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【例文あり】介護職の志望動機の書き方 採用担当者を納得させるポイントとは

【例文あり】介護職の志望動機の書き方 採用担当者を納得させるポイントとは

志望動機では、応募先の事業所で働きたい理由とともに、自分がその事業所で活躍できることを伝える必要があります。志望動機を書く際におさえたいポイント、ケース別の例文、注意点を紹介します。【コラム:伊藤 浩一】


目次

【例文あり】介護職の志望動機の書き方 採用担当者を納得させるポイントとは

志望動機とは自分が応募する事業所で働きたい理由のことです。応募する事業所についてきちんと下調べをしたうえで、自己PRで伝える自分の強みを活かせる場所は、この事業所であると考えて志望したことを説明します。

採用担当者は毎日たくさんの応募書類を読んでいるため、ありきたりな内容だと目に止まらない可能性もあります。ポイントをおさえた志望動機で、採用担当者に本気度を伝えましょう。

この記事の後半には、介護の専門家で、これまで職員の採用も担当してきた伊藤浩一さん(茨城県介護福祉士会副会長、いばらき中央福祉専門学校学校長代行)からのアドバイスも紹介しています。
あわせてチェックし、希望の職場に入職しましょう。

志望動機とは?自己PRとの違い

じつは志望動機と自己PRの違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。両者の違いを理解しておくと、それぞれで伝えるべき内容が明確になります。

志望動機とは

応募する事業所で働きたい理由です。なぜその事業所で介護職として働きたいのか、なぜ他の事業所ではだめなのかを伝えるものです。介護職自体が未経験の場合は、介護職を志した理由もあわせて伝えましょう。

志望動機は、その事業所のことをよく研究して理解していなければ書くことができません。事業所のことを理解する方法として、実際に見学や働いている人の話が聞ければよいのですが、それができない場合は、Webサイトや事業所案内などから情報を収集します。

採用担当者は志望動機を読み、応募者がどのくらい事業所のことを知っているのか、応募がどれほど本気なのかを読み取りたいと考えています。そのことを意識してまとめていきましょう。

自己PRとは

自分のことを分析して自分の強みをアピールするためのものです。「これまでに積んできた経験やスキル、仕事をするうえでのこだわりや大切にしていること」と「どのような現場で有用なスキルを身につけているか」などを具体的に述べます。また志望動機にもつながりますが、「それが応募先の事業所でどう役立つか」を伝えて働く意欲や活かせる力をアピールするのが基本です。

志望動機のポイント

印象に残る志望動機を書くには、いくつかおさえたいポイントがあります。次の3点を心がけましょう。

1.応募する事業所についてよく調べ、特徴や理念に合う内容にする

志望動機は、主にその事業所に魅力を感じた理由を伝えるものです。志望動機を作る前に、まずは応募する事業所についてきちんと下調べをする必要があります。

下調べが不十分なまま志望動機を書くと、その事業所に合わない内容、あるいは説得力に欠ける内容になりがちです。事業所の特徴や業務内容、経営者の理念をしっかり理解したうえで、その事業所だからこそ働きたいという思いを伝えれば、採用担当者も真剣に検討してくれるはずです。

Webサイトなどでもある程度の情報は得られますが、できれば希望する事業所を見学しておくと、職場環境や職員の様子などを具体的に感じることができます。マイナビ福祉・介護のシゴトでは、サイトから見学予約ができますので、利用してみましょう。

2.自分の経験やスキルがどう役立つかを伝える

採用担当者は、応募者が入職後、どのような介護職として活躍してくれるかを見極めたいと考えています。採用されやすい志望動機にするためには、ただ「こんな仕事をしたい」「この事業所で働きたい」という自分の希望ややる気だけでなく、自分が応募先の事業所に貢献できる存在であることを伝える必要があります。応募先の業務内容や求められている人材に対して、自分の経験やスキルがどのように活かせると考えているのか、さらにスキルアップを図りながら今後どのように働きたいかを具体的に盛り込むようにしましょう。

3.キャリアビジョンを盛り込む

さらに、将来の目標やキャリアビジョンを盛り込むと、採用担当者にとっては有用な判断材料となります。明確な目的意識を持った人は成長が見込めますし、そこから人物像や事業所との相性、長く働いてくれる人材かどうかといった情報も読み取れるからです。遠い先の漠然としたイメージや夢ではなく、現実的な数年後のキャリアアップのプランを書くようにしましょう。

ケース別・志望動機の例文

志望動機の書き方に決まりはありませんが
①結論(応募先の事業所を志望する理由)
②エピソード(志望動機の根拠となる経験)
③入職後のビジョン(応募先の事業所でどんな活躍をしたいか)
という構成にすると、わかりやすい文面になります。

ここからは、施設のサービス形態や職種などのケース別に、志望動機の例文を紹介します。

【例文1】特別養護老人ホーム(特養)の介護職に応募する場合

例:特養の介護職に応募する場合

貴事業所は、「ご利用者がその人らしい生活を送れるようサポートする」という理念に基づき、個別ケア(利用者一人ひとりの個性やニーズに合わせたケア)に率先して取り組んでおられます。そうした理念と姿勢に共感し、志望するに至りました。
これまで3年間勤務してきた特別養護老人ホームでは、どちらかというと効率を重視する従来型の集団ケアのスタイルで、一人ひとりのペースに合わせにくい点やご利用者との距離が縮まりにくい点を残念に感じていました。その経験から、少人数のユニットごとにスタッフが固定される個別ケアの施設で働きたいと考えるようになりました。
貴事業所では、これまで以上にご利用者やご家族の声に耳を傾け、ご利用者に寄り添った細やかなケアをしていきたいと思っています。

「ご利用者一人ひとりに寄り添ったケアをしたい」という理由で、個別ケアに力を入れている特別養護老人ホーム(特養)への転職を希望する例文です。この施設だから応募するのだ、という思いをしっかり伝えながら、エピソードを通して介護職としての仕事への意識の高さもアピールしています。

【例文2】有料老人ホームの介護職に応募する場合

例:有料老人ホームの介護職に応募する場合

貴事業所ではドッグセラピーやロックのコンサート、マグロの解体ショーといったご利用者の視点からユニークなレクリエーションを多数企画されていて、以前から興味をもっていました。施設見学の際に、レクリエーションに参加するご利用者たちの楽しそうな様子を見て、貴事業所で働きたいという思いを強くしました。
現在は通所介護施設(デイサービス)で働いていますが、レクリエーションの企画担当は最もやりがいを感じる業務です。これまでは脳トレや体操などの定番レクリエーションを中心に、ご利用者の安全を第一に考えて、丁寧に実施してきました。
貴事業所では、前職で得た経験とスキルを活かしながら、新しいレクリエーションやイベントの企画にも積極的にチャレンジしていきたいです。ご利用者目線のレクリエーションに定評のある貴事業所だからこそできることや学べることも多いのではないかと期待しています。

応募先の事業所が実施しているレクリエーションの内容を具体的に挙げることで、応募先の事業所についてしっかりリサーチしていて、興味を持っていることが伝わる内容になっています。前職でレクリエーション実施の基本スキルをしっかり身につけてきたというアピールも好印象です。

【例文3】通所介護施設(デイサービス)の介護職に応募する場合

例:デイサービスの介護職に応募する場合

運営規模が大きく、ご利用者の数が多い貴事業所で、介護職としてさまざまな経験を積みたいと思い、応募いたしました。Webサイトや事業所案内の動画を拝見し、スタッフへの教育や研修が充実している点にも魅力を感じています。
現在は地域密着型の小規模デイサービスに勤務しています。アットホームでご利用者や先輩職員との距離が近いのが小規模デイサービスの魅力ですが、勤続3年目になり、自分がさらに成長できる環境に身を置きたいと思うようになりました。
貴事業所であれば、新しい環境で視野を広げ、専門スキルを学びながら、より幅広い要介護度・要支援度のご利用者と接して成長していけると考えています。将来的には、新人をしっかり育成できるスキルも身につけたいです。

この例文では、「より成長できる環境に身を置きたい」「研修制度を活かして学びたい」という理由で小規模デイサービスから大規模デイサービスへの転職を希望しています。意欲と向上心が伝わる志望動機といえるでしょう。「新人を育成できる人材になる」というキャリアビジョンもあわせて伝えているため、採用担当者に「長く勤務してくれそう」という期待を抱かせる効果もありそうです。

【例文4】訪問介護事業所のホームヘルパーに応募する場合

例:訪問介護事業所のホームヘルパーに応募する場合

近年、地域で高齢者を支える仕組みづくりが進むなか、ホームヘルパーとしてその一役を担いたいと思い、応募いたしました。複数の介護サービスに加え、地域の高齢者の交流施設の運営などの地域支援活動にも力を入れる貴事業所の事業内容にも魅力を感じています。
私は10年以上、特別養護老人ホームを中心に働いてきました。介護業界で働いていると、「できるだけ住み慣れた自宅で暮らしたい」という高齢者のニーズの高まりを肌で感じます。加えて、今後ますます高齢化が進むにつれて訪問介護の重要性が高まると予想されることも、ホームヘルパーへの転職を考えるきっかけになりました。
訪問介護の現場で、長年の介護職としての経験と身体介護のスキルを活かし、よりご利用者の個性やニーズに合わせた柔軟で心のこもったケアをしていきたいです。

社会的な背景にも触れながら、訪問介護サービスの特徴をきっちり踏まえてホームヘルパーになりたい理由を伝える、経験を積んできた介護職として相応しい志望動機です。応募先の事業所の特徴を盛り込んでいる点も、採用担当者の印象に残りそうです。

【例文5】未経験(他業種)から施設の介護職に応募する場合

例:未経験(他業種)から施設の介護職に応募する場合

長く続けられて人と関われる仕事がしたいと思い、介護職を志しました。先月、介護職員初任者研修を修了したばかりです。
貴事業所を志望したのは、同グループの入居型施設に親族が入居していて、面会のために訪問したことがあるからです。そのときに、スタッフさんの細やかな気遣いや手際の良いケアに感銘を受けたのがきっかけで、リサーチするうちに通勤圏内にある貴事業所に興味を持ち、応募を決めました。
介護職は未経験ですが、上司や先輩職員に素直に学び、前職で営業職として培ったコミュニケーション能力を活かして、ご利用者に信頼していただける職員を目指したいと思っています。

未経験者の場合、介護業界そのものを知らないわけですから、応募先の事業所でないとだめと言い切れるほどの強い志望動機はないかもしれません。その事業所に魅力を感じた理由や経緯を素直に伝え、介護職につきたいと思っている理由を中心に述べましょう。前職が他業種でも、介護の現場で活かせる強みがあれば盛り込むとよいでしょう。

【例文6】ブランクありで施設の介護職に応募する場合

例:ブランクありで施設の介護職に応募する場合

以前は有料老人ホームで介護職として勤務していましたが、出産を機に退職し、約7年間、子育てに専念していました。この度、復職することを決意し、子どもを持つ職員向けの制度が充実している貴事業所に応募しました。
ブランクはありますが、その間、2人の子どもの育児と家事を経験したことで、迅速に判断する力や段取りを考えて業務を進めるスキルは向上したと考えています。また、以前よりもご利用者の役に立ちたい、社会に貢献したいという意識が高まっています。
最近は復職に向けて、介護の知識を学び直しています。将来は介護福祉士の資格を取得し、ご利用者のご家族の相談にも乗れるような経験豊富な介護職を目指して、貴事業所でキャリアを重ねていきたいです。

介護職は、他業種に比べるとブランクがあっても仕事復帰しやすい職種だといわれています。長く現場を離れていたからといって謙虚になりすぎず、自分の強みをアピールして復職したい気持ちを真剣に訴えることが大切です。この例文では、ブランクの間に得た経験や意識の変化も盛り込んで志望動機につなげています。

【例文7】介護職から施設ケアマネ(介護支援専門員)に転職する場合

例:介護職から施設ケアマネに転職する場合

「職員全員がプロ意識を持ち、質の高いサービスを提供する」という貴事業所の理念に共感し、ケアマネージャーの職に応募しました。
10年にわたって特別養護老人ホームや有料老人ホームで働き、現場でケアにあたる介護職を天職だと感じてきました。しかし経験を重ねるうち、ご利用者の希望や身体の状態に適した満足度の高い介護サービスを提供するにはケアプランが重要だと実感し、ケアマネージャーを志すようになりました。2カ月前に介護支援専門員の資格を取得しています。
ケアマネージャーの仕事自体は未体験ですが、貴事業所の施設ケアマネとして、職員の皆さんのプロ意識にも学びながら、長年の介護経験や介護福祉士としての専門知識、人生経験を活かして全力で業務にあたりたいです。ご利用者はもちろん、そのご家族の立場にも立って考えられるケアマネージャーを目指しています。

利用者やその家族の希望を聞き、介護職や管理職、医療関係者の意見を調整しながら、介護サービスの計画書であるケアプランを作成するケアマネージャー。応募するには、介護福祉士や看護師などの医療福祉系の国家資格に基づく実務を5年以上、または生活相談員などの相談業務を5年以上経験したうえで、介護支援専門員の試験に合格するという条件を満たす必要があります。

そうした条件に加えて、事務処理能力や総合的な人間力も必要とされる職種です。例文は未経験からチャレンジするケースですが、ケアマネージャーを志す理由を中心に、事業所の理念への共感、介護職としての豊富な経験があることも伝えています。

すでにケアマネージャーとしての経験があって別の事業所に応募する場合は、その事業所で働きたい理由をしっかり述べたうえで、ケアマネージャーとしての経験や強み、将来像を盛り込みましょう。

【例文8】介護職から施設の生活相談員に転職する場合

例:介護職から施設の生活相談員に転職する場合

「信頼の上に成り立つコミュニケーション」をモットーにしている貴事業所で、ご利用者やご家族はもちろん他の職員にも心から信頼してもらえる生活相談員を目指したいと思い、志望しました。
介護職として4年間の経験があり、介護福祉士の資格も持っています。以前に勤めていた有料老人ホームで、生活相談員の職員が、ご利用者やご家族と丁寧に対話し、難しく思える課題を粘り強く解決していく姿に尊敬の念を抱き、生活相談員への転職を考えるようになりました。
介護職としての経験やスキルをもとに、まずは相談業務をきっちりこなせるよう、経験を重ねたいです。将来的には貴事業所の窓口として営業力も養い、運営を支える存在に慣れたらと思います。

生活相談員は、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、通所介護施設(デイサービス)などで、利用者や家族からの相談への対応をはじめ、入退所の手続き、事業所内外の関係者との連絡調整など幅広い業務を行います。原則として社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかの資格が必要ですが、自治体によっては、一定期間以上の介護や相談業務の経験があれば無資格でもなれる場合があります。

未経験から目指す場合は、例文のように、事業所の魅力とともに、生活相談員を目指そうとしたきっかけを伝えるエピソードを盛り込みましょう。経験者の場合は、過去の生活相談員としての仕事ぶりや周囲の評価などが伝わるエピソードを盛り込み、その事業所に転職したい理由を明確に示すことが大切です。

【例文9】介護職からサービス提供責任者に転職する場合

例:介護職からサービス提供責任者に転職する場合

自分の経歴からキャリアアップするにはサービス提供責任者が向いていると思い、最適な転職先を探すなかで、運営方針に最も共感した貴事業所に応募いたしました。特に、定期的に研修やミーティングを設けて職員の働きがい向上やコミュニケーション活性化に取り組んでいる点に魅力を感じています。
私は介護福祉士の資格を持っており、訪問介護事業所のホームヘルパーとして3年、入居型施設の介護職として5年の経験があります。現在勤務している施設では、リーダーとして新人の指導を担当しています。ポジティブな言葉でフィードバックを心がけた結果、どの新人も順調に成長してくれています。
貴事業所では、サービス提供責任者として、ご利用者が自宅で自立して自分らしく生活できるよう、現場のホームヘルパーと連携して全力でサポートしていきたいです。経験の浅い介護職への指導や日常のコミュニケーションには自信がありますので、ホームヘルパーの指導や管理においても力を発揮できると思います。

サービス提供責任者は、主に訪問介護事業所で、利用者とホームヘルパーとの間で連絡・調整を行う仕事。ケアプランをもとに訪問介護サービスのプランを作成し、ホームヘルパーへの指示・指導も行います。介護福祉士実務者研修または介護福祉士の資格を持っていることが仕事につく条件です。

この例文では、ホームヘルパーと施設の介護職としての十分な経験、ホームヘルパーを指導・育成するスキルをアピールし、次のキャリアとしてサービス提供責任者を考えていることを伝えています。未経験ながら、採用担当者に「即戦力として役立ってくれそう」と思わせる現実的で説得力のある志望動機です。

すでにサービス提供責任者としての経験がある場合は、自分の有能さが伝わるエピソードをまじえながら、応募先の事業所に転職したい理由を中心に述べるとよいでしょう。

志望動機の注意点

志望動機を書く際には、書かない方がよいことや表現に気をつけたいこともあります。次のポイントに注意しましょう。

1.前職の悪口を書かない

志望動機でも面接でも、「ブラックな職場環境だったから」「前職の上司の指導時の言い方が高圧的だったから」といった前職を悪く言う退職・転職理由は、たとえ事実であっても控えましょう。採用担当者に、この応募者は、嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうのではないかと思われるからです。選考の場では、前向きにキャリアアップを図りたいから転職したいとアピールする方が印象を良くするのは明らかです。

2.抽象的な内容は、より具体的に

応募先の事業所を志望する理由やそのきっかけとなったエピソードは、できる限り具体的に書くことが重要です。例えば事業所を志望する理由として「ご利用者のニーズを最優先する介護に共感したためです」とだけ書くと、抽象的で印象に残らない可能性があります。

介護の現場では利用者のニーズを最優先にすることは当たり前の考え方で、どこの事業所でもさまざまな工夫をしています。もう一歩踏み込んで、その事業所がどのように利用者のニーズを最優先しているのかを書くと、応募者がその事業所に興味を持っていて真剣に入職を望んでいることが伝わります。事業所がやっている独自の取り組みや対策を研究してみましょう。

3.待遇面のこだわり、通勤しやすさは表現を工夫

例:待遇の良さにこだわった理由の書き方

「給料の高さや休日の多さは、働き続けるうえでモチベーションを高めたり、さらなるスキルアップのために自分へ投資したりすることを可能にしてくれる原資であると考えています。そうした待遇を最大限活用して、介護職員としての力を磨いていきたいと考えています」

上の例のように表現すると、待遇の良さにこだわった理由が介護職としてのスキルアップへの意欲と結びつき、説得力が出ます。

また、現実的には、応募先の事業所が家から近いから応募するという場合もありますが、それだけを理由にするとアピールに欠ける志望動機になります。通勤のしやすさが働き方や働く姿勢にどう影響するのかまで書くようにしましょう。

例:通勤が便利な施設を選んだ理由の書き方

「勤務時間がたとえ早朝、深夜の仕事になったとしても、まずは経験をたくさん積みたいという思いがあるので、最も効率的にコントロールできる通勤時間のかからない施設を選びました」

上の例のように表現すると、通勤のしやすさという条件も、経験を増やすための選択であることが伝わり、意欲を感じてもらえるでしょう。

迷ったら添削してもらうと安心

面接のときも必ず聞かれるのが志望動機です。志望動機を書いたら、自分で読み直してみるのはもちろん、周りの人に添削してもらうと、より一層内容が深まります。これから志望動機を書こうと考えている人は、まずはマイナビ福祉・介護のシゴトから履歴書作成ページ「就業の動機」欄へ記入してみましょう。

「介護職員」の求人を探す

介護の専門家・伊藤さんからのアドバイス

伊藤 浩一

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもみじ館施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員

介護職の方のお悩み

色々な転職サイトなどで、志望動機が重要と書かれているのですが、介護職もそうですか?
正直志望動機と言えるようなものがあるのか…と悩みます。
難しく考えすぎでしょうか。志望動機の考え方のヒントなどあれば、教えてください。

志望とは「自分がこうなりたい、こうしたいと望むこと。」

ご質問ありがとうございます。
確かに悩みますよね。

特に社会の先が全く読めない状況では、世の中全体に不安感が漂い、本当に思考が停止しそうになります。

そこで、一度前提から捉え直してみましょう。

まずは言葉の意味から考えましょう

「志望」とはどんな意味か?
辞書で調べると「自分がこうなりたい、こうしたいと望むこと。」とあります。

次に「動機」とはどんな意味か?
同じく辞書で調べると、「人間がある状況のもとでその行動を決定する意識的・無意識的な原因」
とあります。

つまり、志望動機とは、柔らかく言うと「自分が〇〇な状態になりたいと思ったきっかけ」という風に考えてはいかがでしょうか?

介護職の志望動機のポイント

すると、履歴書の志望動機とは、「履歴書を提出する先で仕事をする状態になりたいと思ったきっかけ」になりますね。となれば、何を考えれば良いかヒントが見えてきませんか?

1. なぜ介護の仕事をしてみようと思ったのか?そのきっかけは?

例:祖父母によく面倒をみてもらったから。祖父母の介護の様子をみて興味をもった。TVで見て自分にあっていると思った。安定した給与を得られると思った、など

2. なぜこの事業所を選んだのか?そのきっかけは?

例:自宅から近い、交通の便がいい、ホームページを見て好感をもった、など

まずはこの2点を抑えてみるところから考えてみてはどうでしょう。

介護職で大切なことは「相手の身になれるか」

仕事によって求める人材は違います。また、その会社の色や雰囲気もあるので、仕事に適した経歴や技術をもっていたとしてもマッチングしないこともあります。
なぜなら、求人側は、その会社において同じ目的を共有できる人材を求めているからです。
仮に、質問者さんがサッカーチームに所属していて、新しいメンバーが入って来た際、その新メンバーが今までのチームの方針を全く無視した行動をとられたら困りますよね。

私は、介護職は「相手の身になれるか?」が最も重要なポイント(方針)だと考えます。

この回答をヒントに「無意識」を「意識」に変えてみてください。

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