障害者施設・障害福祉サービスにはどんな種類がある?仕事内容や介護施設との違いも解説
■監修者
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 公益社団法人日本介護福祉士会 理事 公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長 社会福祉法人 三育ライフ 杉並エリアマネジャー 杉並区立重症心身障害児通所施設わかば 園長 プロフィール 社会福祉法人三育ライフへ入職後、介護福祉士として現場で勤務した後、特別養護老人ホームの介護課長や相談課長、グループホームのホーム長を経験する。 2015年4月より、重症心身障害児が通う児童発達支援事業所の開設に携わり、その後は、重い障害や医療的ケアが必要な未就学のこどもたちの支援をしている。 又、職能団体の理事や東京都福祉サービス第三者評価の評価者としての活動などをするほか、筑波大学人間総合科学学術院を修了し、重症心身障害児の地域生活に関する研究に取り組んでいる。
障害福祉サービスには、さまざまな種類があり、利用者の介助やサポートをする職員の存在は不可欠です。そのため、介護職を目指す人や介護業界で働く人にとっては就職・転職先の選択肢の一つといえます。
障害福祉サービスの種類、主な仕事内容、働くために必要とされる資格、高齢者介護施設との違いなど、障害者施設に関する基礎知識を徹底解説します。
障害者向けサービスの現状
訪問系、日中活動系、施設系、居宅支援系、訓練・就労系といったサービス形態で分けることもできます。 このほかに、地域ごとに障害のある住民を柔軟にサポートする「地域生活支援事業」という事業もあります。
現在、18歳以上の成人向けの障害福祉サービスは、「障害者総合支援法」という法律を根拠に提供されています。
障害者総合支援法は、身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害を含む)などを総合的に支援するための法律です。2013年に「障害者自立支援法」から名称変更されました。
※18歳未満の方の対象の障がい福祉サービスは、「児童福祉法」という法律を根拠に提供されます。
障害者が介護給付のサービスを利用する際には、市町村から障害支援区分の認定を受けなければなりません。
認定を受けるためには、まず市町村の障害福祉担当の窓口に申請する必要があります。市町村による認定調査を受け、審査会による判定の結果、必要とされる支援の度合いによって区分1~6の障害支援区分が決められます。
区分が決まると、市町村の指定を受けた特定相談支援事業所が、利用者の要望などをもとにサービス等利用計画案を作成し、利用者はそれを市町村に提出します。市町村は、支援区分や利用目的、利用者の状況などに応じてサービスの量や内容を決定します。
その後、決定した内容に基づいて、特定相談支援事業所は、サービスを提供する施設・事業所とも調整したうえでサービス等利用計画を作成します。利用者が施設・事業所と契約すると、サービス等利用計画をもとに、各サービスが開始されます。
訓練給付や地域生活支援事業でも、市町村への申請手続きは必要ですが、障害支援区分の認定を受ける必要はありません。
障害福祉サービス(障害者施設)の種類
障害福祉サービスには、次のような種類があります。サービスの種類ごとにそのサービスを提供する施設・事業所がありますが、なかには2種以上のサービスを提供する多機能型事業所もあります。
ここでは、主な障害福祉サービスの内容と特徴を紹介します。
■介護給付のサービス(訪問系)
1.居宅介護(ホームヘルプ)
対象は、障害支援区分が1以上の人です。あくまで利用者のためのサービスなので、同居する家族のための家事援助はできません。
2.重度訪問介護
ホームヘルパーが自宅を訪問して、食事や排泄、入浴の介助、家事援助、外出時の介助、相談対応、見守りなどを行い、生活をサポートします。
また、障害支援区分6で、日頃から重度訪問介護のヘルパーの支援を受けている人が入院する場合には、入院先の医療機関でもそのヘルパーに付き添ってもらうことができます。担当ヘルパーは、主に、利用者が医療機関の職員に意思の疎通を図るためのサポートをします。
3.同行援護
視力障害に加えて、障害支援区分2以上などの条件を満たす場合は、食事介助や排泄介助などの身体介護も行います。
4.行動援護
障害支援区分3以上、かつ障害支援区分の認定調査項目のうち、行動援護判定基準である行動関連項目など(計12項目)の合計得点が10点以上の人が対象です。
障害の特性を理解していないと適切な対応ができないため、専門の研修を受けたヘルパーがサポートします。
5.重度障害者等包括支援
障害支援区分でいうと6に当たる人が対象です。
■介護給付のサービス(日中活動系)
1.生活介護
身体機能や生活を送る能力を上げるために、必要な援助を提供したり、就労機会を創出したりするような役割も果たしています。
対象となる障害支援区分は、基本的には3以上で、50歳以上の場合は2以上です。
2.短期入所(ショートステイ)
一般的にはショートステイと呼ばれています。普段、利用者の介護をしている家族が体調を崩した場合や家を空けなければならない場合のほか、介護疲れを解消するためのレスパイト(休息)を目的に利用することもできます。
入所している間、利用者は、食事や着替え、排泄、入浴などの介助、見守りなどの支援を受けることができます。対象となるのは、障がい支援区分1以上の人です。
3.療養介護
人工呼吸器による呼吸管理が必要で障がい支援区分6の人、進行性筋萎縮症患者または重症心身障がい者で支援区分5以上の人などが対象です。
■介護給付のサービス(施設系)
1.施設入所支援(障害者支援施設など)
一般的に、施設入所支援を行う障害者支援施設では、施設内に生活介護をはじめとする日中に行われるサービスの機能も併設しています。そのため利用者は、施設に入所することで、日中も夜間も一体的にサービスを受けることができます。障害者支援施設に入所しながら、日中に外部のサービスを利用することもできます。
障害者支援施設に入所する場合は区分4以上(50歳以上は3以上)です。
■訓練給付のサービス(訓練・就労系)
1.自立訓練(機能訓練・生活訓練)
機能訓練では、リハビリを中心に、生活に関する相談や助言といった支援を行います。生活訓練では、料理や掃除といった家事のほか、食事、入浴、身だしなみ、買い物の仕方、対人関係のマナーなど、生活に必要なスキルを身につけます。
機能訓練、生活訓練ともに、利用者が障害者支援施設やそのほかの障害福祉サービス事業所でサービスを受けるのが一般的です。理学療法士、作業療法士や生活支援員が、利用者の自宅を訪問してサービスを実施するケースもあります。
2.就労移行支援
一般就労を希望する65歳未満の障害者を対象に、就労と定着に向けて、さまざまな形で支援するサービスです。具体的には、仕事に必要なスキルを身につける訓練(生産活動や職場体験など)、求職活動の支援、利用者に合った職場の開拓、就職後のフォローなどを行います。
3.就労継続支援(A型・B型)
一般の企業などへの就労が難しい障害者に働く機会や居場所を提供しながら、能力向上のための訓練や支援を行います。
就労継続支援にはA型(雇用型)とB型(非雇用型)があります。
A型は、一般就労は難しいものの支援があれば継続的に働ける65歳未満の人が対象です。
雇用契約に基づく支援で、報酬として最低賃金以上の金額が支払われます。
一方のB型は、一般就労やA型の利用が難しく就労の機会等を求めている人が対象で、生産活動などによる工賃を受け取ることが一般的です。
■訓練給付のサービス(居住支援系)
1.グループホーム(共同生活援助)
そのためグループホームには、介護サービスを外部に委託する外部サービス利用型と、施設の職員が常駐して介護を行う介護サービス包括型、グループホームの近くにあるアパート等で一人暮らしに近い形態で支援を受けるサテライト型があります。
なお、グループホームは夜間の対応が基本ですが、2018年の法改正で日中サービス支援型のグループホームが創設され、少しずつ数が増えています。日中サービス支援型のグループホームでは、日中も夜間も対応可能なので、常に介護が必要な重度の障がいがある人も利用できます。
■一般相談支援事業
障害がある人が日常生活における困りごとや障害福祉サービスについて相談したいときは、市町村の窓口のほか、各地にある「一般相談支援事業所」で相談することができます。
一般相談支援事業所では、利用者からの相談に対し、情報提供などの基本相談支援のほか、下記のような地域相談支援を提供しています。
1.地域移行支援
障害者支援施設や精神科病院などに入所・入院している人が、退所・退院した後、地域での生活に移行するのを支援するサービスです。
具体的な支援内容は、住居の確保などに関する相談対応、生活介護や自立訓練といった障害福祉サービスの体験利用、体験宿泊のサポートなどです。
2.地域定着支援
単身で暮らす障害者、同居している家族が病気などで緊急時の援助を受けられない障害者が、地域での生活を継続できるように支援するサービスです。
夜間職員の配置などにより常時連絡が取れる体制を確保し、緊急時には、訪問や電話での相談対応、関係各所との連絡・調整などを行います。
障害者向けの相談窓口には、市町村の窓口や上記の一般相談支援事業所のほかに、「特定相談支援事業所」もあります。一般相談支援事業所は都道府県が指定するのに対し、特定相談支援事業所は市町村の指定を受けています。
「サービスの利用方法」でも説明した通り、特定相談支援事業所では、障害者やその家族が障害福祉サービスの利用を申請した場合に、「サービス等利用計画」を作成する役割を担っています。
サービスの支給が決定した後も、利用しているサービスや利用計画が適切かどうかを見直しながら、利用者が抱える課題の解決に向けて継続的に支援していきます。
そのほかの障害者向けサービスの種類
■地域生活支援事業
市町村と都道府県が連携して多様なサービスを提供していますが、ここではその一部を紹介します。
1.移動支援事業
障害があって移動が困難な人が、冠婚葬祭や投票、イベントへの参加などのために外出する際にガイドヘルパーが付き添って支援するサービスです。介護給付の同行援護や行動援護とは異なり、障害支援区分や障害の種類にかかわらず利用できるのが特徴です。
ただし、自治体によって、対象となる障がいの種類などの条件が異なる場合があります。
2.意思疎通支援事業
聴覚や言語機能、視覚などの障害によって意思の疎通を図ることに支障がある人を対象に、手話通訳者や要約筆記者の派遣、点訳や代筆・代読などによる支援を行います。要約筆記とは、話し手が話す内容を要約したうえで文字として伝えることです。
市町村の必須事業として実施されていますが、都道府県でも、専門性の高い手話通訳者や要約筆記者などの派遣・養成を行っています。
3.地域活動支援センター
障害者に対し、困りごとを相談できる場や創作活動や生産活動、他者との交流の機会などを提供することを目的とする施設です。
困りごとを相談できる居場所や、他者との交流の機会を提供することで、障害のある方が社会との接点を持ちやすくなります。
4.福祉ホーム
障害者に、低額で居室や日常生活に必要なサービスを提供する施設です。対象は一般住宅に入居するのが難しい状況にある知的障がい者や精神障害者ですが、常時介護や医療が必要な人は想定されていません。
障害者施設の主な仕事内容
施設によっては、体操やボウリングなどのレクリエーションを実施したり、地域のお祭りやイベントに参加したりすることもあります。夜間は、就寝した利用者の見守り、排泄介助などが主な業務で、報告書作成などの事務作業をすることもあります。
一方、就労支援を目的とした施設の場合は、利用者の能力向上のための訓練や求職活動の支援が業務の中心です。
このように障害者施設の職員の仕事内容は、サービス形態によって異なるため、障害者施設への就職・転職を考えている人は、施設ごとの特徴を把握したうえで就職・転職先を選ぶ必要があります。
■障害者施設の職員の主な職種
障害者施設で利用者の支援を行う職員の名称は、仕事内容や施設・事業所の種類によって異なります。ここでは、障害者施設で働いている主な職種を紹介します。
1.生活支援員
障害施設において、利用者の身体介護や生活サポートにあたる職員を生活支援員と呼びます。
高齢者介護施設の介護職にあたる職種です。
障害者支援施設、生活介護事業所、訓練給付のサービス(訓練・就労系)やグループホームなどで働いています。
2.ホームヘルパー
居宅介護、重度訪問介護などで利用者の自宅を訪ねて介護や生活サポートを行う職員は、ホームヘルパーと呼ばれます。
3.職業指導員
障害者が就労できるように、必要な知識や技術を身につけるためのサポートをする職種です。就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などで活躍しています。
4.就労支援員
就労支援員は、利用者の就職を支援する職種です。具体的には、適性に合った職場探し、受け入れ企業との連絡・調整、職場見学への同行、就労後のフォローなどを行います。
就労移行支援事業所などで活躍しています。
5.世話人
障害者グループホームで、利用者の家事の援助や生活に関する相談への対応など、主に日常生活のサポートを担っています。グループホームには生活支援員も勤務していますが、生活支援員の仕事内容は、介護業務や創作・生産活動の指導などが中心です。
6.地域移行支援員
宿泊型自立支援を提供する事業所において、利用者が一人暮らしやグループホームでの生活に移行できるように支援する職種です。
利用者が就労先や就労継続支援事業所などの日中の居場所から宿泊型自立支援事業所に帰った後に、生活訓練や相談対応を行います。
7.機能訓練担当職員
利用者の身体的な機能訓練に対応している自立訓練などでは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの資格を持った機能訓練担当職員も必要です。
8.サービス管理責任者
障害者施設において、個別支援計画を作成し、関係各所との連絡・調整、ほかの職員への指導などを行います。サービス管理責任者になるには、支援業務の実務経験を積んだうえで研修を修了する必要があります。
なお、障害者施設では、サービス管理責任者とは別に、施設長などの管理者も必要です。
■障害者施設と高齢者介護施設の違い
一つは、対象となる人の年齢です。
障害福祉サービスを提供する障害者施設は、基本的に18歳以上の障害のある人が対象ですが、介護施設は、基本的に65歳以上で介護が必要な高齢者が対象です。
さらに、支援の目標も少し異なります。
介護施設では、利用者ができる限り自立した状態で、その人らしい生活を送れることを目標にしています。一方の障害者施設のなかには、自立した生活に加え、就労を視野に入れて支援している施設もあります。
障害者施設で働く場合に必要な資格
ただし、施設・事業所によっては、社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士といった資格を採用の条件にしていることもあります。
ホームヘルパーになる場合は、介護職員初任者研修(以下、初任者研修)修了か、それ以上の介護の資格が求められます。
障害者施設には人手不足の施設が多いため、無資格、未経験でも採用されやすい傾向があります。ただ、資格がないと身体介護ができないなど仕事の範囲が限られます。
障害者施設の職員を目指す場合は、今後のキャリアも踏まえて、初任者研修以上の介護の資格か、社会福祉士、精神保健福祉士などの取得を目指すとよいでしょう。
収入面においても、専門性の高い資格を持っている場合に資格手当が貰える法人もあります。
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障害者施設で働くメリット
障害者施設で働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。仕事の魅力やメリットを紹介します。
■やりがいが大きい
しかしその分、利用者が笑顔を見せてくれたときや信頼関係が築けたとき、新しく企画したイベントが好評だったときの喜びは大きいと言えます。
また、支援・指導していた利用者が、目標を達成したり、本人が成長を実感している場面に立ち会えた瞬間には、大きなやりがいを感じられます。例えば、就労移行支援事業所で利用者の就労が決まったときは、この仕事をしていたよかったと感じることでしょう。
利用者やその家族から感謝される機会が多いことも、モチベーションの維持につながります。
■将来性がある
厚生労働省によると、近年、国が障害福祉サービスにかける予算額は増加傾向にあり、施設・事業所や利用者の数も増え続けています。生活支援員をはじめとする障害者支援の職種へのニーズは、今後さらに高まると予想されます。
生活支援員として何年か実務を経験すると、介護のスキルと障害に関する知識が身につくため、転職先に困らなくなるでしょう。さらに初任者研修などの介護の資格を取っておけば、高齢者介護施設への転職も可能になり、転職先の幅も広がります。
障害者施設で働いてみて、きついこととは?
やりがいがある一方で、障害者施設で働いてみて、ここはきついなと感じる方もいるでしょう。
仕事の魅力やメリットとともに、デメリットになりえそうな点についても把握しておきましょう。
■身体的な負担が大きいと感じることも
生活支援員やホームヘルパーは、体を動かす業務が中心で、ご自身の身体に負担を感じる場面も少なくありません。
入所型施設に勤務する場合は、夜勤もあります。
体力に自信がない人には身体的な負担が大きくなると、きついと感じることがあるかもしれません。
職場が人手不足の場合は、労働時間が長めになったり休みが取りづらくなったりする場合もあるため、職場環境の確認はあらかじめしておくとよいでしょう。
■精神的なストレスを感じる人も
人によっては、そうした緊張や責任感から来る精神的なストレスが、退職や転職の原因になることもあるようです。
一方で、支援・指導していた利用者が、ご自身で成長したと感じている瞬間に立ち会った際にやりがいを感じることもあるため、ご自身がどのようなときにやりがいを感じるのかなど、自己分析をするなかで職場選びをされるとよいでしょう。
■給料が仕事内容に見合わないと感じることも
障害者施設で働く職員には、障害への理解はもちろん、対人援助職としての倫理観や職種別の専門知識も求められます。未経験で入職した職員が、必要なスキルを身につけて、利用者とスムーズにコミュニケーションを取れるようになるまでには、ある程度の時間がかかるでしょう。
障害者施設の職員の給与は、他業種と比べて低いわけではありません。
しかし、職員のなかには、仕事の中で身体に負担がかかったり、高いスキルを求められたりするわりには、給料が高くないと感じる人もいるようです。
障害者施設に向いている人
障害者施設で働くことにはメリットがある一方でデメリットもあり、合う人と合わない人がいます。ここで障害者施設での勤務に向いているのはどんなタイプかを紹介します。
■体力がある人
ただし、職業指導員や就労支援員など、基本的には介護業務を行わない職種であれば、生活支援員ほど体力は必要ないかもしれません。
また昨今では、介護ロボットの開発も進んでおり、身体的・精神的な業務負荷の軽減に繋がっている事例もあるため、今後は人の体力だけではなく様々なテクノロジーとの協業も考えられるでしょう。
■相手の立場や気持ちを想像できる人
障害者施設の職員は、さまざまな特性を持つ利用者とのコミュニケーションを通して、そのニーズや困りごとを汲み取っていく必要があります。
施設の種類や職種にかかわらず、相手の立場や気持ちを想像できる人が向いています。
■コミュニケーション力がある人
障害者施設の職員は、施設の利用者やその家族と接する機会が多いうえに、ほかの職員とも情報共有や意見交換をしながら業務を進めていかなければなりません。
基本的なコミュニケーション力は必須といえます。
■状況に応じて柔軟な対応ができる人
障害者施設では、業務中に利用者がパニックを起こしたり、施設から無断で外出してしまったりと思わぬアクシデントが発生することもあります。
職員には、その都度、状況に合わせて冷静かつ臨機応変に対応する能力が求められます。
■障害への理解があって勉強熱心な人
障害者施設の職員を志望するのであれば、障害に関する基礎知識が不可欠です。
障害福祉に関わる仕事は奥が深いので、入職後も研修などを通して、さらに専門知識を深めていく必要があります。
常に学ぶ姿勢をキープできる勉強熱心な人が適しています。
障害者施設の職員の給料
ここでの福祉・介護職員とは、ホームヘルパー、生活支援員、世話人、職業指導員、就労支援員などで、サービス管理責任者や看護職、理学療法士・作業療法士といった専門職は含まれていません。
なお、高齢者介護施設の職員を対象にした調査では、介護職員の令和4年9月の平均給与額は31万7,540円(※2)です。
障害者施設で働く福祉・介護職員の給与額と高齢者介護施設の介護職の給与額は、ほぼ同程度であるといえるでしょう。
まとめ:障害福祉サービスの種類を把握して、自分に合った就職・転職先を見つけよう
サービス・施設の種類によって、仕事内容や利用者との関わり方、職員の職種が変わってきます。
障害者施設での仕事に興味がある人は、障害福祉サービス・施設の種類をしっかり把握したうえで、自分がどのような形で障害のある人を支援したいのか、どんな施設で働きたいのかを明確にしておきましょう。
また、日頃から障害者福祉に興味を持ち、新しい知識や情報を身につける努力をすることも大切です。
ささえるラボ編集部です。
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