本日のお悩み
介護士9年目です。
介護福祉試験を5回受けましたが、毎回変わらない点数で終わってしまいます。
勉強のやりかたや、勉強をする時間など原因もたくさんあると思うのですが、やる気が出ず、困っています。
このままでは来年の受験も迷っていて…何かいい勉強法がないか教えていただけませんか?
何回受験したかの事実より、どう取り組んだかが重要
ご質問ありがとうございます。
まずは、チャレンジする姿勢、すばらしいです。
でも、もう無理なのではと諦めたくなる気持ちもわかります。
しかしながら、受験された5回はそれぞれどのような姿勢で臨まれましたか?
もしかしたら、回数を重ねる毎にほとんど勉強せずに受験されてはいませんか?
■介護福祉士養成校で、合格率100%になる勉強の秘訣
私は介護福祉士養成校を運営しています。
令和2年度は2年生約30名が全員受験し、合格率は100%でした。
以前、「介護福祉士国家試験の良い対策法」というお答えを書きましたが、今回はまだ就業経験のない学生が1回で合格した秘策を、今から質問者さんが令和4年1月の受験に向けて勉強開始することと仮定してお伝えしましょう。
介護福祉士国家試験の良い対策法を教えてください! | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/227【回答者:伊藤 浩一】ポイントは何の科目から勉強するか?です!
① タイムマネジメント
本校の学生は、1学年夏から国家試験対策をスタートします。
つまり、1.5年ですが、大事なのは、どの時期に何を勉強するのか?です。
質問者さんは受験まで7ヶ月ですね。
今は日常業務とリンクしやすい「コミュニケーション技術」などの科目から過去問を解き、試験問題に慣れましょう。
正解率の高い問題から勉強することで自信を着け、受験勉強のスタートを切ります。
そして、直前に制度や法学、医学などの暗記科目を詰め込む作戦です。本校の学生も同様です。
また、24時間の中で自分が勉強できる時間はいつなのか?も分析します。
仕事の後は、疲れてしまい気持ちも低下、また疲れていては勉強自体身に入らないですよね。
それはそれでいいんです。
それなら、早く寝てしまい、体力回復して勉強する方法もあります。
自分はいつ勉強するのが効率的か?自分自身と向き合って決めてください。
② 模擬試験を月1回実施
7ヶ月もあると先が長く心が折れてしまうので、月ごとの目標を作ります。
1ヶ月ごとに模擬試験を受験することで、過去問題にも慣れつつ、自分の立ち位置及び得意不得意がわかります。
国家試験は11科目すべてに得点しなければなりません。
まんべんなく点数を取るためには自分を分析し、苦手科目の勉強時間を調整していくことが重要です。
また、先の長さに不安を感じるのは当たり前です。1ヶ月毎に目標設定することでモチベーションを維持します。
③ 正解問題の音読訓練
国家試験は5択です。
もちろん選択肢を削っていく方法もありますが、誤っている選択肢には目もくれず、正解の選択肢だけを音読して頭に入れていくことも効果的です。
つまり、惑わせるべく作られた選択肢のノイズは無視し、正しい文章を徹底的に頭に入れていく戦略です。
問題見ただけで字の多さに嫌になってしまう人には効果的ですよ。
■絶対合格するという覚悟と意識を
さて、以上3点ご紹介しました。
せっかく5回も受験したんだから介護福祉士になりましょうよ。
しかし、勉強せずに合格することは絶対にありえません。
ご紹介した対策方法はおすすめですが、「絶対合格する」という覚悟、意識をどのように自分自身に明確にするか?が重要です。
例えば、勤務先が特定処遇改善加算を算定されていたら、「勤続年数7年以上の介護福祉士」と「その他介護職員」では支給額が大きく違うはずです。
質問者さんは9年目、大きな損をしていると考えられます。もったいないですよね。
■最終的には自分と、ご利用者のため
また、実は、介護職として専門性を高める上でも受験勉強は効果的です。
私は、合格するという事実も重要ですが、受験勉強のプロセスこそが重要と考えます。
なぜなら、受験勉強での学びは、質問者さんの成長につながるともに、より質の高いケアにも繋がるからです。
つまり、質問者さんが本気で勉強することは、質問者さんのためであり、そして、ご利用者の為なんですね。
健闘を祈ります!
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)