本日のお悩み
住宅型有料老人ホームで、サ責を任命されたばかりのサ責初心者です。指導をしてくれる先輩はいません。
書籍やネットで一応の仕事の流れは理解できた段階ですが、「訪問サービスでありつつ実態は施設である」というパターンでの訪問介護計画書の作成と職員への時間帯割り振りに矛盾を感じて悩んでいます。
指導をしてくれる先輩がいなくて誰にも相談できない場合、皆さんはどうやってこういう知識を身に着けているものですか?
また、このような質問はどこに相談したら良いのでしょうか?
行政の窓口など、あるのでしょうか?
ご自身だけで抱えこまずに、上司との情報共有と想いの共有を。
住宅型有料老人ホーム内に併設された訪問介護事業所におけるサービス提供責任者を担われているのですね。
いわゆる「サ責」という職責、とても重要な役割ですね。
その業務における、指導をしてくれる先輩がいないという悩み。そして感じる矛盾。
日々、大変な思いをされていると感じ、その心中をお察し申し上げます。
■コンプライアンス意識が求められる、有料老人ホームにおける「訪問介護」
質問を拝見し、ホームの現状と質問者さんの持つ想いを、施設責任者や上司と共有すべきであると感じました。
質問にも記載がありましたが、「訪問介護」は「在宅介護サービス」であり、「施設介護サービス」ではありません。
有料老人ホームにおける「訪問介護」の運用は、在宅介護サービスのルールを守るという経営上のコンプライアンスの順守が強く求められるところです。
住まいの場である「有料老人ホーム」
そこでサービスを提供する「訪問介護」
介護サービスの計画を立てる「居宅介護支援事業所」
を一体経営される法人(関連法人での経営の場合も含む)であれば、なおさらです。
■まずは上司とコミュニケーションを取りましょう
また、指導してくれる先輩がいないのであれば、上司の方としっかりとコミュニケーションを取り、指示を仰ぐべきだと思います。
行政によると思いますが、細かい業務のことは教えてくれないでしょう。
教えてくれたとしても、あくまで「ケアプラン通りの介護を行ってください」ということになると思います。
■課題があれば、関係者に相談しましょう
大切なのは、「ケアマネージャーが立てたケアプランに基づいて訪問介護計画書を作り、介護サービスを行い、それを正しく記録し、正しく報告し、請求を行う」
という当たり前のことを、ルールに沿って行うことです。
物理的に不可能な計画であれば、計画を履行できない旨をケアマネージャーに伝える。
計画を履行できる人員体制を整えてもらうように、上司に伝える。
これらを速やかに行ってください。
■ルールの上で成り立っている、介護サービス
介護サービスは、介護保険法等の規定やルールに基づいて行われています。
それを守らなければ、指定の取り消しといった行政処分を行われ、加算額を上乗せされて介護報酬の返還請求が行われることもあります。
ご自身だけの問題では済まないということをしっかりと認識したうえで、業務に臨みましょう。
そして、その上で現状を上司と共有し、ご自身の想いを伝えてはいかがでしょうか。
それが結果的にご自身を守ることになり、ホームを守ることになると思います。
福岡福祉向上委員会 代表