2016年(平成28年)に閣議決定された、「ニッポン一億総活躍プラン」にある「地域共生社会の実現」に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.日本型福祉社会の創造
2.我が事・丸ごとの地域づくり
3.健康で文化的な最低限度の生活の保障
4.社会保障と税の一体改革
5.皆保険・皆年金体制の実現
1.(×)日本型福祉社会の創造は、1979年(昭和54年)に提言された福祉政策の方向性です。国の福祉政策が見直される中で、家庭責任が強調された点に課題がありました。
2.(○)地域共生社会の実現に向けて、地域づくりを他人事ではなく我が事として受け止めること、公的支援を縦割りから丸ごとへ転換することなどが、改革の方向性とされました。
3.(×)健康で文化的な最低限度の生活の保障は、日本国憲法第25条に定められた生存権を意味します。
4.(×)2012年(平成24年)に提言された社会保障と税の一体改革は、社会保障制度を財政的にも仕組み的にも安定させる目的で、消費税引上げによる増収分をすべて社会保障に充てるという内容でした。
5.(×)皆保険・皆年金体制は、国民健康保険法の改正と国民年金法の成立を受け、1961年(昭和36年)に実現しました。
生活保護制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.生活保護の給付方法には、金銭給付と現物給付がある。
2.生活保護の申請は、民生委員が行う。
3.生活保護法は、日本国憲法第13条にある幸福追求権の実現を目的としている。
4.生活保護を担当する職員は、社会福祉士の資格が必要である。
5.生活保護の費用は、国が全額を負担する。
1.生活保護の給付方法には、金銭給付と現物給付がある。
1.(○)8種類の扶助のうち、医療扶助と介護扶助は原則として現物給付が行われ、生活扶助、住宅扶助、生業扶助、教育扶助、出産扶助、葬祭扶助については金銭給付が行われます。
2.(×)生活保護の申請を行うことができるのは、本人やその扶養義務者、またはその他の同居親族です。
3.(×)生活保護法は、日本国憲法第25条に規定された生存権の理念に基づいています。
4.(×)生活保護を担当する職員には、社会福祉主事任用資格を求められます。
5.(×)生活保護の費用は、国が4分の3を、地方自治体が4分の1を負担します。
「2016年(平成28年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)における身体障害、知的障害、精神障害の近年の状況に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.最も人数の多い障害は、知的障害である。
2.施設入所者の割合が最も高い障害は、身体障害である。
3.在宅の身体障害者のうち、65歳以上の割合は7割を超えている。
4.在宅の知的障害者の数は、減少傾向にある。
5.精神障害者の8割は、精神障害者保健福祉手帳を所持している。
3.在宅の身体障害者のうち、65歳以上の割合は7割を超えている。
1.(×)障害者の総数(推計値)936.6万人のうち、最も人数が多いのは46.5%を占める身体障害(436.0万人)です。
2.(×)施設入所者の割合が最も高い障害は、知的障害(11.1%)です。
3.(○)在宅の身体障害者(428.7万人)のうち、65歳以上は311.2万人であり、割合は7割を超えています(72.6%)。
4.(×)在宅の知的障害者の数は96.2万人であり、2011年(平成23年)に比べて約34万人増加しています。
5.(×)精神障害者392.4万人のうち、精神障害者保健福祉手帳を所持しているのは84.1万人であり、2割程度となっています。
次のうち、2020年(令和2年)の社会福祉法等の改正に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)2020年(令和2年)の社会福祉法等の改正とは、「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(令和2年法律第52号)」をいう。
1.市町村による地域福祉計画の策定
2.入所施設の重点的な拡充
3.医療・介護のデータ基盤の整備の推進
4.市町村直営の介護サービス事業の整備拡充
5.ロボット等の機械の活用から人によるケアへの転換
1.(×)市町村による地域福祉計画の策定は、2000年(平成12年)の社会福祉事業法等の改正により、社会福祉法に新たに規定されました。その後、2018年(平成30年)の社会福祉法改正により、任意とされていた策定が努力義務とされました。
2.(×)質の高い福祉サービスの拡充については、2000年(平成12年)の社会福祉基礎構造改革により概要が示されました。
3.(○)医療・介護のデータ基盤の整備の推進は、2020年(令和2年)の社会福祉法等の改正で掲げられた5項目のうちの一つです。
4.(×)市町村直営の介護サービス事業の整備拡充は、2006年(平成18年)の介護保険制度改正により示されました。
5.(×)近年は、介護ロボットなどの普及・活用が推進されています。
Eさん(30歳、女性、知的障害、障害支援区分2)は、現在、日中は特例子会社で働き、共同生活援助(グループホーム)で生活している。今後、一人暮らしをしたいと思っているが、初めてなので不安もある。
次のうち、Eさんが安心して一人暮らしをするために利用するサービスとして、適切なものを1つ選びなさい。
1.行動援護
2.同行援護
3.自立訓練(機能訓練)
4.自立生活援助
5.就労継続支援
1.(×)行動援護は、障害支援区分3以上で、知的障害や精神障害により一人で行動することが困難な障害者が対象となる外出支援です。
2.(×)同行援護は、視覚障害者が対象となる移動支援サービスです。
3.(×)自立訓練(機能訓練)は、自立した日常生活や社会生活を送ることを目的とし、身体機能や生活能力の維持・向上のためのリハビリテーションなどを提供するサービスです。
4.(○)自立生活援助は、一人暮らしの障害者が自立した日常生活を営めるよう、定期的な巡回訪問や随時の訪問を実施して相談に応じ、必要な助言や援助を行うサービスです。
5.(×)就労継続支援は、一般企業などで就労が困難である場合に、働く場所を提供したり、就職に向けて知識や能力の向上に必要な訓練を行うサービスです。Eさんはすでに特例子会社で働いているため、適切なサービスとはなりません。
Cさん(78歳、男性、要支援1)は、公的年金(月額19万円)で公営住宅の3階で一人暮らしをしている。妻と死別後も通所型サービスを利用し、自炊を楽しみながら生活している。最近、膝の具合がよくないこともあり、階段の上り下りが負担になってきた。そこで、転居について、通所型サービスのD介護福祉士に相談をした。
次のうち、D介護福祉士がCさんに紹介する住まいの場として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
2.介護付有料老人ホーム
3.軽費老人ホームA型
4.サービス付き高齢者向け住宅
5.養護老人ホーム
1.(×)認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)は、認知症の状態にある要介護者が対象となります。
2.(×)介護付有料老人ホームは、民間の事業者が運営する施設であり、公的施設に比べて費用が高額です。公的年金(月額19万円)で一人暮らしをしているCさんには、経済的負担が大きいと思われます。
3.(×)軽費老人ホームA型は、原則60歳以上で身体機能の低下がみられる高齢者が対象であり、食事サービスや介護サービスが提供されます。自炊を楽しみながら生活しているCさんにはマッチしません。
4.(○)サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認や生活相談のサービスが受けられるバリアフリーの賃貸住宅であり、高齢者が安心して暮らせるよう配慮された住環境が整っています。低額で入居できる一般型の物件もあるため、紹介する住まいの場として最も適切であると考えられます。
5.(×)養護老人ホームは、経済的理由や環境的理由などにより、困窮している高齢者が措置で入所する支援施設です。
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