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介護事務の仕事はなくなる?その不安に答えます!

介護事務の仕事はなくなる?その不安に答えます!

AIの導入により、「事務の仕事は将来なくなってしまう」という話題をよく聞くようになりました。では、その潮流を受けて介護事務の仕事も需要がなくなってしまうのでしょうか?この記事では、そんな不安を解消していきます。【回答者:後藤 晴紀 大庭欣二】


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介護事務の仕事はなくなる?その不安に答えます!

AIの導入により、「事務の仕事は将来なくなってしまう」という話題をよく聞くようになりました。
では、その潮流を受けて介護事務の仕事も需要がなくなってしまうのでしょうか?
この記事では、そんな不安を解消していきます。

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介護事務の仕事には、拡がりや深みがあります。そこに未来を描きましょう。

以前、介護事業所の事務の仕事について、書かせていただいたことがあります。

こちらの記事には具体的な事務の仕事を並べていますが、いかがでしょうか?これらはICT化により、もしくはAIにとって代わられるお仕事でしょうか。

介護事務とは?具体的な仕事内容3例と「あったらいいかも」な資格を解説 | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/473

介護施設の事務職員の仕事内容は?一般事務との違いは?実際の例を3つご紹介。無資格未経験でも大丈夫です!【回答者:大庭 欣二 古畑 佑奈】

もちろんICT化により、業務のうちの一部は省力化できる場合もあるでしょう。
例えば、文章や数字の入力やチェック、電話や来客の一時対応、スケジュール管理や共有物(会議室や備品なども)の管理などは、既に取り入れている事業所もあり、一定の効果を出しているようです。

介護事務の仕事はなくならない

介護人材は依然として不足している

では、これにより介護事業所の事務職員は減らされたり、いなくなったりしていくのでしょうか。
私は、そうは考えません。

介護事業所における人材不足は深刻です。介護職員の有効求人倍率は約4倍となっており、厚生労働省が2040年に必要な介護職員数への道のりは大変険しいものです。
私は、介護事業所における事務職員の存在意義をここに見出しています。

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介護職員が、より仕事に集中するために

不安に思ったら、介護職員の業務の棚卸をしてみましょう。
するとその中には、事務職員が担当できるものや、逆に事務職員が作業をした方が早くできるものはないでしょうか。

介護職の仕事の中には、事務職員がやったほうがいい業務もあるかも

各種加算のチェック、介護職員の勤怠管理やシフト作成、レクリエーションや行事の準備、これからはLIFEに関わる入力業務などもあるでしょう。

もしこれらを介護職員が行っているとすれば、事務職員が行った方が効率的にできるものもたくさんあると思います。それらはICT化により、さらに効率化できるものもあるでしょうし、人の手を介す必要のある業務もあるかもしれません。

「これは介護職員がやるべきもの」という固定概念から脱却し、業務の見直しをするだけで、事務職員の業務の範囲は広がります。事務職員が行うことによってミスが減り、今まで算定できていなかった加算を得ることもできるかもしれません。

安定した事業所運営を目指せば、介護事務の仕事はなくならない

介護職員は自らの業務に集中・特化できることとなり、仕事の質も上がるでしょうし、人材不足解消の一助にもなるでしょう。
そのような循環が回りだすと、求人への反応も良くなり、常に安定した経営・運営が当たり前のようにできていきます。そんな未来を描いてみたくないですか。

事務職員の仕事に拡がりと深みを持たせるだけで、事業所や職員に多くの変化をもたらすことができるのです。
ICT化やAI化をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに考えてみてください。
明るい未来が見えてくると思いますよ。

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介護事務の仕事に関連したお悩み

事務職で入社したのに、人が足りず介護職にならないかと言われました。断ると会社に居づらくなりそうです。
こういうことはよくあるものでしょうか?せっかく人間関係もできてきたのに本当はやめたくないけど、正直介護士をする自信はありません、、

専門家からの回答

事務職員として入職された後に、介護職員として働いてみないかと事業所からお話があったのですね。
事務職から介護職員への配置換えは稀なケースかと思います。

事務職員から介護職員になった人もいますよ

私の知り合いでも、全く無いという事でもありませんが、その方はご自分から申し出て介護職員となったので、状況は違いますよね。

その方は、事務職員として事務所で働いている中で、介護職員の仕事に触れ、自分も直接ご利用者のサポートがしたいと思われての配置転換でした。
今では立派な介護福祉士です。

選択肢は4つ。自分の気持ちは?

ただし、その方は自分で選んで決めた道です。
ご質問者さんは、介護職に興味はあるけれど、自信がないと思っていますか?
それとも、会社に居づらくなりそうなので断れないと思っていますか?
どちらのお気持ちが大きいでしょうか?

ここが、すごく大切です。
選択肢としては4つほどあるかと思います。

① 興味はあるので、介護職員にチャレンジする。
② 介護職員を断って、同じ事業所で事務職員を続ける。
③ 介護事務もしている中で、事務職の理解を深める為に人員が確保されるまでの期限付きの提案をして、介護職員にチャレンジする。
④ 介護職員を断って事務職員を続けるのは気が引けるので転職する。

いずれの選択も正解となり得ると思いますが、どの選択をしても、決めたのはご自身という事になります。

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「誰かのせい」にしてしまわないために

誰かに言われたからやってみた。でもできなかった。。
『あの人の責任だ』『この会社の責任だ』と結果を第三者のせいにしてしまう事になってはいけません。
選択という行動をしたのはご質問者さんになりますからね。
目的もない、人に言われただけのお仕事は、覚えていく姿勢ももちろんですが、長続きしないかと思います。できる事も出来なくなってしまいますよね。

そうならないためにも、まずはご自身の気持ちを整理してみましょう。
そして、今のタイミングで半年後の自分、3年後の自分、5年後の自分をイメージしてみてください。

その結果、どのような選択をしても悪いことではありませんからね!!
転職することが悪ではありません。
ご自身の気持ちに正直に、仕事に対しての目的を見つけていただきたいのです。

「誰かのため」じゃなくて大丈夫!あなたはどうしたい?

目標ではありませんよ!
何のために事務職員を続けたいのか、何のために介護職員にチャレンジしてみたいのかを見つけてみましょう!

誰かのためにという事でなくても全然かまいません!
ご自身の為に、生活の為に、経験の為に、知識の為に、家族の為に。

そして、介護職員にご自身でチャレンジしてみたいと思うのであれば、配置転換を受けられるとよいと思います。
全く興味がないのであれば、断って良いと思います。

転職もOK!楽に考えましょう。

断ったことで居づらくなったり、周囲の態度が変わってしまうようであれば、転職を考えて良いと思います。

質問者さんが思っている以上に、同僚は『その打診は断わられて当然』と思っている方が多いと思います。それでも居づらくなるようであれば、長く続けていく事は難しい事業所とも思えますので、少し楽に考えて良いと思います。

従業員と対話をせずに、従業員を大切にできない会社であれば、そこに残り続ける必要はないと考えます。

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最後に

ご質問者さんが『ようやく人間関係ができてきた』と感じているという事は、数年間働いているわけではないと推察します。
介護事務も多く募集されている職種でもありますので、思いつめないでくださいね!

まずはご自身の決断をされる為の、お仕事に対しての目的を明確にしてみましょ!!

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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