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【施設の選び方】施設形態・介護サービス形態ごとの働き方の違いは?

【施設の選び方】施設形態・介護サービス形態ごとの働き方の違いは?

転職のために介護の求人を見ていると、給料や勤務時間の他に施設形態も異なっていることに気づくと思います。本記事では施設形態別の特徴と、働く上でのメリットとデメリットを解説します。 【執筆者:ささえるラボ編集部】


施設形態毎のメリットとデメリットを比較しよう

求人情報からは介護施設に関する情報を数多く得ることができますが、実際に働き出してから想像と違った、こんなはずではなかったという状態にならないために知っておくべき情報が読み取れないこともあります。

求人情報から読み取れない情報を得るために参考になるのは施設形態です。
そこで今回は施設形態別のメリットとデメリットを比較し、それぞれどのような人におすすめか確認していきます。

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

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施設形態で働き方は異なる

ミスマッチを防ぐためには施設形態のチェックが効果的です。
求人情報からは知ることができない情報も、施設形態から判断できる場合もあります。

具体的には、夜勤や遅出の有無や残業が発生しやすいような環境かどうかを知ることも可能です。
夜勤などがある場合は手当がでるため、給料も多くなる可能性が高いです。

施設形態のみではなく、法人によっても異なる部分が多いため、ミスマッチの防止には施設形態から働き方を予測するのみではなく、法人ごとの特徴や取り組みも調べる必要がありますが、参考にはなるかと思います。

各施設のメリットとデメリット

各施設にはそれぞれ特徴があります。
以下に具体的な施設別のメリットとデメリットを紹介しましょう。

1.特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、介護度の高さを示す介護度は、要介護1~5・要支援1~2と7段階あります。特養は原則として要介護3~5の方が入所できる施設であり、介護の必要性が高い方が利用する施設です。

施設の運営スタイルは大きく分けると2種類あります。
ひとつは「従来型」と呼ばれ、1フロア50人程度の入所者と同時に関わるタイプの施設。
もうひとつは、一度に関わる人数を原則9人以下までとし、より深い信頼関係を築きやすい「ユニット型」です。

メリット

特別養護老人ホームの主なメリットは「ケアプランや委員会活動など学べる点が多い」「公益性の高い法人が運営している」「介護職員が多く配置されている施設のため、ノウハウが蓄積されている」の3つが挙げられます。

ケアプランや委員会活動など学べることが多い

特別養護老人ホームではさまざまなことを学ぶことができます。
まず1つめはケアプランに関連した知識です。

特別養護老人ホームにもケアマネージャーがおり、入所者が多い従来型の場合は1人で最大100人の入所者を受け持つこともあります。
ケアプランの更新は3ヵ月に1回行う必要がありますので、全てを1人のケアマネージャーが行なっていると、物理的に他の業務まで手が回らなくなることもあるでしょう。そのような理由から、3ヵ月に1回の更新は担当者が行うところも珍しくありません。その更新の過程で、ケアプランの作り方はもちろん、アセスメントやモニタリングの手法も学ぶことができます。

また、特別養護老人ホームには委員会の設置義務がありますので、委員会に所属して活動を行うことになります。事故対策や拘束防止などの知識が身につき、スキルアップにもつながるでしょう。

さらに、介護福祉士を一定割合以上配置した場合の加算が複数用意されているため、多くの特別養護老人ホームには介護福祉士がいます。専門知識を持った介護福祉士と働くことができるため、日常的に高い技術や知識に触れることが可能です。

また介護福祉士の数に加えて、入所者3人につき1人以上の介護・看護職員を配置する必要もあります。
例えば50床ある施設であれば、最低17人以上の職員が必要であり、そのうち9人以上は介護福祉士の資格保有者でなければいけないということです。従業員の数が増えると、それだけ高い知識や技術を持った職員も集まりやすくなり、それだけあなた自身の成長の機会にも恵まれます。

加えて、社会福祉法人など公益性の高い法人が運営していることも、特徴となります。
公益性の高さから不景気などの影響を受けず、働く環境としては安定していると言えるでしょう。

デメリット

特別養護老人ホームは学べることが数多くある一方、学ぶ機会が多いからこそ生じるデメリットもあります。具体的には以下の2つです。

業務量が多くなる可能性がある

特別養護老人ホームには、前述したようにケアプランの作成や委員会活動などが業務として入り込むことがあります。業務中にこれらを行う時間が設定されていれば良いのですが、オムツ交換や食事介助のような仕事に追われて、時間が取れないことも珍しくはありません。このような場合は夜勤のスキマ時間や休憩時間を削って対応、あるいは残業して仕事を処理することになります。

夜勤があり、土日祝日も勤務になる

特別養護老人ホームには365日24時間入所者がいるため、夜間や休日も働く人が必要になります。「決まった曜日に休みが欲しい」「勤務時間を固定したい」という人には少しつらいかもしれません。

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2.介護老人保健施設

介護老人保健施設は、病院と自宅の間の中間施設と位置づけることができます。
「リハビリを受けてから、自宅に帰ることを目指しているという方」が多く入所しています。

3ヵ月ごとにケアプランの見直しを行い、早ければ3ヵ月で別の施設に移るか、自宅に帰ることになります。

メリット

介護老人保健施設は病院と自宅の中間施設であるという位置づけから、人員配置等が他の施設とは大きく異なります。それにより得られるメリットも数多くあります。

24時間医師や看護師が常駐しているため緊急時の対応も安心

病院で治療を続ける必要がないといっても、自宅に帰れる状況ではないため、継続的に何らかの治療を必要とする人も少なくありません。そのため介護老人保健施設には24時間看護師はもちろん、医師も常駐しています。たとえ夜中でも緊急時はすぐに医師が対応してくれるため安心できます。

専門的なリハビリの知識や技術を学べる

介護老人保健施設の目的は、自宅に帰れない人のリハビリを行い、自宅に帰れるよう支援することです。そのため作業療法士や理学療法士など、リハビリの専門職も数多く在籍しています。

リハビリ職から専門的な知識を得る機会や、リハビリの視点を取り入れたレクリエーション方法などを学ぶことができます。

ケアプラン作成や委員会活動についても学ぶ機会が多い

ケアマネージャーの作業を補助しながら、ケアプラン作成のプロセスや考え方を学ぶ機会が多いので、将来ケアマネージャーの資格を取得したいと思っている人には大きな糧となるでしょう。また介護老人保健施設には委員会の設置が義務付けられています。委員会活動の中では事故防止や身体拘束に関する知識など数多くのことを学ぶことができ、それらの知識は実務で活かせるものばかりです。

デメリット

介護老人保健施設は学べることが多い一方、求められるものも多くなります。それに伴い介護老人保健施設で働く場合、次のようなデメリットが生じることもあるでしょう。

業務量が多い可能性がある

介護老人保健施設で働く場合、ケアプランを現場の介護スタッフが作成したり、委員会活動を任されたりすることは珍しいことではありません。しかし、勤務時間中は入所者の直接ケアに時間を割かれてしまうことが多くなります。そのためケアプランの作成や委員会活動は、休憩を削ることや時間外で行うことになり、総合的に業務量が多いと感じるかもしれません。

夜勤があり、土日祝日も勤務になる

介護老人保健施設には365日、24時間入所者がいます。そのため夜勤に入る必要があり、土日や祝日にも出勤しなければいけないということになります。昼間だけで働きたい場合や決まった曜日に休みが欲しい人にとっては、大きなデメリットになるでしょう。

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3.デイサービス

デイサービスは、介護サービスの提供事業所に利用者が通うスタイルの介護事業所です。利用者は自宅で夜間を過ごし、昼間のみ事業所で過ごすことになります。デイサービスの目的は、本人のリハビリや家族の介護負担の軽減、家族が働いている間の不安軽減などがあげられます。

メリット

夜勤はもちろん、遅出や早出もないところもある

デイサービスは原則昼間の決まった時間だけ介護サービスを提供する事業所です。そのため夜勤がありません。また施設によっては早出や遅出がないところもあります。毎日就寝時間や起床時間を固定して、規則正しいリズムで生活したいという人には働きやすい環境といえるでしょう。

日曜日に休みを取れる

多くのデイサービスでは日曜日は休みです。事業所によっては土曜日や祝日も休みのところがあります。そのため小さな子どもがいる家庭であっても子どもの休みに合わせながら働くことができるでしょう。

デメリット

残業が発生しにくい

デイサービスでは終業時間前には利用者は自宅に帰ります。余った時間で日中利用者の対応で処理できなかった仕事を片付けることができるため、残業が発生しにくい環境であるといえるでしょう。

レクリエーションに関する知識を学べる

デイサービスは他者との交流や活気ある生活を送るため、またリハビリを目的として利用する人も少なくありません。レクリエーションはこれらのニーズを全て満たすことができるため、デイサービスではほぼ毎日行われています。そのため長年デイサービスで働いている職員の中には、専門的で幅広いレパートリーのレクリエーションを知っている人も少なくありません。そのように実践をしながらレクリエーションに関する知識をより深めることができるでしょう。

車の運転がある

デイサービスでは利用者を自宅まで送迎しますが、その時に使用する車の運転は介護職員が行うことがほとんどです。それもたくさんの利用者が乗れるような大型の車であるため、車の運転に慣れていない場合は送迎が大きなストレスになる可能性もあります。

夜勤がある施設と比べると給料は少なめ

デイサービスは勤務時間を昼間に固定して働くことができます。そのため夜勤がある施設と給料を比べた場合は低くなります。

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4.訪問介護

訪問介護は、利用者宅を訪ねて行う介護です。1対1で介護を行うことになるため、他の施設とは違ったメリットやデメリットが存在します。

メリット

1対1で利用者と関わることができる

訪問介護は介助者1人と利用者1人の1対1で介助を行います。そのため大型施設のように、同時に複数の利用者に呼ばれて対応に苦慮することはありません。

1人の時間が多いため人間関係で悩むことが少ない

訪問介護は利用者宅を1人で回るため、同僚との付き合いがほとんどありません。同僚との付き合い方で悩んで、ストレスが溜まるようなことはほとんどないでしょう。

大型施設と比べると介護による身体的負担は少ない

訪問介護は原則自宅で過ごすことができる方が対象者になります。そのため、身の回りのことをある程度自分でできる利用者も少なくありません。入浴介助のように多少体力が必要な介助もありますが、料理を作り、食事介助をするだけ、ということもあります。入浴介助も体力は必要といっても、多少体を動かすことができる利用者が多いことに加えて、1日に関わる利用者の数も4〜6人程度と決して多くはないため、身体的な負担は少なくなります。

デメリット

時間制限があるため、要望が多い利用者に当たると苦労する

訪問介護は1対1で行う介護ですが、1人当たりの介護サービス提供時間は細かく決められています。そのため時間内で1人の介助を終わらせることができなければ、その分次の利用者を待たせてしまうことになります。しかし、寂しいからと話し相手になってもらおうとしたり、訪問介護では提供できないようなサービスを要求したりされることもあります。その対応で時間を取られることもあるでしょう。

雨や暑い日は移動が大変

訪問介護は利用者宅を直接訪ねて介護を行いますが、移動には自転車やバイクを使うことがよくあります。そのため雨や真夏の暑い日には移動も大変に感じるかもしれません。

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5.住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅

介護の求人の中で前述した求人と並んで特に多いものが住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅です。これらの2つの施設形態は制度上別物になりますが、どちらもデイサービスの併設施設として作られていることも多く、同じような働き方になるケースも少なくないでしょう。

メリット

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅、どちらもデイサービスの併設施設として作られ、デイサービスのサービス提供時間外で利用するケースが多くあります。このような形で運営されている場合、制度上の縛りを気にすることなく運営できることも多いため、そこから生じるメリットも複数あります。

夜勤専従の求人も多く、高い給料が見込める

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者は、夜中は施設内で暮らし、昼間はデイサービスで過ごすケースが少なくありません。このような住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で働く場合、夜勤専属で働くことも多いでしょう。勤務時間を夜中に固定できるため、生活リズムを作りやすいうえ、毎回夜勤手当を受け取ることができます。

残業が発生しにくい

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は居宅サービスとなります。居宅サービスのケアプランを作る際には介護保険点数の細かい管理が必要となり、計算にはケアマネージャーの専門的な知識が必要になることも少なくありません。資格を持たない人が居宅サービスのケアプランを作ることは簡単ではないため、ケアプランの更新のような業務を現場スタッフが行うことはほとんどありません。また特別養護老人ホームや介護老人保健施設のように委員会の設置義務もありません。そのため残業や労働時間外の労働が発生しにくい環境であるといえます。

居宅サービスのケアプランに関する知識を学べる

居宅サービスのケアプランは、利用するサービスごとに介護保険点数の計算を行う必要があります。住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅で働いていると、実際にケアプランを見ることができるだけでなく、介護度に合わせてどのような居宅サービスが提供されているか数多くのケースと直接関わり学ぶことができます。将来ケアマネージャーを目指している場合、実務に役立つ知識をたくさん学ぶことができるでしょう。

比較的身体介護は少ない人が多く体力的には負担が少ない

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者は、介護度が低い人が多いという特徴があります。そのため介助時の身体的な負担が少なく、体力に自信がない人でも働きやすい環境といえるでしょう。

デメリット

介護報酬を得る目的ではない場合、住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅の運営に関して大きな制約はほとんどありません。制約が緩いことにより働きやすくなることもあれば、逆に働く上でのデメリットになることもあります。

夜間1人でたくさんの利用者を対応することもある

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では介護報酬を取る目的ではない場合、夜勤の人数体制に対する細かい規定がありません。そのため稀ではありますが、30人を超えるようなたくさんの入居者の対応を1人で行わなければならないこともあります。

有資格者がおらず、基本に則った技術が身に付きにくいこともある

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には、介護に関する有資格者を配置する義務がありません。そのためごく稀ではありますが有資格者がほとんどいない施設もあります。このような施設では、基本に則った技術を十分に学べないこともあるでしょう。

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その他の施設形態

グループホーム

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症高齢者の受け入れに特化した地域密着型の介護福祉施設です。対象は認知症と診断され、要支援2または要介護1~5の認定を受けた高齢者で、1ユニット5~9人の少人数で互いに助け合いながら共同生活を営みます。

入居者の居室は基本的に個室で、1ユニットごとに居間、食堂、台所、浴室、洗面所、トイレなどが設けられています。1施設に入ることができるのは2ユニットまでとなっています。認知症高齢者の介護施設への入所を検討する際に、最初に候補に挙がることが多い施設です。

入居者は、それぞれの能力に応じて料理や掃除などの役割を担い、介護スタッフのサポートの下、家庭に近い環境で共同生活を送りながら認知機能の維持・改善を目指します。スタッフは専門的な認知症アセスメントにより利用者の認知機能の状態を確認し、必要に応じて入浴や食事、排泄などをサポートします。医師や看護師の常駐は必須とはされておらず、原則として医療は提供されません。

働くうえでのポイント

できるだけ家庭に近い環境で、入居者が住み慣れた地域社会に溶け込んで生活することができるよう、認知症に関する正確な知識や介護技術が求められます。

音楽や園芸、美容などの、さまざまな知識や経験を活かすことも可能です。大規模施設に比べて利用者1人ひとりとコミュニケーションの時間を持ちやすいため、じっくりと認知症高齢者に向き合う介護を目指す人には最適な環境だといえます。

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ショートステイ

ショートステイは、数日~数週間程度の短期間、利用者が日常生活上の介助や機能訓練などを受けながら滞在できる介護専門の宿泊サービスです。社会福祉施設、老人保健施設、医療機関などに併設されている併設型と、主に民間企業が運営する単独型という2つのタイプがあります。あくまで短期利用が前提で、連続利用は最長30日までに制限されています(超過した部分は介護保険の適用外)。

ショートステイは、たとえば自宅で介護する家族が体調不良や冠婚葬祭などにより介護が困難になった場合に利用者を受け入れ、介護負担の軽減をもたらします。また、家族が一時的に介護から離れてリフレッシュするレスパイトケアとしても活用されています。

具体的なサービス内容は事業者によって異なりますが、食事や入浴、排泄などの日常生活上の介助、機能訓練、健康チェック、レクリエーション、集団体操、リハビリテーション、口腔ケア、見守りなどを含むことが多いようです。

働くうえでのポイント

ショートステイでは、日常生活の場から離れて施設に宿泊するため、利用者が不安を覚えるケースも見られます。利用者が安心して快適に施設での生活を送るためには、それを支えるスタッフの介護に関する確かな知識や技術が基盤になるでしょう。

また、利用者の表情やちょっとしたやりとりの中から、本当の要望や気持ちをくみ取れるような細やかな心遣いが望まれます。

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小規模多機能施設

小規模多機能施設は、通所(デイサービス)、宿泊(ショートステイ)、訪問(訪問介護などのホームヘルプサービス)の3つを複合的に提供する地域密着型サービスです。

入院や入所をせず、できるだけ住み慣れた自宅で自立した生活を送ることができるよう、利用者の状態に応じて柔軟にサービスを組み換えることが可能です。大規模施設では実現が難しい家庭的な雰囲気で、顔なじみのスタッフにより、日常生活上の介助や機能訓練などを受けることができます。

1事業所当たりの登録人数は29人以下で、1日当たりショートステイは9人まで、デイサービスは15人程度までが定員となっています。地域密着型サービスであるため、小規模多機能施設を利用できるのは原則として当該市区町村の住民に限られており、施設が存在しない市区町村では利用できません(市区町村同士の協議により、エリアを超えて利用できる場合もあります)。

働くうえでのポイント

施設内だけではなく、利用者の居宅を訪問してサービスを提供することもあるため、臨機応変な対応やフットワークの軽さが必要です。利用者やその家族とコミュニケーションを積み重ね、信頼関係を築いていく姿勢も求められます。

キャリアの観点からは、1つの職場でデイサービス、ショートステイ、ホームヘルプサービスという3種類の仕事に従事できるため、それだけ経験を積めるメリットがあります。

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訪問入浴

訪問入浴は、浴槽を積んだ入浴車で利用者の居宅を訪問し、ケアプランに沿った入浴のサポートを提供する介護サービスです。ここでいう「居宅」には有料老人ホームなどの居室も含まれます。利用者が住み慣れた場所で、できる限りその人らしい生活が送れるよう手助けします。

訪問入浴事業は、社会福祉法人、医療法人、NPO(特定非営利活動法人)、民間企業などによって運営されています。訪問スタッフは3人(看護職員1人+介護職員2人)程度で、入浴前のバイタルサインの確認から入浴準備、衣服着脱介助、浴槽・ベッド間の移動、洗髪、洗身、洗顔、入浴後のバイタルサインや全身状態のチェックまで行います。

組み立て式の特殊浴槽を自宅などの室内に設置するため、寝たきりや身体障害などで自宅の浴槽では入浴が困難な人でも安全・安楽なリラックスタイムを楽しめます。スタッフはサービス提供前に利用者のもとを訪問し、主治医の許可や健康状態、居宅環境などを確認します。

働くうえでのポイント

介護の資格がなくても従事可能ですが、他人に裸体を見られたり触れられたりすることに抵抗を感じる利用者もいるため、きめ細やかな気配りができる人が向いています。また、浴槽や利用者を移動させるので、ある程度の体力が必要です。ですが、利用者の清潔を保つだけではなく、血行が促進された結果、免疫力が高まることによる感染症予防、褥瘡(床ずれ)や便秘の予防・改善、リラックス効果による睡眠の質向上など、利用者の健康を支えるやりがいがあります。

給与については、月給制の他、一部歩合制を採用する事業所もあります。事前にしっかりと確認しておきましょう。

自分がどのような点を重視したいかも大切

【施設の選び方】施設形態・介護サービス形態ごとの働き方の違いは?

数多くの施設のメリットとデメリットを見てきました。人によってはメリットになることが、別の人にとってはデメリットになることもあります。そのため施設を選ぶときは、自分が何を重視するのかを考えることが大切です。重要とする項目を給料、休日、スキルアップなど、具体的に順列や点数をつけてみましょう。それぞれの施設を重要項目の総合点で、どの施設形態であればもっともメリットを享受できるのか、考えて選ぶようにしましょう。

まとめ

介護施設にはさまざまな形態があり、それぞれ働き方や求められるスキルも変わります。給料だけではなくスキルアップや休日、残業のことなど、あらゆることを総合的に考え、どの施設形態であればメリットをもっとも感じることができるか考えるようにしましょう。自分にピッタリの施設形態がわかったら、検索機能を使って、自宅周囲にどのような求人があるか調べてみてください。

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マンガでまとめ♪

【施設の選び方】施設形態・介護サービス形態ごとの働き方の違いは?

【施設の選び方】施設形態・介護サービス形態ごとの働き方の違いは?

マンガ監修:望月太敦(公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長)

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