介護未経験でも転職成功確率がグッと上がる8つのポイント
介護業界は未経験者でも転職しやすい業界です。しかしそうはいっても、今まで介護と無関係な仕事をしてきた人にとっては転職時に不安に感じることも多いことでしょう。今回は転職の不安払拭のために、介護未経験者の転職成功率を高めるポイントを確認したいと思います。なお、「介護経験はあっても初めての転職で不安」という人にも効果的な方法が多いため、参考にしてくださいね。
介護未経験でも大丈夫
介護の仕事は未経験者でも転職を成功させやすい分野です。その理由は複数ありますが、なかでも特に大きな理由は以下の二つが挙げられます。
■現場は常に人手不足
未経験者でも介護の仕事に就きやすい大きな理由の一つ目は「介護業界は常に人手不足である」ということです。どの程度人手不足であるか、公益財団介護労働安定センターが平成30年に調査したデータがあります。これによると、介護現場で働く職員のうち54.2%の人が人手不足を感じているとのこと。特に特別養護老人ホームのような入所施設では、71.9%と大半の職員が人手不足を感じています。また厚生労働省による介護従事者処遇状況等調査によると、2020年には26万人、さらに2025年には55万人の介護人材が不足するという予測が立てられています。
■およ8割の人が未経験スタート
未経験者でも介護業界に転職しやすい理由の二つ目は、現在介護業界で働いている人のうち、およそ6割の人が別の業界からの転職者であるということです。平成30年度に発表された介護労働実態調査によると、前職も介護関係の人がおよそ24.8%、前職なしの人がおよそ14.8%、介護職以外からの転職者がおよそ60%でした。つまり介護職に関しては80%近くに人が未経験であることがわかります。
(出典:公益財団介護労働安定センター「介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」)
転職成功率を高めるポイント
前述したように、介護業界への転職はたとえ未経験であっても可能性は大きいといえます。そのためすぐに履歴書を用意して面接を申し込んでも良いのですが、いくつかポイントを押さえておくと更に転職成功率が上がります。ポイントは全部で8つ。確認していきましょう。
■初任者研修を受けよう
おむつ交換や移乗、高齢者とのコミュニケーションなど、介護の仕事には技術を要することが複数あります。働き始めてから学ぶこともできますが、あらかじめ勉強していれば、現場としても教育にかかる手間が省けます。即戦力とまではいかなくても、教育コストの削減というメリットを考えると採用側は受け入れやすくなるでしょう。また、研修を受け、介護に関する基礎的な仕事内容を学ぶことで、自分自身が介護職に向いているのかどうかを確認することもできます。
実は基本的な介護技術や知識を学ぶことができる「介護職員初任者研修」という研修があります。さまざまな福祉関連の専門学校がこのカリキュラムを展開しており、受講することによって修了証を受け取ることが可能です。授業の進め方は学校によって異なりますが、働きながら受講できるような日程を組んでいる学校も数多くあります。
■未経験可の求人を探そう
介護の求人を眺めていると、「未経験可」と書かれた求人が多いことに気付くでしょう。このようなところは、当然ですが未経験者でも受け入れをしてくれる可能性が高い施設です。加えて、未経験可と求人に書かれている施設や事業所には、未経験からスタートした人も複数いると考えられます。実際にあなたが働き始めた時、右も左も分からない心境を理解している人が多いと考えられるため、フォローをしてもらえ、早々に打ち解けることができるでしょう。
■見学をさせてもらおう
少しハードルは上がるものの、実際に見学させてもらうことも転職成功確率を上げるポイントです。これは見学をすることによって面接担当者にアピールする機会が増えるからです。見学で面接担当者と施設内を回る場合、面接の場面だけではできないアピールや積極性の見せ方もできるでしょう。
また、見学を行うことで施設の雰囲気も知ることが可能です。職場の雰囲気を前もって見学できることはミスマッチを減らすことにもつながります。
■必要と書かれていなくても職務経歴書を用意しよう
未経験から介護業界へ転職する場合、あなたが「介護業界で何ができるか」をアピールすると転職にも有利に働きます。しかし時間が限られてしまう面接の中では、それを十分にアピールすることは簡単ではありません。
そこでお勧めしたいのが、たとえ必要書類の中に含まれていなくても職務経歴書を用意することです。職務経歴書はあなたが今まで違う分野で働いてきた中で、どのような取り組みをしてきたかアピールできる強力なツールです。介護ではどのようなことが仕事に役立つかわかりません。例えば、今まで書籍編集者をやってきた人の場合、その編集活動の中で培ってきた聴く力(人の話を丁寧に聞き取り、真に希望していることが何であるかに気付く力)や、コミュニケーション力(著者をはじめ、デザイナーやイラストレーターなど多様な人びととスムーズにつながりを築ける力)が活かせる可能性があります。他にも介護の仕事はチームで動くため、上司として複数の部下をまとめ上げてきた経験があれば、その人をまとめる知識や経験は高く評価されるはずです。このように、職務経歴書を用意することができれば事細かにあなたのアピールポイントを面接官に訴えかけることが可能です。
繰り返しになりますが、介護業界では何が役に立つかわかりません。「自分の経験が介護の仕事にどのように役立つかわからない」という場合でも、とりあえず今までの仕事の中での実績を列挙してみましょう。それを見た面接官が、あなたが予想しなかったポイントに目をつけて評価してくれる可能性もあります。職務経歴書を書いてマイナスになるということはまずないため、必要書類の中に含まれていなくても作成するようにしましょう。
■夜勤も入れるなら転職成功率アップ
介護業界で働く人の中には子育てをしている人もたくさんおり、子供の面倒を見るため夜勤に入れないという人も少なくありません。しかし施設によっては365日24時間利用者がいるわけですから、夜勤に入れる人が必要です。そのため、夜勤があるような施設であれば、夜勤に入ることができる人は歓迎される傾向にあります。
昼間のみの時間帯の求人であっても、夜勤に入れることを伝え、勤務に融通がきくことを提示できれば、採用側には魅力的な人材に映る可能性があります。
■未経験の受け入れがしやすい施設形態を当たる
介護施設は行政から「介護報酬」という、介護業務に関する報酬を受け取ることで運営が成り立ちます。しかしこの介護報酬を受けるためにはさまざまな条件があり、その中には「利用者の数と比例して一定の割合介護福祉士を配置しなければいけない」というものもあります。
この介護福祉士の配置割合は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などという施設形態によって異なるもの。介護福祉士の割合が高く設定されている施設形態の場合、優先して採用したいのは資格を保有している人ですので、もし資格を持っているのであれば、採用される確率が高くなるでしょう。
一方このような基準がないところもあります。具体的にはデイサービスや住宅型有料老人ホームがそれにあたります。このような施設は介護福祉士を配置しなくても介護報酬を受け取れる場合もあれば、そもそも介護報酬を受け取ることを目的としていない施設もあります。そのためこのような施設であればたとえ未経験で無資格であったとしても、採用される確率が高くなると考えられます。
■土日祝日も働けることをアピールしよう
前述したように介護業界では子育てをしながら働く人も少なくありません。保育園に預けながら働くことになるため、保育園が休みになることが多い土日祝日は勤務に入れる人が少ないところもあります。そのため、土日祝日も勤務することができる場合は、伝えておくと良いでしょう。
まとめ
介護業界は常に人手不足です。そのため、たとえ未経験であっても採用して一からスタッフを育てていきたいという施設は決して珍しくないもの。今回紹介した転職成功確率を上げるポイントは複数ありますが、何も全部実施する必要はありません。ひとつだけでも成功確率は確実に上がりますので、自分ができそうなものをピックアップして実際に試してみるようにしましょう。
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