マイナビ福祉・介護のシゴト
介護職の人事考課のポイントは?自己評価を書く際のポイントも解説

介護職の人事考課のポイントは?自己評価を書く際のポイントも解説

介護業界では、職員1人1人が立てた個人目標をもとに人事考課を行っている事業所や施設が増えています。施設側も、職員側も納得のいく人事考課を行うためには適切な方法やポイントをおさえておく必要があります。この記事では、人事考課を正しく行うためのポイントについて上司側・職員側の視点で専門家が解説します!【執筆者/専門家:大庭 欣二】


\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

執筆者/専門家

大庭 欣二

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/11

福岡福祉向上委員会 代表 ▶プロフィール抜粋:福祉職の離職防止・人財確保を目的に「福岡福祉向上委員会」を立ち上げ、仲間と共に福祉職を支え続けている。また、福岡市の人材確保事業や福祉の魅力発信事業などにも携わり、福祉業界全体の底上げに寄与している。 得意なことは、縁を紡ぐことと戦略を立て実践すること。

そもそも人事考課はなぜ必要なの?

皆さんの事業所では目標管理や人事考課って、行われていますか? おそらく、多くの事業所では、半年に一度、ないしは1年に一度、目標管理や人事考課が行われていると思います。

人事考課の時期になると、人事考課をする側もされる側も、憂鬱になるという声も頻繁に聞こえてきます。おそらく、人事考課の目的に対する考え方の違いから、そのような感情がわいてくるのではないかと感じます。
人事考課は、賞与の査定や昇進昇級に活用されることが多いので、賞与や昇進昇級のために行われていると思っている方も多いようです。

人事考課をする理由は「多忙な介護業界において、日々の振り返りをおこなうため」

では、目標管理や人事考課は何のために行われているのでしょうか。
もちろん、給与や賞与、昇給などのために行われている一面もあります。
しかしながら、それだけのためではありません。

目標を設定し、人事考課を行うことは日々の業務と向き合い、さらに成長へと繋げていく機会となっているのです。

正しい人事考課を行うためのポイント

人事考課を行う意義を確認したところで、実際に人事考課を行ううえでのポイントを確認しましょう。

評価を行う上司側が留意することと、自己評価を行う職員側が留意することに分けて解説します。

正しい人事考課を行うためのポイント【上司編】

ー本人と考課者が合意できる目標を設定する

人事考課のもととなる個人目標を設定するうえで、上司側が留意すべきことは、本人と考課者がしっかりと合意できる目標を設定することです。

考課者である上司が目標を押し付けてしまうと、職員自身が目指したい姿ではなくなってしまう可能性があるからです。もちろん、期待している役割や業務内容を伝える必要はありますが、目標は本人主体で考えるものにしましょう。

そして、考課期間中は、考課者である上司は評価対象者をじっくりと観察してください。
努力している姿を見てもらえるかどうかも職員のモチベーションの変化に繋がります。

正しい人事考課を行うためのポイント【職員編】

ー考課期間終了後の自己評価は、自身の目線のみで評価しましょう

人事考課期間が終わり、振り返りの時期になった際は、まず設定した目標がその期間でどのくらい達成したのか、未達の場合は何が不足していたのかなどを、自分で評価をします。

その際に、考課者である上司のことなどを考える必要はありません。
自分自身が思ったように自己評価をすることがポイントです。この評価では、自己評価が高すぎる?などと考える必要ももちろんありません。

なぜ、上司のことを考える必要がないのかというと、むしろ上司の考課と自己評価のギャップがどこに生じているのかを把握できる機会となるからです。つまり、自分が何を求められているのか、何が足りないのかを明確にすることで、成長のヒントを得ることに繋がります。
自己評価は自分の目線からの評価であり、上司の立場や上司の目線での評価ではないということを意識しましょう。

ーアピールしたいポイントは必ず明記しましょう

さらに、自己評価は自己アピールのチャンスにもなります。
上司も勤務をしながら考課を行うことが多く、職員のすべての様子を確認することはできません。そのため、自己評価として「これはがんばった」、「力をいれた」というものがあれば必ず振り返りの際に明記し、上司に伝わるようにしましょう。

また、目標未達成の場合もネガティブな表現は避け、前向きな表現で次に繋がるような振り返りを行えるとよいでしょう。

まとめ:評価指標を定めにくい介護の仕事だからこそ、人事考課のプロセスが大事

介護や福祉の仕事は、営業職や販売職と異なり、売上高や販売達成率などの数字の評価指標を定めにくい業界です。
この数字として定めにくい目標を上司と一緒に定め、それを半年や1年のスパンで上司と一緒に検証し、確認する作業が、介護現場における人事考課において必要なことです。
それを行うことによる促される成長こそが、人事考課の大きな目的の一つだと言えます。

このようなことを意識をしながら目標設定や自己評価に取り組むと、憂鬱に感じずに、前向きに捉えることとなり、達成時のイメージも湧いてくると思います。

ぜひともチャレンジしてみてください。

あわせて読みたい記事

介護職の個人目標の立て方|設定時のポイントやキャリア段階別の具体例を紹介! | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/606

[2024年9月更新]介護業界でも、個人目標を設定することが重視されています。目標設定を行うことは、より適切な人事評価を行うことができ、職員の成長にも繋がります。この記事では目標設定時の方法やポイント、キャリア段階別の文例を紹介します。【監修者/専門家:脇 健仁】・【コラム執筆者/専門家:大庭 欣二】

介護業界で離職率をさげ、人材定着を図るために事業所ができることとは? | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1187

介護業界では人材不足が大きな課題となっています。事業所や施設は、採用した人材と長く一緒に働きたいと考えていますが、待遇や育成体制が原因で離職してしまう職員がいることも事実です。事業所も職員もお互い気持ちよく働くために、事業所や施設ができることは何があるでしょうか。社労士として介護業界の課題に向き合っている専門家の先生に解説していただきます![執筆者/専門家:山本 武尊]

【介護事業の経営難はなぜ?】介護職員や経営者に求められる対策とは | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1152

介護事業者の倒産数が過去最多となったというニュース。超高齢社会の日本においてなぜ、倒産数が増えてしまったのでしょうか。 今後、事業所が生き残るために必要なことを専門家が解説します。 【解説者:後藤 晴紀/介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・潜水士】

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

この記事のライター

福岡福祉向上委員会 代表

関連するキーワード


介護

関連する投稿


年末年始、介護施設から自宅へ一時帰宅|施設に戻りたくない利用者さんへの対応方法を専門家が解説!

年末年始、介護施設から自宅へ一時帰宅|施設に戻りたくない利用者さんへの対応方法を専門家が解説!

年末年始が近づくと、介護施設から自宅へ一時帰宅をし、家族や親戚と年越しを楽しむ利用者さんも多いのではないでしょうか。自宅での時間が充実すると、施設に戻ってくることを拒む利用者さんもいらっしゃいます。この記事では、そのような利用者さんに対する対応方法を専門家が解説します!【執筆者/専門家:羽吹 さゆり】


介護のアセスメントとは? 実施のポイントやアセスメントシートの書き方を解説!

介護のアセスメントとは? 実施のポイントやアセスメントシートの書き方を解説!

介護業界で、利用者が抱える課題を明確にすることをアセスメントといいます。アセスメントは、適切な介護サービスを提供するために欠かせません。この記事では、実施のポイントやアセスメントシート作成のポイントなどの基礎知識を解説します。


介護職は体力勝負?|介護業界の現状や、体力に自信がなくなった際の対処方法を解説!

介護職は体力勝負?|介護業界の現状や、体力に自信がなくなった際の対処方法を解説!

介護職は、夜勤や身体介護など体力勝負なイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。とはいえ、体力は年齢とともに衰えていくものです。この記事では介護現場の実態を確認したあと、体力に自信がなくなった場合の対処方法などを解説します!【コラム執筆者/専門家:大関 美里】


介護士におすすめの服装選びとは?|アイテムごとに介護に適した服装のポイントを紹介します!

介護士におすすめの服装選びとは?|アイテムごとに介護に適した服装のポイントを紹介します!

介護施設の中には、制服が支給されるところもあれば、私服で勤務するところもあります。介護職として働く際に向いている服装とは?トップスやボトムス、靴やエプロンなどアイテムごとにおすすめの素材や特徴などを解説します!また、身だしなみの注意点やNG例も紹介しています。


訪問介護の将来性は?|赤字訪問介護事業所が増加するなかで、今後の見通しについて解説!

訪問介護の将来性は?|赤字訪問介護事業所が増加するなかで、今後の見通しについて解説!

訪問介護の赤字事業所が増加するなか、これから訪問介護事業所で働く方や、すでに働いている方で、訪問介護の将来性に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、訪問介護を取り巻く現状や、今後の見通しから訪問介護の将来性について専門家が解説します!【執筆者/専門家:脇 健仁】


マイナビ福祉・介護のシゴト 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東・甲信越】
【北陸・東海】
【関西・中四国】
【九州・沖縄】

最新の投稿


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(こころとからだのしくみ)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(こころとからだのしくみ)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【こころとからだのしくみ】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(医療的ケア)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(医療的ケア)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【医療的ケア】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(総合問題)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(総合問題)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【総合問題】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


介護職が行う自立支援|4つの基本ケアや実際の取り組みについて解説!

介護職が行う自立支援|4つの基本ケアや実際の取り組みについて解説!

自立支援介護とは、介護が必要になった高齢者が、可能な限り自分の力で生活できるように支援する介護のことです。高齢化が進む日本において、デイサービスなどを提供する介護施設でも近年、自立支援介護は注目されています。この記事では、自立支援介護の4つの基本ケアや実際の取り組みについて専門家が解説します!【執筆者/専門家:古畑 佑奈】


介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

年末年始は、クリスマス会や忘年会などさまざまなイベントが行われる時期です。介護施設でもこれらのようなイベントを実施すると、利用者さんたちの活力を高めたり、親睦を深めたりする良い機会になります。この記事では、年末年始のイベントを企画するにあたって準備したいこと、当日取り入れられるレクリエーションなどを紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


マイナビ福祉・介護のシゴト
「マイナビ福祉・介護のシゴト」は、福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
介護職をはじめ、福祉・介護業界に関連する職種の求人を掲載しています。
本当に自分にあった施設や事業所を、ご自身で手軽に探すことができるよう職場の雰囲気がリアルに伝わる情報を用意することで、適切なマッチングを実現していきます。
【職種から求人・転職情報を探す】