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介護施設にはいろいろな種類がある!主な24種の特徴を介護職目線で解説

介護施設にはいろいろな種類がある!主な24種の特徴を介護職目線で解説

介護職の主な転職先である高齢者向けの介護施設には多数の種類があり、サービス形態によって仕事の内容や働き方が異なります。介護施設の主な種類とそれぞれの特徴、働くメリット・デメリットを解説します。


目次

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介護施設にはいろいろな種類がある!主な24種の特徴を介護職目線で解説

介護職の主要な就職・転職先である高齢者向けの介護施設。一口に介護施設といっても、じつは多数の種類があります。入居型施設、訪問介護、通所介護といったサービス形態の違いによって、業務内容や働き方も異なります。今回は、介護施設の主な種類とそれぞれの特徴、働くメリット・デメリットを解説します。

介護施設・事業所の分類

介護施設・事業所は、次の4つに大きく分けることができます。
  • 入所型介護施設
  • 居宅介護サービス事業所
  • 居宅介護支援事業所
  • 地域密着型サービス事業所

入所型介護施設は、高齢者が入所して生活しながら介護サービスを受ける施設です。居宅介護サービスは、自宅で暮らす高齢者向けのサービスで、介護職などが利用者の自宅を訪ねてケアをする「訪問型」、利用者が事業所に通ってケアを受ける「通所型」、利用者が短期間だけ入所する「短期入所型」があります。

居宅介護支援は、高齢者が自宅で介護を受けながら暮らせるように相談に応じたりケアプランを作成したりする支援サービスです。地域密着型サービスは、地域住民のニーズに柔軟に対応するための小規模なサービスです。
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入居型介護施設の種類

まずは入居型の介護施設の主な種類から、詳しく見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(特養)

原則として、自力では日常生活を送るのが困難な要介護3以上の高齢者を対象としています。そのため、介護職の業務は、食事や排泄、入浴の介助などの身体介護が中心です。そのほか、洗濯や買い物代行といった生活支援、健康管理、機能訓練を兼ねたレクリエーションもしています。「終の住処」として亡くなるまで過ごす利用者も多く、ほとんどの施設が看取りにも対応しています。

なお、特養は地方自治体または社会福祉法人によって運営されています。民間企業が経営する介護付き有料老人ホームに比べると利用料が安いため、入所希望者が多いのも特徴です。申し込みをしても、入所できるまで長期間待たなければならないこともあります。

介護老人保健施設(老健)

主に病気やケガで長期入院した高齢者が、退院後、自宅に戻るまでの間に入居する施設で、医療法人や社会福祉法人によって運営されています。

対象は、要介護度1以上で、リハビリを必要とする人です。利用者が心身の機能を回復して自宅で生活できるように医学的な管理のもとで看護や介護をするほか、作業療法士や理学療法士といったリハビリ専門の職員が機能訓練を行います。

数カ月で在宅復帰する利用者が多いためベッドの回転率が高く、申し込み後、特養ほど待たずに入居できることが多いようです。

介護療養型医療施設

要介護1以上で医学的管理が必要な高齢者を対象に、必要な介護や機能訓練、医療を提供する施設です。医師や看護師が常駐していて幅広い医療ケアが可能なのが特徴で、たんの吸引や胃ろう、酸素吸入などを必要とする人も入居できます。ただし、2024年3月末で廃止されることが決まっています。

介護医療院

医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象とした長期療養のための施設で、多くが医療法人によって運営されています。2024年に廃止予定の介護療養型医療施設の代わりに新設されました。医学的管理のもとで日常的な介護と、たんの吸引や胃ろうなどの医療ケアが受けられるほか、看取りにも対応しています。

軽費老人ホーム・ケアハウス

自立した生活に不安があり、収入が少なく家族からの支援が受けられない60歳以上の人を対象にした老人ホームで、低額の利用料で入居できます。地方自治体や社会福祉法人、自治体の認可を受けた公益法人などによって運営されています。

軽費老人ホームには、食事と生活支援サービスを提供するA型、生活支援のみを提供するB型、ケアハウスと呼ばれるC型の3種があります。現在、A型、B型は新設されていないため、今後はC型のケアハウスが主流になります。

ケアハウスは、自立型(一般型)と介護型に分かれます。自立型は積極的な介護の必要がない60歳以上の人が入居する施設で、掃除、洗濯などの生活支援サービスと食事を提供します。介護型は要介護1以上の65歳以上の高齢者が対象で、食事と生活支援に加え、介護サービスも受けられます。介護型ケアハウスのなかには認知症の人や看取りケアに対応している施設もあり、要介護度が上がっても住み続けることができます。

介護付き有料老人ホーム

食事の提供、介護、掃除や洗濯などの家事、健康管理のうち、いずれか一つ以上のサービスを提供する民間運営の入居型施設を有料老人ホームといいます。

なかでも、地方自治体から「特定施設入居者生活介護」のサービスを提供してもよいという指定を受けているのが、介護付き有料老人ホームです。介護職が常駐していて、食事や生活支援、介護サービスを提供します。多くの施設が看取りにも対応しています。

基本的には入居できるのは要介護の認定を受けた高齢者ですが、要支援の高齢者を受け入れている施設もあります。細かい要件や費用、サービス内容は施設によって異なります。
月々の利用料のほかに入居一時金がかかるのが一般的で、特別養護老人ホームのような公的な入居施設に比べると、費用負担が大きいのが特徴です。ただ、最近では入居一時金を取らない施設も増えています。

住宅型有料老人ホーム

自立した高齢者と要支援の高齢者、要介護度の低い高齢者を対象とした有料老人ホームです。サービスは食事の提供、洗濯、掃除などの生活支援、生活相談が中心です。利用者向けのレクリエーションやイベントに力を入れている施設も少なくありません。

介護が必要な場合は、訪問介護や通所介護(デイサービス)といった外部の事業所の介護保険サービスを利用する必要があります。利用者の要介護度が高くなると外部のサービスでは間に合わず、退所しなければならなくなる場合もあります。介護型有料老人ホームと同様、入居一時金と月額利用料がかかるのが一般的です。

健康型有料老人ホーム

主に60歳以上の自立した高齢者を対象に、食事と洗濯、掃除などの生活支援サービスを提供する有料老人ホームです。職員が身体介護をする機会はありませんが、生活支援や見守り、相談対応のほか、健康維持のためのレクリエーションを行うこともあります。

利用者が毎日を楽しく健康的に過ごせるように、トレーニングジムやプール、温泉、カラオケルームなどの設備を用意している施設もあります。

ただし、あくまで介護を必要としない人のための施設なので、要介護度が上がると別の介護施設に移ることになります。設備が充実している分、ほかの有料老人ホームに比べると費用が高めになる傾向があります。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

要支援2以上の認知症の高齢者を対象とした小規模な介護施設です。5~9人の「ユニット」と呼ばれるグループごとに、職員の支援を受けながら共同生活を送ります。環境の変化を苦手とする認知症の人には、いつも同じ顔ぶれの仲間や職員と過ごせるグループホームの環境が適しているといわれています。

介護保険サービスの区分では「地域密着型サービス」にあたり、施設と同じ地域に住民票がある人しか入居できません。介護職の体制は施設ごとに異なるため、要介護度が上がると退去が必要になるケースもありますが、なかには看取りまで対応している施設もあります。

有料老人ホームのほとんどは民間企業によって運営されていますが、グループホームの場合は民間企業のほかに、社会福祉法人やNPO法人が運営している施設もあります。費用は施設や要介護度によってまちまちで、一時入居金に加え、生活費、介護サービス費がかかります。

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高齢者向け住宅の種類

入居型の介護施設のほかに、民間企業が運営する高齢者向けの住宅もあります。あくまで住宅であり介護施設ではありませんが、介護職が常駐で勤務しているところもあるので、主な種類を知っておきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

60歳以上の自立した高齢者や要支援度、要介護度が低い高齢者向けの住宅です。要支援、要介護の認定を受けた人であれば、60歳未満でも入ることができます。「高齢者の居住安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正によって制度が創設され、2011年に登録がスタートしました。

サ高住には、一定以上の面積・設備とバリアフリー構造を備えることが定められています。基本のサービスは安否の確認と生活相談で、日中は介護職員初任者研修修了者や介護福祉士、看護師といったケアの専門家が常駐して対応します。

生活支援や食事の提供は必須ではありませんが、オプションサービスとして実施している住宅もあります。介護を必要とする場合は、外部の介護サービスを利用するのが基本です。

なお、サ高住の多くは賃貸契約で、利用者は月額の賃料やサービス費を支払って入居します。有料老人ホームと違って、利用者から入居一時金を取ることはできません。代わりに、一般の賃貸住宅と同程度の敷金がかかる場合はあります。

シニア向け分譲住宅

民間企業が販売している高齢者向けの分譲住宅です。高齢者が快適に暮らせるようにバリアフリー構造になっている住宅が多く、食事や掃除、洗濯などの家事サービス、見守り、緊急時の対応などのサービスを提供しています。プールやスポーツジム、レストランといった設備を備えた住宅も少なくありません。

制度上は一般の分譲住宅と同じなので、面積や設備、職員の配置に関する基準は特にありません。主に自立した高齢者を対象としていますが、細かい入居要件やサービス内容は、住宅によって異なります。介護や医療を必要とする利用者は、外部のサービスを利用します。

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入居型介護施設の主な仕事内容

入居型の介護施設で働く介護職は、どんな仕事をしているのでしょうか。施設によって細かい仕事内容には違いがありますが、ここでは、入居型介護施設における基本的な仕事内容を紹介します(介護サービスを提供していない住宅・健康型有料老人ホームや高齢者向け住宅は含まれません)。

身体介護

特別養護老人ホーム(特養)や介護付き有料老人ホームといった介護を要する高齢者が入居する介護施設では、身体介護が業務の中心となります。身体介護とは、食事や着替え、排泄、入浴の介助、ベッドから車椅子への移乗介助など、直接利用者の体に触れる介助のことです。

要介護度の高い利用者が多いほど、身体介護の比重が増します。身体介護を行うには基本的には介護職員初任者研修(以下、初任者研修)以上の資格が必要ですが、入居型の介護施設では、無資格であっても、資格のある介護職の指導のもとで身体介護にあたることが可能です。

生活支援

多くの入居型の介護施設では、洗濯や掃除、買い物代行といった生活支援も、介護職や介護助手によって行われています。ただし、なかには洗濯や掃除を外部の業者に委託している施設もあります。また、利用者の要介護度が比較的低い場合、利用者自身が居室内の掃除や洗濯を行うこともあります。

レクリエーションやイベントの企画・開催

ほとんどの入居型の介護施設では、機能訓練と利用者同士の交流などを目的に、要介護度に応じたレクリエーションを定期的に実施しています。高齢者向けのレクリエーションには、脳トレゲームやクイズ、軽いスポーツ、料理、工作など、さまざまな種類があります。

施設によっては、季節ごとに花見、納涼会、クリスマス会、初詣といったイベントを催したり、近場の温泉地や観光スポット、ショッピングセンターなどに外出したりすることもあります。利用者が喜んでくれそうなレクリエーション・イベントを企画して開催するのも介護職の仕事です。

健康管理

医療的なケアは医師や看護師などの医療職が担当しますが、介護職も利用者の健康状態をチェックし、把握する必要があります。代表的な業務は、体温、血圧、脈拍数などを測定するバイタルチェックです。その都度結果を記録し、異常があれば看護師や医師に速やかに知らせます。

普段のケアを通して利用者の様子や顔色をよく観察し、異変を感じたときに看護師や医師に相談しながら適切に対処するのも介護職の重要な役目です。

利用者の家族への対応

介護施設で働く介護職の主な仕事は入居する利用者のケアですが、面会に訪れる利用者の家族とコミュニケーションをとることも重要な仕事の一つです。利用者の普段の様子や体調について説明したうえで、家族から質問や相談があれば丁寧に応じる必要があります。

さらに詳しい仕事内容はこちら!

介護職の仕事内容とは? サービスの種類別から必要な資格、給与まで徹底解説! | ささえるラボ

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少子高齢化でニーズが高まる介護職は、未経験からチャレンジできて安定的に就労できる仕事です。介護業界への転職を考える人のために、仕事内容から介護職の魅力、必要な資格、平均給与額まで、基礎知識を解説します。

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居宅介護サービスの種類

自宅に暮らす高齢者に介護サービスを提供するのが、居宅介護サービス事業所です。ここでは、「訪問型」「通所型」「短期入所型」という3つのカテゴリー別に、主な居宅介護サービスを紹介します。

なお、居宅介護サービスの事業所には、一つのサービスに特化した事業所もあれば、複数のサービスを提供している事業所もあります。運営しているのは、民間企業のほか、社会福祉法人や医療法人などさまざまです。

訪問型

■訪問介護

ホームヘルパーと呼ばれる介護職が要介護1以上の利用者の自宅を訪ね、調理、洗濯、掃除、買い物代行といった生活支援サービスと必要な身体介護を行います。

■訪問入浴介護

要介護1以上で、自宅で入浴するのが難しい人を対象にしたサービスです。介護職員2人と看護師1人が利用者の自宅に専用の浴槽を持ち込んで、体調チェックをしたうえで入浴介護を行います。

■訪問看護

看護師や保健師が利用者の自宅を訪問し、主治医の指示書に基づいて、健康状態の観察をし、利用者やその家族から療養生活の相談を受けてアドバイスをします。必要に応じて、リハビリや注射、点滴などの医療処置をすることもあります。

訪問看護自体は、看護が必要な人なら年齢に関わらず利用できるサービスですが、要支援、要介護の認定を受けた65歳以上の高齢者の場合、介護保険が適用されます。

■訪問リハビリテーション

病院や介護老人保健施設などに所属する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職が利用者の自宅を訪問し、主治医の指示書をもとにリハビリをするサービスです。要介護の認定を受けていて、主治医がリハビリの必要性を認めた人は、介護保険を使って訪問リハビリテーションを受けることができます。

通所型

■通所介護(デイサービス)

自宅で暮らす要介護1以上の高齢者を対象に、食事や入浴などの介護や機能訓練を行うサービスです。ゲームや体操、工作などのレクリエーションもひんぱんに行われています。利用者は自宅から通所介護事業所に通ってサービスを受け、その日のプログラムが終わると自宅に帰ります。利用者を事業所まで車で送迎するのも、介護職などの職員が担当するのが一般的です。

■通所リハビリテーション(デイケア)

要介護1以上の高齢者が自宅から事業所に通ってリハビリを受けられるサービスです。主に、病気やケガなどでしばらく寝込んだ後、機能低下が見られるときに利用されます。

事業所は多くの場合、病院や診療所、介護老人保健施設などに併設されています。主治医の指示をもとに、理学療法士、作業療法士などの専門職がリハビリを行います。リハビリ専門職のほかに、看護師や介護職も在籍しています。

短期入所型

■短期入所生活介護(ショートステイ)

普段は自宅で暮らしている要介護の高齢者が、短期間(1日~30日以内)入所して介護や機能訓練を受けることができます。利用者自身の体の状態が悪いときはもちろん、利用者の家族が病気のとき、出張で留守にするとき、身体的・精神的な負担軽減が必要なときにも利用できます。短期入所事業所のほか、特別養護老人ホーム(特養)でも短期入所を受け付けています。

■短期入所療養介護(ショートステイ)

医療処置を必要とする要介護者が短期入所を希望する場合は、短期入所療養介護というサービスを利用することになります。病院や診療所、介護老人保健施設といった病床のある施設に短期間入所して、医師や看護師の管理のもとで、介護や機能訓練、医療処置を受けることができます。

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支援サービスの種類

■居宅介護支援

自宅で暮らす要介護者とその家族を支援するサービスです。居宅介護支援事業所は、民間企業、社会福祉法人、医療法人などによって運営されています。事業所にはケアマネジャーが常駐していて、居宅介護に関する相談に応じてくれます。

ケアマネジャーが介護保険サービスを受けるために必要なケアプランを作成し、各サービスの事業所との連絡・調整、紹介などを行います。なお、要支援の高齢者のケアプランは、地域包括支援センターで作成されています。

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地域密着型サービスの種類

地域密着型サービスは、認知症患者や高齢者などができる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるように、市町村が指定した事業者が地域住民のために提供するサービスです。2006年の介護保険制度改正により創設されました。事業者は、民間企業、社会福祉法人、医療法人、NPO法人などさまざまです。

原則として、その市町村に住む要介護者でないと、地域密着型サービスを利用することはできません。訪問・通所・入所の垣根を超えたサービスが多いのも特徴です。

ここでは、主な地域密着型サービスを紹介します。なお、入居型介護施設として紹介したグループホームも、地域密着型サービスの一つです。

■小規模多機能居宅介護

利用者の要介護度が上がっても、できる限り自宅での生活を続けられるようにサポートするために、さまざまな機能を備えた小規模な介護施設です。利用者の体の状態や要望に応じて、通所介護(デイサービス)をメインに、訪問サービスやショートステイを組み合わせて利用できます。サービス形態が変わっても同じ場所で顔なじみの職員からケアを受けられるため、特に環境変化が苦手な認知症の人に適しています。

■定期巡回・随時対応型訪問介護看護

1日に複数回、介護職が自宅を訪問して身体介護や生活支援をするほか、24時間体制で利用者からの通報に対応し、必要に応じて訪問するサービスです。医師の指示書があれば、定期的に訪問看護サービスを利用することもできます。持病のある人や寝たきりの人でも、このサービスを利用することで、自宅にいながら必要な介護と医療を受けられます。

■地域密着型通所介護

サービス内容は通所介護(デイサービス)と同じで、要介護1以上の高齢者が、日帰りで食事や入浴の介助、機能訓練などを受けられます。ただし、通所介護の利用定員が19人以上であるのに対し、地域密着型通所介護事業所は利用定員が19人未満と定められています。介護職から見ると、利用者全員に目が届きやすく、より細やかなケアを提供できる環境といえます。

■夜間対応型訪問介護

ホームヘルパーが午後6時から翌朝8時の夜間に要介護者の自宅を訪問するサービスです。定期的に巡回して排泄介助や安否確認をするほか、急に体調が悪くなったときなど、随時、利用者から通報を受けて対応します。

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施設の種類別・働くメリット・デメリット

自分に合った職場を選ぶには、サービス形態ごとに介護職にとってどんなメリット・デメリットがあるかを把握しておく必要があります。主な介護施設・事業所の種類別に、働くメリット・デメリットを解説します。

法人格別の比較はこちら!

介護職必見!社会福祉法人で働くメリットとは?医療法人、株式会社など法人格別の給料や働きやすさも解説 | ささえるラボ

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【2022年2月更新】同じ労働条件の求人を複数見つけて、どこに応募するべきか迷ったとき、施設を運営している法人格で応募先を選ぶという方法もあります。本記事では法人格別の特徴とそれぞれどのような人に向いているのか解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

要介護度が高い利用者が中心で身体介護を行う頻度が高いため、介護スキルがアップしやすいのがメリットです。また、従業員数が多くチームで働くため、先輩介護職から仕事の仕方を学ぶことができます。

ただ、利用者の体を支えて移動させる移乗介助や入浴介助が多い特養での業務は、介護職にとっては身体的な負担が大きいというデメリットもあります。体力に自信がない人や腰痛持ちの人には、きつく感じられるかもしれません。

また、24時間体制なので、常勤の職員には月に何度か夜勤が回ってくるのが一般的です。人によっては、日勤と夜勤が混じったシフトで働くことで、体内リズムが乱れて体調を崩す場合もあります。

介護老人保健施設(老健)

老健の利用者は特養に比べると要介護度が低く、在宅復帰を目指す人が中心なので、介護職の身体的な負担はさほど大きくありません。また、医師や看護師、リハビリ専門職などの職種と連携して働くため、医療やリハビリの知識を学べるのもメリットといえるでしょう。利用者の体調が急変したときなどに、すぐに常駐の医師や看護師に見てもらえるという心強さもあります。

一方、利用者の入れ替わりが激しく、新しく利用者が入所するたびにその人の顔や名前、健康状態などのケアに必要な情報を覚えなければならないという老健ならではの大変さもあります。一人の利用者と長く関われず、すぐに別れが来るのが寂しいと感じる介護職もいるようです。

医療職との連携が必須の職場環境ゆえに、他職種の人には意見しづらかったり、コミュニケーションに悩んだりすることもあるかもしれません。また、リハビリと医療ケアがサービスの中心なので、介護スキルが身につきにくい面もあります。

介護医療院

医師や看護師と連携しながら業務にあたるため、利用者が急変したときにすぐに医療につなげられるうえ、医学的な視点や医療ケアについて学べます。老健に比べると要介護度の高い利用者が多く、介護スキルもしっかり身につけることができるでしょう。少子高齢化が進むなか、ますます必要性が高まっている看取りケアの経験を積めるのも大きなメリットです。

その反面、看取りケアに不安を感じる介護職にとっては、負担の大きい現場といえるかもしれません。老健と同様、他職種とのコミュニケーションがストレスになる場合もあります。

介護付き有料老人ホーム

民間の介護施設である有料老人ホームは、特養のような公的施設と比べて給料が高めです。特に大手の法人が運営する施設には、待遇がよいうえに研修制度や資格取得支援制度が整っているところが多く、キャリアアップしやすい環境です。特養同様に要介護度の高い利用者が多いため、介護スキルも身につきやすいでしょう。

ただし、人手不足の施設もあり、その場合は、身体的な負担が大きくなります。利用料が高い分、利用者からの要望が高くなったり、クレームが増えたりする傾向があります。また、同じ有料老人ホームでも、住宅型や健康型では介護職の仕事は生活支援が中心になるので、転職活動の際には注意が必要です。

グループホーム

グループホームでは、利用者は5~9人の少人数制のユニット単位で生活し、ユニットごとに固定の職員がケアにあたります。そのため利用者との距離が近く、一人ひとりに合わせた細やかで丁寧なケアが可能です。働きながら認知症に関する専門知識を身につけられるのも魅力です。要支援2以上の高齢者が対象で、自分でできる家事や身の回りのことは自分でする決まりなので、介護職の身体的負担は高くありません。

一方で、固定の職員で業務にあたるため、一人でも気の合わない職員がいると勤務がつらくなる可能性があります。また、攻撃的な態度や妄想、徘徊といった認知症の人に起こりやすい周辺症状に対応するには、専門知識と忍耐力が求められます。施設によって体制は異なりますが、夜勤を一人で担当しなければならないケースも少なくありません。

訪問介護事業所

夜間対応型訪問介護以外の一般的な訪問介護サービスの事業所では、日中のみの勤務が基本です。夜勤が苦手な人や家庭の事情で日中しか働けない人にとっては、夜勤がないのはメリットの一つです。基本的には一人で利用者の自宅を訪問して仕事をするため、職場の同僚同士の人間関係で悩む必要がありません。

ただし訪問介護で働くには、初任者研修以上の資格が必要とされます。悩んだときに先輩や上司に相談できず、自分一人の判断で業務を進めなければいけないのもデメリットといえます。

通所介護事業所(デイサービス)

通所介護(デイサービス)では、介護職の勤務は朝から夕方までの日中のみで、夜勤はありません。24時間体制の入居型施設と違って、定休日があるのも特徴です。規則正しい生活リズムと家族と過ごす時間をキープしながら働きたい人には適した職場といえます。利用者は要介護度の低い人が中心なので、身体的な負担も大きくありません。

負担が少ない分、他の介護施設に比べると給料は安めです。身体介護の機会が少なく、介護スキルを高めにくいのもデメリットです。また、レクリエーションの開催頻度が多いため、新しい企画のアイデアが思い浮かばず悩む人もいるようです。

まとめ:施設の種類と特徴を理解して、自分に合った職場を選ぼう

介護職として就職・転職する場合、まずどんなサービス形態の施設で働くかを考える必要があります。今回紹介した通り、介護施設には多数の種類があり、施設の種類ごとに業務内容や働き方が異なります。

例えばしっかり働いて介護スキルを身につけたい場合は特別養護老人ホーム、夜勤を避けて日中中心で勤務したい場合は訪問介護や通所介護の事業所というように、自分が目指す方向性やライフスタイルに合う施設を選ぶことが大切です。まずは主な施設の種類と特徴を把握し、自分にはどの施設が合っているかをよく考えてみましょう。

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