第35回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)
■問題1
Eさん(87歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所していて、認知症(dementia)がある。ある日、担当のF介護福祉職がEさんの居室を訪問すると、Eさんは、イライラした様子で、「私の財布が盗まれた」と言ってベッドの周りをうろうろしていた。一緒に探すと、タンスの引き出しの奥から財布が見つかった。
F介護福祉職は、Eさんのケアカンファレンス(care conference)に出席して、この出来事について情報共有することにした。
Eさんの状況に関する報告として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「Eさんの認知機能が低下しました」
2.「Eさんは、誰かに怒っていました」
3.「Eさんには、もの盗られ妄想があります」
4.「Eさんは、財布が見つかって、安心していると思います」
5.「Eさんは、財布が盗まれたと言って、ベッドの周りをうろうろしていました」
■解答
5.「Eさんは、財布が盗まれたと言って、ベッドの周りをうろうろしていました」
■解説
1.(×)認知機能の低下を判断するのは、医師の役割です。
2.(×)イライラした様子ではありましたが、誰かに怒っていたかどうかは不明です。
3.(×)Eさんの状態は認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つである「もの盗られ妄想」に該当すると考えられますが、介護福祉職が断定することはできません。
4.(×)「安心している」と思ったのは介護福祉職であり、主観に基づく報告となっています。
5.(○)客観的事実に基づき、Eさんのありのままの様子を伝えていることから、最も適切な報告だといえます。
ささえるラボ編集部です。
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