本日のお悩み
初めてディサービスの仕事に就きました。
2ヶ月たち、まだわからないことはたくさんありますが、利用者の名前を覚えることは出来ました。
でも、小さな失敗や言葉遣いが良くないことがあり度々注意を受けます。2人の職員にはきつく言われる事もあります。分からないことを細かく聞くのに抵抗があり、どうしたらよいか日々悩んでいます。
優しく接してくれる方も2人いますが、あまり丁寧には教えて貰うことは出来ませんでした。
新人研修はなく手探りで覚えているような感じです。教えてもらうとき、あまりメモを取らずにいたことや、わからないままにしていたことを反省しています。今から聞き直すことは出来るのでしょうか?
毎日時間があるときにノートに書くようにし、予習や復習をしようと思っています。
それでも失敗して怒られると精神的にまいってしまうのが正直怖いです。2回以上怒声をあげられました。私に非があることもわかっています。精神的に強くなりたいです。
長くなってしまいましたが、准看護士として資格をとり介護の仕事をやりがいをもってしたいと思っています。ただ周りに聞ける、質問出来る環境が欲しいのです。
こんな時誰に相談したら良いのでしょうか?
質問者:かい さん
マンガ監修:望月太敦(公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長)
まだ2か月ですよ!どんどん聞き直していきましょう!
ご質問ありがとうございます。
初めてのデイサービスでのお仕事、覚えることも多く、慌ただしい毎日ですよね。
新人研修も開催できないということは、それだけ育成に係る人員が確保できない状況なのでしょう。
業界全体が抱えている悩みでもあり、課題であると認識しています。
だからこそ、ご自身で行動を起こしていくことが必要ですね!
■失敗を成長に繋げましょう!
この際、失敗したことは次に違う選択をするための成功体験と捉えていきましょう!
失敗という経験なくして、成長もありませんからね。
行動すれば、失敗が出て当然です。
繰り返さないように、成長に繋げていきましょう!
その為にも、ご自身の「わからないことが分からない状態」から、「できる事や、わかることを増やしていく中で、わからないことを明確に」されていく事がよいかと思います。
ご質問者さんは、ご自身で予習や復習を行いたいという気持ちもあるので、アドバイスとともに、質問に応えさせていただきますね。
■課題を明確にしたうえで、聞きやすい先輩に声をかけましょう
まずは、ご質問に対する回答ですが、優しく接して下さる先輩の方が2名いらっしゃるとのことでしたね。その先輩の方に相談をすると良いと思います。
恐らく、ご質問者さんが声をかけやすい先輩方だと思いますが
業務中に声がかけにくい状況でしたら、終業時や休憩時間に声をかけてみましょう。
ただし、相談の内容は、あらかじめまとめておいた方が良いでしょう。
課題が明確になっていない状況での漠然とした相談や質問は、相談をされた側も答えに困ってしまうばかりか、的確なアドバイスがもらえない可能性があります。
既にご利用者さんのお名前と顔は一致できたようですので、そこは大丈夫として、お一人お一人の状態の把握が出来るようにアドバイスさせていただきますね。
■業務を覚える優先順位
業務を覚える中での優先順位としては、
①お名前と顔の一致
②業務の流れ
③ご利用者の個別の特徴
④食事、入浴、排泄に係る介護技術
まずはこれらを同時進行で覚えていきますよね。
特に②④については、指導して下さる職員さんによって、方法がバラバラだったり、前日とは違う『事』や『動き』を教えられてしまい、戸惑ったり、叱責されるなど、精神的にも疲弊されてしまっている時期と思います。
そんな戸惑いや不安を最小限にしていく方法をお伝えしますね。
デイサービスですと、上記に加え付随する業務として、送迎の運転や添乗なども入ってくるかと思いますが、まずは①~④をしっかりと理解する必要があると思います。
ご自身での反省でも気付かれている通り、メモをされてこなかったことは改善すべきことかと思います。
この時期に気づけたことで、挽回はいくらでもできますので、メモ帳の活用方法をアドバイスさせていただきますね!
■メモ活用法①ご利用者さんについて整理する
メモ帳の1ページに60名分のご利用者さんのお名前を記載してください。
そのページごとに、ご利用者さんの特徴や好きな話題、注意点、車いす使用やトロミ剤の使用など、特記事項を記載していくと、頭の中で整理しやすくなるかと思います。
分からない時にも、メモを見るだけですぐに様々な情報を思い出せます。
ご利用者さんとお話しされた会話の内容も記載してみると、さらに記憶にとどまりやすくなりますので、試してみてくださいね。
■メモ活用法②業務の流れを振り返る
更には、曜日ごとの業務の流れをそのメモ帳に記載してみてください。
実際に業務に就いてみて、ご自身が気付かれたことや先輩に教えていただいた細かな配慮などをそちらに追記していき、業務が終わった後に、別のページに再度流れを組み立ててみると、業務の振り返りとともに、頭の中でもまとめやすくなるかと思います。
曜日ごとの座席表を自分なりに作ってみても、まとめやすいかもしれませんね!
■メモ活用法③介護技術の注意事項を振り返る
介護技術についても、
①入浴介助
②食事介助
③排泄介助
に分けてページを作成し、大分類として注意事項を記載してみてください。
例えば食事介助であれば、「足底がきちんと床についていること」「座席には深く座っていただくこと」「顎が引かれていること」「メニューの説明をして、覚醒状態を確認する」などなどです。その注意事項が増えれば増えるほど、質問者さんの知識が増えていきますからね。その次に、中項目として、一部介助の方、全介助の方の注意点を記載していかれるとよいかと思います。
一部介助の方であれば、「覚醒状態が良好な場合はスプーンを持っていただき、自力摂取を促してみる」とか、全介助の方であれば、「食事の食べる順番や一口の量をご利用者ごとに把握する」等ですね。
排泄介助や入浴介助についても、同じように記載していくと良いかと思います。
最後に、何故そのような注意点が必要なのかを自分なりに考え、その根拠が正しいのか間違っているのか、答え合わせを先輩方に聞いてみると、素晴らしと思いますよ。
■なぜ?という気持ちを大切に!
質問の方法が、「わからないから教えてほしいという」一方的なことから、「自分はこう考えたが、その考えが正しいのか不安」というように、自分の考えも伝えたうえで相談や質問ができるようになるかと思います。注意点の多くは、安全配慮を怠らないための事項が多いと思いますので、たくさん考え、たくさん疑問を持ってくださいね。
その何故??が、ご質問者さんの力になっていきます!
物事の根拠を考える癖をつけて行きましょうね!
ご質問者さんの判断基準も磨かれていくと思いますよ!
しっかり自分のものになるまでには大変かと思いますが、ファイトです!
全力で応援していますよ!
どうしても解決できないことがあれば、またいつでもご質問をお待ちしています!
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・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士