質問者さんにも伺いたいことがあります。
質問者さんは、コロナウイルス感染拡大の中、管理者として従業員にどのように対応しましたか?
新型コロナウイルスは目に見えない敵です。
質問者さんが不安に苛まれた以上に、従業員さん達はもっと不安なんです。
テレビや報道は、日々感染者数の増減や重症者の大変な様子を伝え続けます。
一方、SNSではインフォデミック(デマ)という言葉も問題になりました。
そんな中、密接に人と接しなければならない介護は大丈夫なのか?と、不安になって当然です。
インフォデミック(デマ)や買い占め問題が起きた背景には、正確な情報を見極める心より、不安の心が勝った行動と言われていますよね。
この不安の中、管理者ができることは、
「根拠を明確にした事業所の方針など正しい情報を発信し続けること」ではないでしょうか?
最大の感染予防は「不安による感情的判断」を払拭する「情報」なんです。
管理者が、感染状況に対する正確な情報を判断した上で、従業員に伝達し、
「利用者をできる限りサポートし続ける」と発信すれば、使命感が不安を上回り、
きっとみんな頑張ってくれるはずです。
今回の退職の件、質問者さんもコロナの所為にせず、もう一度マネジメントを振り返ってみることをお勧めします。ピンチをチャンスに!コロナをさらに組織力が高まる好機と捉えましょう。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)