本日のお悩み
介護職への転職を考えています。
分からないことだらけなのですが、夜勤というのはどんなことをするのでしょうか?
仕事の流れとか、イメージがつかないので教えてください。
介護職の、夜勤の具体的な仕事内容とは?
日中に対して職員が少ない夜勤の仕事。
不安に感じられる方も多いのではないでしょうか?
具体的な仕事内容と、ポイントをいくつかご説明します。
■巡回
夜間帯、1~2時間おきに安否確認や排泄介助、体位交換等のために居室への巡回をします。
特に気を付けなければいけないのは、次の2つです。
巡回中に気を付けること① 音
廊下を歩く足音や、話し声、職員や他の利用者さんとの話し声、ドアやカーテンを開け閉めする音など。
不必要な物音は、音の大きさは関係なく、小さな音であっても、利用者さんの睡眠に害を与えます。
例えばひそひそ話はいくら小さな声で話していても、耳障りに聞こえます。どうしても話さざるをえないときは、眠っている方への配慮を忘れず場所を考えるなど対策をとりましょう。
巡回中に気を付けること② 明かり
巡回の際には、直接利用者さんを照らすのではなく間接的に照らす配慮が必要です。
利用者さんの安否確認だけでなく、居室の状態が整ってるかも確認しましょう。
室温は快適か、ベッドの高さは適切か、靴の位置は大丈夫か、動線は確保されているか。
また、朝はカーテンを開け陽光を取り入れることで、身体にもよい影響があります。
■排泄介助
トイレ誘導について
加齢とともに腎機能が低下し、夜間帯に排尿の回数が増えるのは自然な身体の変化とも言えます。
トイレ誘導の際、基本的な動作は日中と同じですが、寝起きで頭がぼーっとしていてが入りづらかったり、睡眠剤を内服していて特に足元がふらつきやすかったりする方もおり、注意が必要です。
おむつ交換について
オムツを交換する際も日中と同じですが、声をかけ、本人が状況を理解してから介助に入るようにしましょう。
寝ているのに起こして申し訳ないな、と感じるかもしれませんが、快適に眠れる環境を整えたほうが結果として利用者の方の質の高い睡眠に繋がります。
ポータブルトイレについて
また、夜間帯だけポータブルトイレを使用している方もいます。
位置が適切であるかや、靴が履きやすい位置に置いてあるか、転倒の要因になるものがないか等を観察しましょう。
■リビングやトイレの清掃
日中は人がいてなかなか出来ない箇所を、夜勤の時間に清掃することも多いです。
清潔な環境は、ケアにおいて最も重要です。
換気の重要性が叫ばれて久しいですが、どんなに換気に努めても、清掃の行き届かない部屋では空気を新鮮にすることはできません。
ほこりにはダニやカビ、細菌や花粉などさまざまなものが付着しており、感染症の要因になります。
清掃業務も、ケアにおいて重要な役割を担っているのです。
■ナースコール対応
ナースコールが同時に鳴ったら?優先順位を見極めよう
呼ばれたらその都度対応しますが、同時に鳴った場合は優先順位を見極める必要があります。
夜眠れない不安やトイレ誘導等、理由は様々ですが、日中は落ち着いている方も、夜になると不安を強く感じられる方もいます。
特に、眠れないと訴える方への対応はなんとなく自分が焦って「なんとか眠ってもらわないと」と気持ちに余裕がなくなってしまいがちです。
もちろんケースバイケースですが、日中の過ごし方や出来事が影響していることが多いため、「1日くらい眠りが浅くても大丈夫」ととらえ記録を確認し、職員同士の情報共有をする中で要因を探っていきましょう。
ちなみに、鳴り響くナースコールが、夜勤明けで家に帰ってからも聞こえる現象、介護職の夜勤経験者は1度は体験していると思います。笑
慣れたらやりがいを感じられる夜勤の仕事。少しでも不安が解消できれば幸いです。
介護職の夜勤、具体的にどんなスケジュールで働くのかを解説します!
介護職への転職を考えていらっしゃるのですね。
同じ業界で働けるかもしれないこと、とてもうれしいです!
夜勤は日中に比べて職員の数も少ないため、不安に感じる方も多いと思います。
いきなり夜勤を任されることはなく、まずは日中の業務に慣れてからだと思いますので、ご安心ください。
■勤務体制の仕組み
サービス業態や事業所によって仕事の流れや内容はさまざまですので、一例をお伝えしますね。
まず、24時間稼働している施設等の勤務体制は、2交替、3交替、4交替と分かれています。
・2交替:日勤、夜勤
・3交替:早番、遅番、夜勤
・4交替:早番、日勤、遅番、夜勤
夜勤の勤務時間は、8時間または16時間が主となっています。
実際には、事業所ごとに変則だったり、上記シフトの混合もありますので、募集要件を確認してみてくださいね。
ちなみに日本医療労働組合連合会の2019年介護施設夜勤実態調査結果によると、夜勤形態では「2交替夜勤」の施設が9割近く(87.0%)を占めており、そのうち勤務時間16時間以上の「2交替夜勤」は81施設(2交替夜勤の72.3%)となっているそうです。
グループホームや小規模多機能、看護小規模多機能では1人体制、特養や老健など比較的規模が大きな事業所では複数体制となっています。
■実際はどんなスケジュールで働く?2交代制の場合
では、2交替勤務に多く見られる16時間夜勤の業務内容の一例です。
16:00~出勤 | 申し送り内容を確認 |
17:30~夕食準備 | 入居者の離床介助、トイレ誘導、手洗い |
18:00~夕食 | 配膳、食事介助、服薬介助、食後の片づけ |
19:00~口腔ケア | 歯磨きの介助 |
19:30~就寝介助 | 居室への誘導やベッドへの移乗、パジャマへの更衣 排泄介助、眠前薬の服薬介助 |
21:00~片付け・記録 | リビングやトイレの清掃、洗濯、物品補充、介護記録 |
23:00~巡回 | 1~2時間おきに訪室、安否確認 ナースコール対応(ナースコールへの対応や、体位変換、排泄介助など) |
1:00~休憩 | 仮眠、軽食をとる人も |
3:00~巡回 | 1~2時間おきに訪室、安否確認 ナースコール対応(ナースコールへの対応や、体位変換、排泄介助など) |
5:00~起床介助 | 更衣、洗顔や整容の介助、排泄介助など |
7:00~朝食準備 | 入居者の離床介助、トイレ誘導、手洗いなど |
8:00~朝食 | 配膳、食事介助、服薬介助、食後の片づけなど |
9:00~申し送り | 早番または日勤の職員へ申し送り、介護記録 |
10:00 退勤 | |
ご覧の通り勤務時間は長いですが、あっというまに時間が過ぎてしまいます。
夜勤は大変、というイメージがあるかもしれませんが、落ち着いている日は日中にできないことをする貴重な時間になったり、起きてきた入居者さんとこっそり話したり、普段と違う様子が知れたりして、おもしろいです。
月の回数に限らず、どうしても生活リズムは崩れやすくなるので、体調を整える工夫も必要かと思います。
■自分に合った仕事スタイルを選べる介護の仕事
余談ですが、私は自分にご褒美で、食べたいものを好きなだけ食べるのが夜勤明けの楽しみでした。
なんとも言えない解放感がありました……!
質問者さんは、どのような業態で働くかもう決めていらっしゃいますか?
介護職といっても、訪問介護やデイサービスなど原則夜勤がない仕事もありますし、逆に夜勤専従といって夜勤だけを行う仕事もあります。
夜勤手当のあるなしによって給与にも差がありますので、ぜひいろいろな求人情報を見比べてみてください。
生活スタイルに合った働き方が見つかるよう、応援しています!
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員