本日のお悩み:介護事務の仕事は将来的になくなる?
本当に介護事務の仕事はなくなってしまうのでしょうか。教えてください。
介護事務の仕事には、拡がりや深みがあります。そこに未来を描きましょう。
■執筆者

ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。
しかし、本当に介護事務はなくなるのでしょうか?この記事では、介護事務の役割や業務内容、求められるスキルなどを確認したうえで、介護事務の将来性について考えていきます。
介護事務の仕事がなくならない理由
2.AIに任せることが難しい業務があるから
3.介護サービスの需要が高まっているから
■1.介護人材は不足しているから
さらに、厚労省によると2040年には57万人の介護人材不足が生じると推測されています。※
これらのことから、介護に携わる人材は重宝される傾向があり、介護事務も同様に介護業界の運営において大切なチームの一員であるのです。
※出典:厚生労働省 介護人材確保に向けた取組
■2.AIに任せることが難しい業務があるから
対人業務においては、人の思いやりやホスピタリティ精神が重要視されます。さらに、介護業界となると、さまざまな不安や葛藤を抱えた利用者さんもいるため、相手の気持ちを思いやり行動することができる人間の力が重要なのです。
■3.介護サービスの需要が高まっているから
そのため、介護サービスの需要はますます高まっていくと予測できます。介護サービスにおいて重要な介護保険のレセプト業務などに携わる介護事務のニーズもなくなることはないと考えられるでしょう。
※出典:厚生労働省 我が国の人口について
介護事務の役割とは?
介護事務の役割について確認していきましょう。
■介護職員が、介護業務に集中するためのサポート
事務と聞くと裏方で業務を行うイメージもあると思いますが、介護業界の場合はチーム一丸となって、質の高い介護を利用者さんに届けていくことが重要なのです。
■介護事務がいることで効率が上がる業務も
もちろん、介護職と兼任でこの業務を行うことも可能ですが、利用者さんへの介護サービスの提供を行いつつ、これらの業務にも携わるのは、やや負担が大きく、マルチタスクになってしまうでしょう。
介護職員がやる業務と、介護事務が行う業務をしっかりと分けることで、介護職は介護業務に専念できる時間が増え、利用者さんにとっても質の高い介護の提供に繋がったり、今まで算定できていなかった加算の算定ができるようになったりとメリットが多くあるでしょう。
介護事務の仕事内容
主な仕事内容は、以下の通りです。
2.事務管理
3.電話対応・受付業務
4.職員の労務管理
■1.請求業務(レセプト業務)
具体的には、該当の期間に提供した介護サービスを確認し、請求書や明細書の作成を行います。それらを国保連に提出することで、施設や事業所は介護報酬の支払いを受けることができます。正しい内容で申請ができていない場合、支払いに遅延が生じたり、支払額が少なくなってしまったりと、介護施設の経営状況にも影響を及ぼします。
そのため、期日を守り、正確に作成・申請することが介護事務の重要な役割です。
■2.事務管理
事務の範囲は利用者さんや職員に関する書類の管理や整理、備品の発注や在庫管理などはもちろんのこと、施設や事業所によっては、ホームページ更新や広報誌の作成といった広報活動や、採用媒体の運営管理や面接日の調整などといった採用業務にも携わります。
幅広い業務をこなすことになるため、タスク管理や自己管理能力が求められます。
■3.電話対応・受付業務
そのため、介護事務は思いやりや寄り添いの姿勢を持ちながら、丁寧に対応することが求められます。
■4.職員の労務管理
また、業務を行ったうえで不安なことや気になることがあった場合、施設長にすぐ相談をし、施設全体で解決に向けて動き出す必要があります。
これらのように、介護事務の仕事は非常に幅広い業務かつ細かい業務をおこなうため、AIにすべて取って代われる業務ではないことがわかるかと思います。
介護事務に求められるスキル

主な求められるスキルは、以下の4つです。
2.介護保険制度に関する知識
3.マルチタスクに対応する力
4.コミュニケーション能力
■1.PCスキル
特に、ExcelやWordなどは日頃の業務でも使用することが多いため、PCスキルに自信がある方は面接などでもアピールしていけるとよいでしょう。
■2.介護保険制度に関する知識
レセプト業務に苦手意識を持たないようにすることで、他の業務の習得に時間を割くことができ、スムーズに仕事に慣れることができるでしょう。
■3.マルチタスクに対応する力
今までにマルチタスクに対応した経験などがある場合は、そのエピソードを面接などで伝えると、選考において有利になるかもしれません。
■4.コミュニケーション能力
チームで一丸となって利用者さんをサポートしていけるよう、こまめな報連相(報告・連絡・相談)は忘れないようにしましょう。
まとめ:安定した事業所運営を目指すためには、介護事務の仕事は必須!
環境の改善が行えるようになると、そこで働きたい職員も増え、安定した経営や運営が当たり前のようにできていきます。
介護事務の仕事に拡がりや深みを持たせ、事業所の運営をよりよくしていく意識を持ちましょう。ICT化やAIの導入は、その中でさらに人の業務負担を軽減してくれるお助けツールであると捉えてみてください。
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士