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介護職の資格手当はどのくらいが相場?社労士が解説します!

介護職の資格手当はどのくらいが相場?社労士が解説します!

処遇改善以外にも、介護職の給与を増やすうえで、重要になる資格手当。これらの相場はどのくらいなのでしょうか?しかし、手当が高いからという理由だけで、よい職場と判断するのも危険です。法人から支給される給与がどのように決められているのかを理解することで、自分に合う職場が見つかる視点になるでしょう。【執筆者:社労士/山本 武尊】


本日のお悩み

介護職の資格手当はどのくらいもらえるのが普通ですか?
私の勤務先は介護福祉士は5,000円、初任者研修をお持ちの方は1,000円だそうです。
知り合いは介護福祉士ですが20,000円とのこと。施設形態や法人によって違いはあるとは思いますがどのように決められているのでしょうか。

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執筆者/専門家

山本 武尊

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/23

おかげさま社労士事務所 代表 元地域包括支援センター センター長 社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級 ▶プロフィール 大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。 介護業界に関わる人の優しさに触れると共に、低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため社会保険労務士の資格を取得し、2021年に開業。 地域包括支援センターでセンター長として長年勤務した経験を活かして、介護現場の最前線で活躍する事業所と人をサポートしている。 また、介護関連の執筆・監修者としての活動や介護事業書向けの採用・定着・育成・組織マネジメントなど、介護経営コンサルタントとしても幅広く活動中。

ご質問ありがとうございます。

介護職の皆さんにとって月々支給される給与は、働く上で重要な要素かもしれませんね。
その中でも資格手当は働くモチベーションの具体的な指標ひとつといえるでしょう。

今回は質問にお答えしながらも、一般的な手当の話を通じてどのように給与が決められているのかについても解説できればと思います。

資格手当と相場に関して

一般的な資格手当の相場は下記と言われております。

研修・資格 手当の相場
介護職員初任者研修 0円~5,000円
介護福祉士実務者研修 5,000円~10,000円
介護福祉士 10,000円~20,000円
ケアマネジャー 10,000円~20,000円

資格手当に関して、確かに相場があるのは事実ですが質問者さんのおっしゃる通り、法人規模や考え方によって支給金額は異なります。これは資格手当に限らず、手当全般に言えることです。
給与や手当は法人が決める以上、金額に相違があるのはむしろ自然なことかもしれません。

ただここでお伝えしたいことは資格手当に限らず、法人で支給される給与に関して、
・どのように決められているのか?
・どのように昇給していくのか?
・この資格で何年くらい働けば、いくらの給料になるのか?など
これらが分かると資格手当の金額の多い少ないに関わらず、安心して働けるのではということです。

逆に資格手当が高いにもかかわらず、何年働いても給与が上がらない法人もありますし、賞与支給の有無も法人によって異なります。
年収ベースで考えた時に入社1年目、5年目、10年目の状況をイメージできれば、どのような法人が自分に合うのかがわかるのではないでしょうか。

一般的な手当とは?

手当とは基本給に上乗せする給与になります。
一般的には、基本給とは異なり、賞与や退職金の計算の基礎にならないことが多いです。

賞与を支給する法人では基本給が低くなる傾向にあります。そのため手当を乗せる賃金体系の法人が多いです。特に資格手当が支給されていなくても、処遇改善加算が資格手当を兼ねている場合も少なくありません。そのため、「資格手当が少ないから、資格手当が多い法人への転職を検討する」のは慎重になった方がよいかもしれません。

下記に一般的な手当の例をご紹介します。
※詳細は法人で定められている就業規則(賃金規程)をご確認ください。

手当 概要
通勤手当 いわゆる交通費で実費精算的なもの
住宅手当 一律に支給する場合、所有・賃貸・会社借り上げなど会社の規程に当てはまる人が対象
家族手当 家族の扶養対象者へ向けての手当
時間外・休日手当 労働基準法で定められている割増賃金
役職手当 管理職に支給される
資格手当 資格の取得に状況によって支給される
処遇改善加算手当 処遇改善加算の原資を活用した場合に支給される
職能手当 能力評価を行い支給される

給与体系とは?どんな体系が多い?

給与体系とは、給与の構成がどのようになっているのか?を示す言葉です。

これまでお話をしてきたように、給与体系は基本給をベースに手当を上乗せする給与体系の会社が多いです。その中で、

・年齢や勤続年数に応じて昇給する仕組みをとる法人
・能力評価に応じた成果給を導入する法人
・職務や役割に応じて昇給する仕組みをとる法人 などさまざまです。

一番自分が長く安心して働ける職場の給与体系を選択されることをお勧めいたします。

まとめ/短期的な支給額ではなく、長期的な視点で職場を見ましょう!

今回は資格手当を通じて、一般的に法人にはどのような手当があり、どのような給与体系になっているのかを解説しました。

冒頭でも述べましたが、給与は職員が働く上でモチベーションとなる要素が高く、そして法人と職員の信頼の証とも言えるでしょう。資格手当においても、自分が努力して手にした資格を金銭で評価したものが資格手当となるため、金額が気になってしまうことがあるかもしれません。

ただし、資格手当も手当のひとつにすぎません。
金銭的な欲求は、仮に満たされたとしても、きっと次の欲求が生まれるだけなのです。
そのため、他の手当や福利厚生も含め、数年先を見据えた給与設計を考えてみましょう。

毎月支給される給与額のみに焦点をあてる短期的な視点ではなく、福利厚生費など目に見えない利益や賞与を含めた年収の金額、また退職職金など長期的な視点で、今働く職場を見てみるのはいかがでしょうか。
繰り返しになりますが、手当や給与も大事な要素であることは間違いありません。
ただし、「なんだか雰囲気がよい」「融通が利く」「しっかり私のことを認めて評価してくれている」などの「働きやすさ」や「働きがい」という視点で、給与を見てみるのも面白いです。

広く違った視点で法人を見てみると、不安や不満が解消され、モチベーションに変わることもあるのかもしれませんね。

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