第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

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第33回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

問題1

家族の変容に関する2015年(平成27年)以降の動向として、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)「50歳時の未婚割合」とは、45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均であり、「生涯未婚率」とも呼ばれる。

1.1世帯当たりの人数は、全国平均で3.5人を超えている。
2.核家族の中で、「ひとり親と未婚の子」の世帯が増加している。
3.50歳時の未婚割合は、男性よりも女性のほうが高い。
4.65歳以上の人がいる世帯では、単独世帯が最も多い。
5.結婚して20年以上の夫婦の離婚は、減少している。

解答

2.核家族の中で、「ひとり親と未婚の子」の世帯が増加している。

解説

1.(×)1世帯当たりの人数(平均世帯人員)は、2015年には全国平均で2.49人であり、その後も減少傾向にあります。
2.(○)核家族とは「夫婦のみ」「夫婦と未婚の子供」「父親または母親とその未婚の子供」の世帯のことです。核家族の中では「父親または母親とその未婚の子供(ひとり親と未婚の子)」の世帯が増加しています。
3.(×)50歳時の未婚割合(生涯未婚率)は、2015年には男性約23%、女性約14%であり、女性より男性のほうが高くなっています。
4.(×)65歳以上の人がいる世帯で最も多いのは「夫婦のみの世帯」であり、次いで「単身世帯」となっています。
5.(×)結婚して20年以上の夫婦の離婚数はほぼ横ばいであり、減少しているとはいえません。

問題2

次のうち、セルフヘルプグループ(self-help group)に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.町内会
2.学生自治会
3.患者会
4.専門職団体
5.ボランティア団体

解答

3.患者会

解説

セルフヘルプグループは、病気や障害など同じ経験や問題を抱える人々が相互に援助し合うため、自発的に組織・運営される当事者グループです。

1.(×)町内会は、地域住民により組織される地域自治のための任意団体です。
2.(×)学生自治会は、高等教育機関の学生により組織される、学生生活の維持・向上を目的とする団体です。
3.(○)患者会は、同じ病気や障害など共通する患者体験を有する人々が自主的に組織・運営する当事者グループであり、セルフヘルプグループに該当します。
4.(×)専門職団体は、法律や医療などに関係する専門職従事者が、各人の専門性の維持・向上、業界の利益の擁護・増進などを目的として組織する団体です。
5.(×)ボランティア団体は、何らかの公益性を有するボランティアを行う者が自発的に集まって組織する団体です。

問題3

Dさん(64歳、女性、障害支援区分4、身体障害者手帳2級)は、「障害者総合支援法」の居宅介護を利用して生活している。この居宅介護事業所は共生型サービスの対象となっている。
Dさんは65歳になった後のサービスについて心配になり、担当の居宅介護職員に、「65歳になっても今利用しているサービスは使えるのか」と尋ねてきた。
居宅介護事業所の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための 法律」のことである。

1.Dさんは障害者なので介護保険サービスを利用することはないと伝える。
2.障害者の場合は75歳になると介護保険サービスに移行すると伝える。
3.現在利用しているサービスを継続して利用することができると伝える。
4.継続して利用できるかどうか65歳になった後で検討すると伝える。
5.介護予防のための通所介護(デイサービス)を利用することになると伝える。

解答

3.現在利用しているサービスを継続して利用することができると伝える。

解説

1.(×)受給条件を満たしていれば、介護保険サービスは障害の有無にかかわらず利用可能です。
2.(×)障害福祉サービスよりも介護保険サービスが優先されるため、通常は65歳になると介護保険サービスに移行します。特定疾病に該当する場合は、65歳未満でも介護申請を行うことができます。
3.(○)Dさんが利用している居宅介護事業所は共生型サービスの対象となっているため、現在利用している居宅介護を、介護保険サービスの訪問介護として継続利用できます。
4.(×)継続利用が可能であることは、現段階で判明しています。
5.(×)居宅介護と同じホームヘルプサービスである訪問介護を利用できます。

問題4

「障害者総合支援法」のサービスを利用するための障害支援区分を判定する組織として、正しいものを1つ選びなさい。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための 法律」のことである。

1.身体障害者更生相談所
2.協議会
3.基幹相談支援センター
4.居宅介護事業所
5.市町村審査会

解答

5.市町村審査会

解説

1.(×)身体障害者更生相談所は、「身体障害者福祉法」に基づいて都道府県に設置され、身体障害者に対する更生援護の中核を担っています。
2.(×)社会福祉協議会は、行政の関与を受けつつ地域福祉の推進を図る民間団体です。
3.(×)基幹相談支援センターは、地域の障害福祉に関する相談支援の中核的な役割を担っています。
4.(×)居宅介護事業所は、要介護(1~5)認定者が適切な介護サービスを受けられるよう支援します。
5.(○)市町村審査会は、障害支援区分の認定手続きにおいて、一次判定(コンピュータ判定)の結果を受けて二次判定を行います。

問題5

「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

1.養護者及び養介護施設従事者等が行う行為が対象である。
2.虐待の類型は、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待の三つである。
3.虐待を発見した場合は、施設長に通報しなければならない。
4.立ち入り調査を行うときは、警察官の同行が義務づけられている。
5.通報には、虐待の事実確認が必要である。

解答

1.養護者及び養介護施設従事者等が行う行為が対象である。

解説

1.(○)高齢者の世話をしている家族、親族、同居人などの養護者や、介護職などの養介護施設従事者等が行う虐待行為が対象となります。
2.(×)虐待の類型は、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待、性的虐待、介護放棄(ネグレクト)の5つです。
3.(×)虐待を発見した場合の通報先は、市町村です。
4.(×)立ち入り調査を行う際、管轄する警察署長に対して援助を求めることはできますが、警察官の同行は義務ではありません。
5.(×)虐待の事実確認は市町村が行うものであり、虐待を発見して通報する際に事実確認の必要はありません。

問題6

次のうち、福祉三法に続いて制定され、福祉六法に含まれるようになった法律として、正しいものを1つ選びなさい。

1.社会福祉法
2.地域保健法
3.介護保険法
4.老人福祉法
5.障害者基本法

解答

4.老人福祉法

解説

1.(×)社会福祉法は、1951年(昭和26年)に社会福祉事業法として施行され、2000年(平成12年)に改称された法律であり、福祉六法には含まれていません。
2.(×)地域保健法は、1947年(昭和22年)に制定された(新)保健所法が、1994年(平成6年)に改正された法律であり、福祉六法には含まれていません。
3.(×)介護保険法は、1997年(平成9年)に制定された法律であり、福祉六法には含まれていません。
4.(○)福祉三法とは、生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法であり、これに母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、知的障害者福祉法を加えて福祉六法とされています。
5.(×)障害者基本法は、1970年(昭和45年)に心身障害者対策基本法として制定され、1993年(平成5年)年に改正された法律であり、福祉六法には含まれていません。

問題7

介護保険制度の利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.要介護認定は、介護保険被保険者証の交付の前に行う。
2.要介護認定には、主治医の意見書は不要である。
3.要介護認定の審査・判定は、市町村の委託を受けた医療機関が行う。
4.居宅サービス計画の作成は、原則として要介護認定の後に行う。
5.要介護者の施設サービス計画の作成は、地域包括支援センターが行う。

解答

4.居宅サービス計画の作成は、原則として要介護認定の後に行う。

解説

1.(×)介護保険被保険者証が交付されるのは、65歳以上の第1号被保険者全員と、40~64歳の第2号被保険者のうち、要介護認定または要支援認定を受けている人および被保険者証の交付を希望した人です。基本的には、要介護認定と介護保険被保険者証交付のタイミングに関連はありません。
2.(×)要介護認定には、主治医の意見書が必須となります。
3.(×)要介護認定の審査・判定は、介護認定審査会が行います。
4.(○)介護区分により活用できるサービスの内容や量が異なるため、要介護認定で決定した介護 区分をもとに居宅サービス計画を作成します。ただし、緊急やむを得ない事情がある場合は、この限 りではありません。
5.(×)要介護者の施設サービス計画の作成は、サービスを利用している施設の計画担当介護支援専門員が作成します。

問題8

Cさん(75歳、男性、要支援2)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して一人暮らしをしていた。最近、脳梗塞(cerebral infarction)を起こして入院した。入院中に認知症(dementia)と診断された。退院時の要介護度は2で、自宅での生活継続に不安があったため、Uグループホームに入居することになった。
Uグループホームの介護支援専門員(ケアマネジャー)が行うこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)ここでいう「グループホーム」とは、「認知症対応型共同生活介護事業所」のことである。

1.訪問介護を継続して受けるために、Cさんを担当していた地域包括支援センターに連絡する。
2.Uグループホームに入居するときに、認知症対応型共同生活介護計画を作成する。
3.地域の居宅介護支援事業所に、Cさんのケアプランを作成するように依頼する。
4.認知症対応型共同生活介護計画の作成をするときに、認知症があるCさんへの説明と同意を省略 する。
5.日中の活動を充実するために、地域の通所介護(デイサービス)の利用をケアプランに入れる。

解答

2.Uグループホームに入居するときに、認知症対応型共同生活介護計画を作成する。

解説

1.(×)グループホームは地域密着型サービスであり、入居中はグループホームを運営する事業所が介護サービスを提供するため、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することはできません。
2.(○)入居時に、グループホームの計画作成担当者が認知症対応型共同生活介護計画を作成します。
3.(×)Cさんのケアプランは、入居するグループホームの計画作成担当者が作成します。計画作成担当者は一定の研修修了者であり、1人以上は介護支援専門員でなければなりません。
4.(×)本人への説明と同意は必須であり、認知症だから省略するということはあり得ません。
5.(×)地域密着型サービスであるグループホームに入居中は、地域の通所介護(デイサービス)を利用することはできません。

問題9

ノーマライゼーション(normalization)を説明する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.福祉、保健、医療などのサービスを総合的に利用できるように計画すること。
2.家族、近隣、ボランティアなどによる支援のネットワークのこと。
3.利用者自身が問題を解決していく力を獲得していくこと。
4.障害があっても地域社会の一員として生活が送れるように条件整備をすること。
5.利用者の心身の状態やニーズを把握すること。

解答

4.障害があっても地域社会の一員として生活が送れるように条件整備をすること。

解説

1.(×)ケアマネジメントについての説明です。
2.(×)インフォーマルサポートについての説明です。ソーシャルサポートネットワークは、インフォーマルサポートと、公的支援であるフォーマルサポートにより構成されています。
3.(×)エンパワメントについての説明です。
4.(○)ノーマライゼーションは、社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害の有無や年齢などにかかわらず、権利が保障された環境の中で普通に生活することができる社会の実現をめざす考え方の ことです。
5.(×)アセスメントについての説明です。

問題10

介護保険法の保険者として、正しいものを1つ選びなさい。

1.社会保険診療報酬支払基金
2.市町村及び特別区
3.国民健康保険団体連合会
4.厚生労働省
5.日本年金機構

解答

2.市町村及び特別区

解説

1.(×)社会保険診療報酬支払基金は、社会保険診療報酬法に基づく特別民間法人であり、介護保険制度を重層的に支える機関の一つです。
2.(○)介護保険法の保険者は、介護保険制度の運営を行っている全国の市町村及び特別区(東京23区)です。
3.(×)国民健康保険団体連合会は、国民健康保険法に基づく公的法人であり、介護保険制度を重層的に支える機関の一つです。
4.(×)厚生労働省は、介護保険制度を支える行政機関ですが、保険者ではありません。
5.(×)日本年金機構は、日本年金機構法に基づく特殊法人であり、介護保険制度を重層的に支える機関の一つです。

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