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転職先でベテラン同様の仕事を求められ…情報共有や育成方法、外国の方の比率も高く、おまけに先輩の愚痴まで聞かされます

転職先でベテラン同様の仕事を求められ…情報共有や育成方法、外国の方の比率も高く、おまけに先輩の愚痴まで聞かされます

【回答者:後藤 晴紀】上司や先輩に対して、弱音を伝えられていますか?!


本日のお悩み

20年近く療養型病院で看護助手として働いて来て(その内3回転職あり)、今回初めて一般病院に転職し、ケアミックス型療養病棟に配属されました。介護の紹介会社から紹介されたのですが、病院のホームページには「初心者は主任が、経験者は担当職員が1週間付いて仕事を教える」と書いてありました。
実際に働きだすと先輩に付いてもらえる日は少なく、1週間後にはひとり立ち。半月後には夜勤が入り、1度付いてもらっただけで2回目からひとり立ちになりました。

療養型の病院ではもう少し余裕ある勤務態勢でしたし、患者様一人ひとりの情報は常に記録して、情報収集しやすかったのですが、こちらの病院では、患者様の情報は助手の申し送りノートにみんな一緒に書かれています。一般病院では、ケアスタッフは患者様の一人ひとりの情報記録等は無いのでしょうか?それと、ここまでスパルタなのでしょうか?
まだ1ヶ月立っていないのに、ベテラン同様の仕事を与えられ求められて、キャパオーバーしてヘトヘトの中で、上司や先輩の愚痴も聞かされ、かなり疲れています。
それと、常勤の半分近くが外国の方というのも初めての事で驚きました。でも、外国の方は愚痴も無く、夜勤もしながらバリバリ働いていてます。教え方も丁寧で細かい事を聞いても嫌な顔をせず丁寧に教えてくれます。それに比べて日本人の先輩は…細かい事を聞くと『教える必要の無いことは教えません』と…
外国の先輩がいるから頑張ろうと思える職場。こういう職場はどう思われますか?
長くなり申し訳ありません。ご回答宜しくお願い致します。

相談者:さゃさゃ さん

上司や先輩に対して、弱音を伝えられていますか?!

ご質問ありがとうございます。

ケアミックス病棟で療養型病床に配属との事ですね。急性期や回復期、療養病床や精神科病床などを持った複合型の病床ですね。様々な患者様が入院しておられ、慌ただしい毎日かと思います。
介護施設だけではなく、病院でも慢性的な看護助手さんの不足は、深刻な問題でもありますね。
そんな中、配属された療養病棟では、ホームページに謳われた育成等が無く、職場への不信感や不安を感じているのだと思います。

元々安心して働けると思っていたのに、『現実は違った』という声をよく耳にします。
入職初期に抱いた不信感は、なかなか払拭できずに、その後の様々なストレスの要因になりうると思います。この時期は入職者との信頼関係を築くうえでも重要な時期となりますし、私も入職者に対して細心の注意を払う時期でもあるんです。

いくつかのポイントに分けて回答させていただき、少しでもお役に立てるアドバイスができれば幸いです。

まずは、育成環境について

ご質問者さんは20年余りのご経験があるので、1週間は担当者がついて育成をしてくれるという予定でしたね。
仮に公休が2日あったとして、残りの5日間の内の何日かは、担当の先輩スタッフが付いて下さったという事でよろしいですか?
文面から推測すると、2~3回という程度でしょうか。。。

この間に、業務の流れ、患者様の名前と顔を一致させながら動かれるのは、とても大変だったかと思います。2~3日で覚えられる量ではないことは容易に想像できます。
そんな中でもご質問者さんは、ご自身で努力され、必死に業務や患者様を覚えていったのだと思います。ご質問者さんの人柄と、経験のなせる業ですね。

そんな姿勢を先輩方も見ていたのだと思います。
実際は不安で溢れていたはずですが、弱音を吐かないご質問者さんのスタッフとしての評価は高く、一人でも十分に業務ができると判断されたのではないかと思います。
採用担当者と現場の温度差は良くあることで、採用担当者はこの採用難の中で、人手不足の解消という課題に対して採用活動を行っていきます。実際の現場の状況を分からずに求職者に対して説明をしてしまう事もあります。
現場としてはもちろん即戦力を求めて入職者を待つわけですが、そこに経験者が配属されると、今回のような即戦力として扱われ、多くを求められることになるのかもしれません。

患者様の記録業務について

次に、患者様の記録業務についてです。
本来は個人ごとにまとめられているカルテ等が存在するはずですし、恐らくご質問者さんの病棟にも存在はしているはずです。もしくは全て電子カルテ上にまとめられており、紙媒体では存在しない可能性もあります。
その為、細かな点は申し送りノートで集約しているのかもしれません。

残念ながら人は、忙しいと人は心を亡くしてしまいがちです。
ご質問者さんに冷たくしたいわけではないのに、忙しさのあまり、他人にやさしくなれない環境になっている可能性は十分に考えられます。
私の施設にも外国籍の方は多く、皆熱心に働いて下さっていますが、読み書きには課題が残ります。常勤の半分が外国籍のスタッフさんとの事でしたが、日本人の常勤さんが記録業務の負担が増している状況であれば、それもまた従業員のストレスを高める原因にもなりかねないと思います。
申し送りノートに集約していることには、何か理由がある可能性もあります。なぜ記録が個別ではなく、一つのノートにまとめられているのかを確認してみてくださいね。
『余計なことは教えない』という先輩の冷たい言葉が不安ですが。。。

いずれにせよ、患者様の情報が得られにくい環境ですと、同様の不安をお持ちの職員がいるのではないかと推測できます。
特に今の不安を、先輩や上司に相談することは可能でしょうか?

日本人のスタッフの方は横柄な態度をとるとの事ですが、その中でも相談に乗ってくださるような先輩スタッフさんはいらっしゃいませんか?

一人で行動しても、要望が受け入れられにくい環境の可能性もありますので、会議の中で提案できるように意見をまとめておくのが良いかと思います。
一人で抱え込まないようにしてくださいね。

最後に

上司や先輩が愚痴をこぼせるほどのご質問者さんは、とても頼りになる存在なのだと思います!
ご自分をもっと認めて褒めて差し上げると同時に、ご質問者さんご自身が弱音が吐けない状況になっているとしたら、もっと弱さを吐き出しても良いんですからね!!

少しでも今の環境が改善できるようにアドバイスも含めてご回答させていただきました。

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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