我が国の「障害者権利条約」の批准(2014年(平成26年))に向けて行われた、障害者基本法の改正(2011年(平成23年))で新たに法律上に規定されたものとして、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者権利条約」とは、国際連合の「障害者の権利に関する条約」のことである。
1.自立支援医療(精神通院医療)の開始
2.共同生活援助(グループホーム)の制度化
3.成年後見制度の創設
4.社会的障壁の除去
5.東京2020パラリンピック競技大会の開催
1.(×)自立支援医療(精神通院医療)は、かつては障害の種類に応じて身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法などに規定されていましたが、2006年(平成18年)施行の障害者自立支援法により一元化されました。
2.(×)共同生活援助(グループホーム)は、障害者自立支援法の成立により2006年(平成18年)に制度化されました。
3.(×)成年後見制度は、民法改正に伴い1999年(平成11年)に創設されました。
4.(○)2011年(平成23年)の障害者基本法改正で新たに法律上に規定されたのは、社会的障壁の除去です。
5.(×)パラリンピックは共生社会の実現の促進をめざして開催されていますが、障害者基本法の改正で規定されたものではありません。
Eさん(75歳、女性、要介護2)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。最近、Eさんの認知症(dementia)が進行して、家での介護が困難になり、介護老人福祉施設の申込みをすることにした。家族が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、まだ要介護認定の有効期間が残っていたが、要介護状態区分の変更の申請ができることがわかった。
家族が区分変更するときの申請先として、正しいものを1つ選びなさい。
1.介護保険の保険者
2.後期高齢者医療広域連合
3.介護保険審査会
4.国民健康保険団体連合会
5.運営適正化委員会
1.(○)要介護状態区分を変更する際の申請先は、介護保険の保険者である市町村および特別区です。
2.(×)後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療制度の運営主体となる特別地方公共団体です。
3.(×)介護保険審査会は、介護保険給付や要介護(支援)認定などに関する処分に対する不服申立の審理・裁決を行う第三者機関です。
4.(×)国民健康保険団体連合会は、国民健康保険に関わる業務を担う団体です。
5.(×)運営適正化委員会は、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)の適正な運営の確保や、福祉サービスに関する苦情を適切に解決する第三者機関です。
次のうち、「障害者総合支援法」の介護給付を利用するときに、利用者が最初に市町村に行う手続きとして、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1.支給申請
2.認定調査
3.審査会の開催
4.障害支援区分の認定
5.サービス等利用計画の作成
1.(○)介護給付を利用する際は、まずは居住地の市町村窓口に相談し、支給申請を行います。
2.(×)申請後、認定調査員による訪問調査を受け、障害支援区分認定調査が行われます。
3.(×)認定調査後、コンピューターによる1次判定が行われ、その後に市町村審査会が2次判定を行います。
4.(×)2次判定(市町村審査会の判定)後、障害支援区分が認定され、申請者に通知されます。
5.(×)障害福祉サービスの支給が決定された後、特定相談支援事業所がサービス等利用計画を作成します。
「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
1.虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。
2.対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。
3.徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。
4.虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。
5.虐待の認定は、警察署長が行う。
4.虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。
1.(×)虐待が起こる場として、介護保健施設などの養介護施設と、通所介護などを提供する養介護事業が規定されています。
2.(×)施設サービス利用者に限定されることはなく、65歳以上の高齢者や、65歳未満であっても養介護事業の利用者であれば対象となります。
3.(×)徘徊させないことを目的として車いすに固定することは、身体拘束(身体的虐待)に当たります。
4.(○)高齢者虐待防止法第21条に規定されている内容です。養介護施設従事者には、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、市町村への通報義務があります。
5.(×)虐待の認定を行うのは市町村です。立ち入り調査などが必要であると判断された場合は、市町村長から警察署長に援助要請を行います。
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