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株式会社・社会福祉法人・医療法人の違い
それぞれの法人が自分たちの事業目的に応じた法人格を取得しています。
■「営利法人」と「非営利法人」とは?
ー営利法人とは
株式や債券を資金として運営しているため、事業が成功し、利益を得た場合、その利益を株主に分配することができます。
※出典:厚生労働省 3 他の法人制度との比較表(組織、資産等)
ー非営利法人とは
また、都道府県などの首長や厚労大臣の認可のうえ、寄付金や補助金を資金として運営しています。そのため、営利法人とは異なり利益は、国庫帰属となり事業目的にあわせた社会貢献活動のために利用することとなります。
株式会社とは?
事業内容については定款の範囲内であれば自由に決めることができるため、社会的ニーズが高まる介護業界を事業拡大のチャンスと捉え参入している企業も増えています。
■実は介護施設の運営法人は株式会社が多い!
しかし、訪問介護では70.7%、地域密着型通所介護では76.4%が営利法人の運営であり、公的施設(特養など)を除くと非営利法人より株式会社が運営する施設のほうが多いことがわかります。※
出典:厚生労働省 令和4年介護サービス施設・事業所調査の概況
■株式会社で働くメリット
ただし、社会福祉法人と異なり、株式会社は企業ごとに待遇や給与体系が異なります。選ぶ際は、各企業の募集要項を確認しましょう。
2.企業によっては賞与や福利厚生の待遇がよい
3.教育や評価制度が充実している場合が多い
ー1.新規事業や幅広い業務に携わることができる
そのため、タイミングにはよりますが、新規事業の立ち上げに携わることができたり、他の部署で経理や人事の職務を経験できたりする可能性があります。
また、同じ企業内で複数のサービス形態を運営している場合もあるため、訪問介護で入職をしても通所型に異動をすることなどが、同企業内ででき、介護スキルを磨くこともできます。
ー2.企業によっては賞与や福利厚生などの待遇がよい
先述したように、株式会社は利益を追求してビジネスを行っていますので、業績が順調なときは賞与等も高く、不調なときは賞与が下がるなど波があります。また、企業によっても給与形態が異なるため、賞与が3ヶ月分支給の企業もあれば、1ヶ月分にも満たなかったという声があがっている企業もあります。
さらに福利厚生についても、企業によって外部の福利厚生サービスを取り入れているところもあれば、取り入れていないところもあったりと企業によって偏りがあります。
これらのことから株式会社を選ぶ際は、募集要項をよりしっかり確認する必要があるでしょう。
※出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
ー3.教育や評価制度が充実している場合が多い
特に、未経験から介護業界に入ることを検討している方は、このあたりを施設選びの材料とするのがよいかと思います。
社会福祉法人とは?
■第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業とは?
第一種社会福祉事業は、主に利用者を保護する入所サービスとなり、サービスを受ける利用者にとって、緊急性や重要性の高い事業が定められています。事業所に万一のことがあった場合に、住む場所が無くなる方がでないように安定した経済基盤での運営がより必須となるため、行政もしくは社会福祉法人のみが事業を行うことができます。
一方で、第二種社会福祉事業は、主に利用者の自宅での生活を支えるサービスとなります。
第一種と比較すると社会的な緊急性は低いものとなっており、事業所に何かあった場合でも、住む場所が無くなるほどの影響力がない事業とイメージするとわかりやすいでしょう。そのため、届出をおこなえば、行政や社会福祉法人以外でも事業を実施することができます。
■社会福祉法人で働くメリット
2.転勤が少ない
3.介護や福祉に関する専門知識が身につきやすい
ー1.給与や運営面が比較的安定している
そのため、職員に対する給与未払いや、急な撤退がなく責任ある経営体制が整っています。
ー2.転勤が少ない
生まれ育った地域、住み慣れた地域などで働きたい方は候補に入れてみてもよいでしょう。
ー3.介護や福祉に関する専門知識が身につきやすい
そのため、介護に関する知識を深く学びたい人にはおすすめの法人格です。
医療法人とは?
附帯業務の具体例としては、巡回診療所の経営・医療関係者の養成所の経営・医学や歯学に関する研究所の設置などです。
また、医療法人は大きく分けて社団医療法人と財団医療法人があります。それぞれの特徴も確認していきましょう。
■社団医療法人と財団医療法人の違いは?
・財団医療法人:個人または法人が「寄付した資金」をもとに設立された法人
つまり簡単にいうと、同じ目的を持った「人」が集まってできた法人と、「お金」が集まってできた法人という捉え方ができます。
■医療法人で働くメリット
2.経営基盤が安定している
ー1.医療職など他の職種と連携して働くことができる
また、利用者さんの急変時などもすぐに相談ができるため、介護職の不安の種である利用者さんの健康について悩む負担を軽減することができます。
ー2.経営基盤が安定している
結局どの法人がよいのか?
■自分が望む職場環境などをリスト化してみましょう!
法人格の違いだけでなく、各事業所や施設によって強みや弱みが異なります。転職を決意したら、自分が望む転職先の条件を書き出してみましょう。そして、それらを優先度順に並び替え、その条件にあわせた事業所、施設選びを行いたいですね。
■介護職の職場選びでおさえておきたいポイント!
2.教育・研修制度(新人教育の体制や資格取得支援制度の有無etc.)
3.キャリアパス(キャリア形成ができる体制か、評価制度は適切かetc.)
4.勤務時間・雇用形態(夜勤の有無、シフトの柔軟性、アルバイトか正社員かetc.)
5.給与や福利厚生(夜勤手当や交通費の支給の有無etc.)
6.通勤時間(家からの所要時間や交通機関)
1~3については施設見学時や面接時に直接確認をしてみるとよいでしょう。入職前に見えるのはほんの一部ですので、気になる点などがあった場合は口コミサイトなども併せて確認してみましょう。
4~6は施設のホームページやパンフレット、実際に足を運んだ際に見えてくるものです。複数の施設を受けている場合は、メモなどに整理をし、あとで見返せるようにしておくとよいでしょう。
最後に:法人格の違いを理解したうえで介護施設ごとの特徴も確認しましょう!
これらの特徴や経営方針を把握しておくことはもちろん大切ですが、各施設ごとによっても特徴があるため必ず確認してから入職するようにしましょう。
しっかり準備することで後悔ない転職活動を行ってください。
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